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きりあげろ



    ゴオオオオオン  ゴオオオオオン 



 鳴り響いた鐘の音に腕時計をのぞく。

 

 ぷつりと音がして、落ち着いた女の声が上から降ってきた。



『 当中央劇場におこしくださってありがとうございます。水曜は八時までの開場となっております。最終公演も終了いたしました。劇場は、あと三十分で閉場となります。お土産売り場はあと十分で閉鎖いたします。またのおこしをお待ちしております 』



 廊下を移動する人々の足音がすぎていった。

 すると、慌てた足取りで「いかんいかん」と騒ぎながら人が入ってくる気配。


 思わず舌打ちしたい気分だった。


 年寄なのか長いじかんかけて用をたした相手は、立ち去る気配のあと戻り、ジャスティンのいる個室をノックした。


「あんた、もうすぐここは閉鎖されるよ。早くきりあげたほうがいい」

 年寄らしい助言。


 声音をつくって「わかった。ありがとさん」と答えると、いそげよと言いながら去っていった。



 これで、警備員はここを確実にチェックしにくるだろう。

 しかも、速やかに。


 

 トイレの外へ出て廊下の左右をみながら足音に聞き耳をたて奥へと移動。

 

 上をみあげ防犯カメラがどこにもないことを確認した。

 全体的に時代がかった建物だが、ここまで古典的な設備だとは思ってもみなかった。


 閉場はすべて警備員が歩き回って確認してゆくのだろう。



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