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A班ファイル ― 魔女は森では踊らない ― 後編  作者: ぽすしち
〈ひとり芝居〉 目もあてられない
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つまり


「最初から、話してくれないか?―― きみが、置いて行かれたバーノルドの森でどんな体験をしたのか、から 」

 つながった手をかるく振る。


 頬をこすったジェニファーが口をあけ、まわりをながめてつぶやいた。

「・・・声が、しない・・」


「え?」


「すごい!声がしないわ。あの気持ち悪い声がきこえない!  今なら平気かも。 ねえ、わたしがあの日森に置いてかれてどんな気持ちだったかわかる?真っ暗で寒い中をさまよいながら思ったわ。《あいつら、ぜったいに殺してやる》って。 そしたら、そのときに明かりが見えたのよ。それをたどっていったら着いた」



「ノース卿の城に?」



「教会よ。ああ、お城の一部なんだっけ? くずれた壁の中にあるようなひどい建物だったけど、ランプをゆらして、まるでわたしのこと待ってくれてたみたいだった。毛布をかけてすぐに教会横の小屋にいれてくれて、わたしの話を聞いてくれて、かくまうって言ってくれたわ。 わたしは悪くないんだから」

 安心したが、置いて行った《仲間》への怒りはおさまるどころか、激しくなった。


「 そうしたら、名前をきかれたの。そのずるい仲間の名前をここでいえば、神様がきっとかたきをとってくれるだろうって」



   あなたが怒るのももっともだし、そいつらが痛い目にあうのも当然なんだから。



「ちょっと告げ口するのよ。そうすれば『あとは神様がやってくれる』っていうから、三人の名前を口にしたわ。 ―― わたしがしたのは、ここまでよ」


「・・・つまり?」


「だから、わたしのせいじゃないってことよ」


「本心から?」


「っ、なにが言いたいの?わたしはなにもしてないわ!」


「三人の行方がわからなくなってるのを知ってた?」



 つながっていた手をジェニファーがふりはらう。



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