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同意を求めた



 警備官の考えが当たっていたのか、と複雑なおもいで「盗まれたのに気付かなかったんだって?」ときけば、「譜面の間にあの女が名簿をはさんでいたなんて、わたくしは気づかなかった」とこたえがかえった。




「・・・『あの女』ってのは、サラのことか。やっぱり、あんたはサラも知ってるんだな」



「彼女はすばらい歌声の持ち主だった。《讃える唄》をうたわせるのに譜面を渡し、彼女の《役目》が終わったあとに譜面はそのまましまっておいた。 ―― あの男も譜面だけならば問題はなかったのに、『名簿』をつかったので報告された」




 どういう意味だ?と聞き返す前に、ジャスティンの耳に子どものような声が聞こえた。





            「 やっぱりだめだね 」




 この暗闇の中でじかに耳にささやかれたような感覚を味わった男は鳥肌をおさえながら、今の声が聞こえたか、と前をゆく男に聞くことはできなかった。



 なぜか、いまの声は《この自分》に同意を求めたように感じたからだ。




  ――― 気のせいだ。いや、その前に幻聴だ

 自分にいいきかせる。



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