第二話 戦闘・そして出会い
やっと書けました!気が付いたらブックマーク30件、評価3件、本当にありがとうございます!!
今私はオークと戦っている冒険者たちのところに向かっています。剣士の子が頑張ってオーク三体と戦ってくれていますが、正直いつやられてもおかしくはないので少し急いでいます。
「助けるのはいいですが、やはりあまり目立ちたくはないですね」
ふとそう思った私は走りながらアイテムボックスから真っ白のフード付きのローブを取り出しました。これは別にマジックアイテムでもなんでもなく、単に私が街で一目見て気に入って買っただけの普通のローブです。
これを着れば顔なんかはある程度は隠すことができるでしょう。
「武器は無難にロングソードでいいですか。一振りで首を切り落としましょう」
しばらく森を駆けていると複数人の声が聞こえて来ました。よかったまだ誰も死んではいないようですね。ひとまずその事に安堵します。
ほんとは転移魔法を使って来たかったのですが、転移魔法はその行き先のことを明確にに知っていなければならず、前の時代ならまだしも今の時代について私はほとんど知らないので転移魔法は使う事が出来ませんでした。
「クソッどうすればいいんだっ!!!このままじゃ.....!!」
「とりあえずライアはそのまま持ちこたえててッ!!!!私の魔力ももう残り少ないッ!!!」
「まじかよッッリーシャの魔法がなけりゃさすがにこれ以上持ちこたえるのは無理だっ.......セシリア!!ロンの回復はまだかっ!!!」
どうやらほんとにピンチのようですね。よし行きましょう。オークはとりあえずすぐに片付けます。
「すみません!!まだ終わりません!!傷が深くて回復しきれません!!」
「うぅっ....すまない俺があいつらの攻撃を食らったからっ....最悪俺のことはいいから逃げろッ!」
「そんなことできるかッ!!!」
「そうよ!!!そんなこと....ッッッライア!!右!!」
「ッッッッッ!!!」
ライアと呼ばれた剣士の子に向かってオークが右腕を振り上げています。そのまま腕を振り下ろせば間違いなく彼は死んでしまうでしょう。
「させませんよ」
ですが、そんなことはこの私が認めません。私は右手でしっかりと剣を持ち右足で踏み込みジャンプをしました。それと同時に右腕に魔力を集め剣自体にも魔力を纏わせます。そしてそのまま横に一閃、まずは腕を切り落とし、その勢いのまま、首も切ります。
魔力を剣に纏わせることで、切れ味をかなり上げる事ができ、オークぐらいなら簡単に切れます。その分魔力のコントロールは難しいので慣れないと出来ませんね。通常ならばここまで簡単に切ることは不可能でしょう。
首を切られたオークはそのまま後ろに倒れ動かなくなりました。まずは一。残りの二体は私から見て正面と左にいますね。いきなり仲間の一体が倒されたことで完全に動きが止まってます。
まぁそれは後ろの子たちも一緒ですが.....
「え....助かったのか.....?」
「オークを腕ごと.......一撃で....?」
さて、残りの二体も手早く片付けましょうか。早く盾役の子の治療もしたいですからね。見たところ傷はたしかに深そうですがまだまだ完全に回復できる範囲ですね。
私はまた、さっきと同じように脚に力を入れ一瞬でオークの目の前まで移動します。オークは驚いて私の攻撃を腕をクロスさせることで防御しようとしましたが、遅いです。それに私の剣の前ではそんなのは無駄です。
右にステップをしオークの側面を沿うように後ろに回りその流れで首を切ります。これでニ。残りの一体は私の攻撃を見て怖くなったのか後ろに下がり逃げようとしましたが、逃がしません。一瞬で移動し切り伏せます。
これで終わりましたね。さすがにオークに苦戦するようなことはありません。魔法を使えばもっと簡単に倒せたのかもしれませんが、まぁいいでしょう。あとは後ろの冒険者の子たちの対応ですね。
「大丈夫ですか、立てますか?」
出来るだけ警戒させないように、フードの中で笑みを浮かべながら剣士の青年ライアに声を掛けます。
呆然としていたライア君ですがすぐに顔を引き締め立ち上がり、私にお礼を言ってきます。
「.......あっすいません、大丈夫です。危ないところを助けていただきありがとうございます。」
