第三話 双子
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家に帰ってきた私は直ぐに二人を二階のベッドに寝かせました。傷は治ったとはいえ、疲労は溜まっているでしょう。一日中森をさまよっていたようでしたし。
服も破れていた物から綺麗で清潔なものに変え、身体も魔法できれいにしました。
この魔法は生活魔法の一つであるクリーンです。文字通りきれいにする魔法です。これを使えばいつでも、どこでも身体をきれいに出来ますが、私はお風呂が好きなので外でしか使いませんね.....
家は二階建てで、一階はリビング、台所、トイレ、風呂、洗面所などがあり二階は部屋が三部屋あるだけの一人で住むには広いなくらいの家ですね。
一階に戻ってきてから、いつ二人が起きて来ても大丈夫なように料理をしながらこれからのことについて考えました。おそらくあの二人は身寄りがいないのでしょう。でなければあんな森にいるわけがありませんし、助けも求めません。ではなぜいないのかですが、これはあまり考えても仕方ありませんね。このままはい、さようならなんて事はさすがに出来ないので勿論面倒は見ます。
「丁度今、私は暇ですしね」
と言っている間に料理....おかゆが出来たので火を止めます。起きて来たらまずは自己紹介ですかね。お互い名前も知らないですし、それだとあの二人が不安がってしまうかもしれませんし。
「先に農場の方を見に行きますか。といっても大したものはありませんが」
この家の裏には私が前に作った農場があります。以前は野菜などを植えたりしてそれを食べていましたが、どう言う訳か生育スピードが異常で2日に一回には収穫ができてしまい、私のアイテムボックスの中にはまだ大量の野菜達が残っています。なのでもう野菜は育てていないのですが、なにか残っていましたかね。
そして農場に着くと案の定作物はありませんでしたが、一部分に同じ葉っぱが大量に生えていました。
「これは確か.... 霊草ですね。エリクサーの材料になるので育てていましたね。これ以外にとくに何もないので保護魔法だけかけて戻りましょうか」
そのまま私は農場に保護魔法をかけて家に戻りました。
家に戻ってからは特になにもすることがなく暇になってしまったので、薬品の調合や部屋の掃除をしたりとできる事をやり時間を潰しました。
気が付けばもう夜が明けてしまい朝になっていました。時間を忘れるのは悪い癖ですね。上の二人はまだ寝ているのでしょうか。
「一度様子を見に行きましょうか」
私は二階に上がり二人が寝ている部屋をノックをしてから入りました。部屋に入るとすでに二人は目が覚めていてベッドから起き上がり、部屋に入ってきた私を見ていました。
「目が覚めたんですね。どうですか?なにか調子が悪いところはありませんか?」
「は、はい、特にはないです.....あの、ここは?」
「ここは私の家ですよ、覚えていませんか?昨日森の中であなたが助けを求めて来たんですよ」
「じゃあ、やっぱりあれは夢じゃなかったんだ....その...助けてくれてありがとうございました....」
近くの椅子に座りながら私は二人に現状を伝えた所男の子が私にお礼を言ってきました。女の子の方は何も言わずただ私を見つめて来ました。
「いえいえ、さすがにあなたたちのような子どもを見捨てる事はできませんよ。私の名前はシェリアと言います。あなたたちの名前も教えてくれませんか?」
「俺の名前はレインと言います。そしてこっちが妹の.....」
「.....アリア.......です.....」
男の子の方をレインといい、女の子の方をアリアと言うそうです。歳もあまり変わらなそうですし双子でしょうか。レイン君は鳶色の髪に綺麗な緑目、翠眼でしょうか。アリアちゃんの方は薄めの金髪にレイン君と同じ綺麗な緑目をしています。
「レイン君にアリアちゃんですね。よろしくお願いしますね。二人ともお腹は空いていませんか?今下からおかゆを取ってきますね」
お互いに自己紹介をした後私は一階からおかゆを取ってもう一度部屋に戻り、二人にお粥とスプーンを渡しました。
「はいどうぞ、召し上がって下さい。まずは食べてからお話をしましょう」
私はそう言ったのですが二人はまだ手を動かしません。どうしたのでしょうか、お腹は空いていないんですかね。頭の中で疑問符を浮かべながら私は二人に聞きました。
「どうしたんですか?やっぱりお腹は空いていませんか?」
「い、いえ....いただきます!」
「.....いただきます」
どうやら大丈夫のようですね。一口目を食べてからは夢中でお粥を食べています。少し多めに渡したのですが、これならすぐに無くなりますね。それからすぐにお皿は空になってしまいました。
「ごちそうさまでした!美味しかったです!」
「....美味しかったです」
「うふふ、お粗末様でした。お皿片付けますね」
もらったお皿を片付け、私は改めて二人に向き合いました。
「さて、じゃあお話の続きをしましょうか。どうしてあの場所にいたんですか?」
「そ、それは....」
「話したくないなら構いませんよ。無理には聞きません」
「................」
「捨てられたんです」
「アリア?!」
「捨てられた?」
なんと話し出したのはアリアちゃんの方でした。今までずっとレイン君が話していたので、てっきり彼が話すのかと思っていました。
「助けてくれたから、こっちも話さないと。それにこの人には知ってもらいたい」
「アリア....そうだね、俺もそう思うよ。アリアが話す?」
「うん、私が話すよ」
それからアリアちゃんは今までの事を話してくれました。どうやら二人は村で生まれた頃から両親にあまり愛されておらずよく放置をされていたようです。近くに住んでいたお爺さんが二人の世話や言葉遣いも教えてくれたようですが、その人も亡くなってしまい、先日人売りに売られてしまったそうです。
そこからも大変で、街に移動していた馬車が魔物に襲われ、商人も護衛もやられてしまったそうです。その際に二人は馬車から抜け出し魔物に襲われる恐怖に怯えながら森の中をひたすら走り、ずっと森を彷徨い続けて心身共にボロボロになった時あの場所で私と出会ったようです。
「話してくれてありがとうございます。まだ幼いのに辛い経験をしたんですね」
アリアちゃんたちの話を聞いて色々と思うところがありますが、私は決めました。今の私にできることはこの子たちに愛情を与え育てる事、ならば自分たちを誇れるように立派に育てあげましょう。
「ですが、安心して下さい。好きなだけここにいていいですからね。今更あなたたちを見捨てることはしません」
「えっ...いいんですか?」
「ほんとうに?」
「ええ、嘘なんかつきません。これからよろしくお願いしますね。レイン、アリア」
私は笑ってそう言いました。
なりますよ私は、この子たちのお母さんに!!
読んでいただきありがとうございます!!
最後少しテンポが早くなってしまいました。
出来れば今日中にもう一話出したいのですが無理そうならまた明日投稿します!