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『夢ならよかった』


 その一週間は彼女が感染症の病気を申告して勤務先も休んだ期間だ。


「 ―― 復帰してから《そっち》の業務がかなり減る。そして、この日、『職場の同僚とつかみあいのけんか』だ。相手の悪口でいっぱいになっるね」


 そこからゆっくりと『業務日誌』でなくなっていったそこには、『同僚』から恋人へとなってゆく二人の関係がかきこまれていく。



「・・・ドナは、『恋人』と出会ってから、穏やかで静かな文をかくようになった。姉さんへの手紙の負担も減り、精神的にも余裕がもてたんだろうね。ところどころ、詩のような文も出てくるようになる。そんな中で出てきたのが、これだよ」とキーを押す。




『   

    あなたのつくったこの国に、わたしは愛などいだかない

    

   ほらここは、あなたがあなたを愛すため、それだけのためにできた場所


  

  あなたの愛に踊るのは、もうこりごりと駆け出して、

  

  ふりむいてみればこんなにも、広いところで踊ってる  

 

      



   さようなら。

      あなたとの出会いが夢ならばよかったのに

                                     』






「 この一週間後に、彼女は姿を消してしまう。 ―― 恋人から捜索以来をうけた当時の捜査方針は、ドナの本命は、『手品師』の男のほうで、これは残された恋人宛の、別れの『手紙』だということになった。 恋人がいくら、ドナがそんな正体不明な男と駆け落ちするわけない、って警察に訴えても、真剣にはとりあってもらえなかった。 ―― たしか、サラのときもそうだったんじゃないかな。彼女の恋人はヤク中だってことで、その言葉はしっかりと受け止めなかったんだ。・・・ぼくは、警察官として、そこが残念でならないよ」


 ゆっくりと首をふりながらPC画面を眺めたジョニーは、少し間をおき、気をとりなおしたように指を元気に立てた。



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