「私からもお礼を、助かったわ」
そういってライア君に続いて魔法使いのリーシャさんも私にお礼を言ってくる。
「いえいえ、大丈夫なようならよかったです。あとは、あの子の治療ですね」
私は二人に返事を返しながら盾役のロン君のところへ行きます。隣にいるセシリアさんという子も私が来た時はこちらを見てロン君の腕を治療しながらお礼を言い、ロン君も同じように私にお礼を言ってきました。
「やっぱり私じゃ回復しきれない.....」
「大丈夫だ、今から街に戻ればまだ間に合うさ」
ロン君の腕を見てみると傷が深く、かろうじて腕が繋がっている感じでした。高位の回復師の魔法なら完全に治せそうですが、今のこの子では少々難しいですかね。
私はロン君のそばにしゃがみ回復魔法を使います。
「少し、失礼しますね」
「えっあの、なにを.....」
「エクストラハイヒール」
私がそう唱えるとロン君の腕が輝きだし、先程の酷い傷が嘘のようになくなり元の状態に戻りました。エクストラハイヒールは完全回復魔法で、死んでいなければどんな怪我も治せます。
治った腕を見たロン君とセシリアさんはとても驚いており、後から来た二人も同様に驚いていました。
「あの傷を一瞬で.....」
「まさか、完全回復魔法.......?」
「治しましたがどうですか?腕の調子は?」
「はい、大丈夫です...むしろ前より調子がいいかもしれないです」
さすがにエクストラハイヒールを使ったのでほんとに大丈夫そうですね。
では、目的も達成しましたし、これ以上はここにいる必要はないですね。近くに魔物の反応もないですしこれなら街までちゃんと帰れるでしょう。
「でしたらもう大丈夫ですね、周りには魔物もいないので真っ直ぐ街に行けると思いますよ」
そう言って四人から離れようとするとライア君が呼び止めて来ました。
「待ってください!ほんとうにありがとうございました!俺の名前はライアって言います。そして仲間のリーシャ、ロン、セシリアです。あなたの名前を教えてくれませんか?」
ライア君は自分や仲間の名前を告げた後私の名前を聞いて来ました。
う〜ん、名前なら別に大丈夫ですかね、今の時代に私のことを覚えてる人なんていないでしょうし。ならいいかと思い私はライア君に体を向け名前をいいました。
「私はシェリアと言います。それと、そこまでお礼を言わなくてもいいですよ。偶然居合わせただけですから。それではさようなら」
そして今度こそ四人から離れ、出来るだけ遠くに行くように森の中を走りました。
しばらくしてから走るのをやめ、今はまた森の中を歩いています。既に日は暮れていて辺りは薄暗くなっていました。
「あの時はフードを被っていましたが大丈夫でしたかね?まぁ顔を見られていたとしも今はまだ大丈夫でしょう。結構な時間も経ったのでこの辺で一度帰りますか」
ガサッ
「また人ですか、そこにいるんですか?出てきても大丈夫ですよ」
転移魔法で帰ろうとすると横の茂みから人の気配がしたので、またかと思い声をかけたのですが出てきた二人を見て私は少しばかり固まってしまいました。
「子ども.....?どうしてここに?それに身体がボロボロじゃないですか!」
そう、どう見ても子供の男の子が同じぐらいの女の子を背に乗せ出て来たからです。こんな時間の森に子供がいるのはありえないですし、それだけじゃなく服も所々が破けていて、切り傷も何箇所かありました。
私が固まっていると男の子の方が声を出しました。
「お願い.....します.....俺はいい...から.....妹を..たす...け」
そういって男の子は倒れてしまいました。
さっきまで固まっていた私ですが、すぐに身体を再起動させ、冷静になりながら男の子のそばに行きました。
「大丈夫、気を失っただけですね。妹さんの方も問題なし。何か事情がありそうですが、さすがに放っておけませんね。傷を治してから私の家へ連れて行きましょう」
それから二人の傷を回復魔法で治してから、私は転移魔法で移動しました。
これがあの二人と初めて出会った時の出来事です。
読んでいただきありがとうございます!!
やっと双子を出せましたが、冒険者の方を書きすぎて少し長くなってしまいました。
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