チャンネル
すみません。まだ続くのです・・・
――― もしかして、あの魔女の占いにたよろうとか?
まあ、こんな状況じゃあ、頼りたいのはわからないでもないが、と少し同情もする。
今頃はマイクもあの女を紹介されているだろう。
だが種をあかされても彼は怒ることはないだろうし、ジャンを責めることもない。
マイクは温和な警察官として知られている。
―― たとえ、若いころ、捕まえた誘拐犯を半殺しにしたという噂があったとしても。
地下の駐車場に着き、乗り古された車の前で、この中でマイクは何度の『くぎり』をつけてきたのだろうとしばし考え、自分にはわからないという結果にうなずきながらドアをあけた。
警備会社の地下駐車場なので、鍵はそのままつけっぱなしだった。
運転席に移動してエンジンをたちあげる。ラジオをいれてみれば、外では入ったチャンネルが、ここではただの雑音だった。
つまみをまわし、チャンネルを適当に変える。
――― とにかく、ジェニファーを見つけるのが先だ
警備官たちがカメラの映像で彼女を追うのなら、自分たちは直に地下鉄のホームにゆくべきだと思った。
マイクは、まだ姿を現さない。まさか、警備官といっしょに彼女をさがすつもりじゃねえだろうな、といらつきながらラジオのつまみを勢いよくまわしたとき、いきなりニュースをよみあげる声が入る。
この建物内では、受信できるチャンネルがいくつか設定してあるようだ。人気の音楽チャンネル、ニュース、リクエスト番組、何種類かの宗教チャンネル、コメディ番組などとまわしてゆき、その一瞬の声がジャスティンを呼んだ。
た ッザ て! ッザッザザ
たす て!ッザ だれか! たすッザて!
ねえ! だれ ッザ!
いそいで音量をあげる。
ッザ ッザッザ ザザ ッザッ