表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/236

光去る


「―― カンドーラは、たしかに本物の力を持つ輝く存在でした。 彼といっしょにいるわたくしはあふれる『光』にいつも守られ、あの《存在》の声も届かなくなり、ゴードンという名前も忘れられました。 それほどに彼の『光』はすばらしいのです。 でも、 ―― 彼自身には、その『力』を感じたり、《見えない存在》を感じることもできず、そんな彼が自分で感じ取ることができたのが、・・・お金の力でした・・・」


 うつむいたまま言葉がとぎれた。


「 会を大きくしはじめたとき、彼の周りの人間が、集まったみんなからお金をとっていたのです。それに気づいたわたくしは怒りました。彼の『力』は神様に愛された者しかもたないもので、それを分け与えるのにお金をとるのはおかしいといいました。ですが、彼らにしてみれば、分け与えるのにお金を取らない方がおかしいというのです」



「それは『取引』だよ」

 自分の声に力がはいらないのをウィルは感じる。



「そうです。わたくしは必死に説明しました。本物の『神様』はそんなことなど望んではいないし、そんなことをすれば『取引』をしたことになる、と。ですが、・・・彼らにはその意味がわからないようでした。『神様』だって立派な教会が欲しいだろうと言うのです。 集めたお金は団体の運営費にあてるのだと勝手に決めてしまい、あろうことかカンドーラもそれに賛成してしまったのです」




 マデリンきいてくれ、ぼくの『力』はみんなに与えるためにあるんだろう?

 それならこの団体をもっと大きくして、遠くからも来てもらえるように宣伝しなきゃ





「 ―― その瞬間、彼は前の『光』を失いました。 ―― そして今までカンドーラといっしょにいたわたくしを守っていてくれていた『光』も去り、忘れかけていたあの声がはっきりと耳に届きました」





            ゴードンにめぐみを

        




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