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第三十話 ランク上げ

評価とブックマーク本当にありがとうございます!

 王都を出てから転移魔法で森まで向かい、移動してからあたりを確認します。


「ワイバーンの目撃場所は森の奥でしたね、崖のところにでもいるのでしょうか?」


 しらみ潰しに探しても日が暮れてしまうため、こういう時に便利な魔法である探査魔法を使います。


「ん~、いましたが....かなり奥の方ですね、走りましょうか」


 魔力を足に込めて森の中を駆け抜け、しばらくしてからワイバーンの反応があったところまで着きあたりを見渡すと、崖の途中の穴のところに腕と翼が一緒になっている四足歩行の魔物、ワイバーンがそこにいました。


「ピシャオーンッ!!」


 そのワイバーンは私を目で捉えると勢いよく咆哮し、その咆哮によって近辺にいた別のワイバーンたちを呼び寄せ、全部で十体を越えるほどのワイバーンたちが来ました。

 全員が捕食者の眼で私を見ており、しばらくは見つめ合っているだけでしたが、二体のワイバーンが飛び上がり私に向かって突っ込んできました。


「急に来ますか....いつもでしたら躱してから反撃をしますが、今日は正面から受けて立ちます!」


 私は剣を取り出し、そのまま向かってくるワイバーンをその場で受け止めました。防御魔法と剣を使って完全に勢いを殺してから右手を二、三度振りワイバーンを斬り伏せました。


「ガフッ.....」「パシャァォ....」

  

「さぁ、これだけではないでしょう?全員この場で倒させていただきます!」


「ピシャァァァァァ!!!」


 一瞬で斬られ、絶命した仲間の姿を見て怒ったのか、目を先ほどよりも見開き瞳孔を細めて一気に襲い掛かってきました。

 ワイバーンは火を吐くなどのことは出来ないので、鉤爪や牙で攻撃をするために急スピードで接近してきます。およそ十体ほどのワイバーンが攻めてくるため素の状態では厳しいと判断し、全身に魔力を大量に流します。


 ブワッッッ!!


 すると、先ほどまでかなりのスピードで来ていたワイバーンがスローモーションで見えるようになり対処が容易になったため、そのまま右に左に腕を振り切り裂いていき、ほんの瞬き一瞬で全てのワイバーンを片付けました。


「ワイバーン程度ではこんなものですか、意外と呆気ないものですね。今からギルドに戻っても時間がまだまだありますから、他の依頼を紹介してもらいましょうか?」


 そんな事を考えながら倒したワイバーンをアイテム袋に入れ、転移魔法を使って冒険者ギルドに帰りました。




―――――――――――――――――――――――――――




 それほど時間もかからず冒険者ギルドに戻ってきた私は、すぐさま受付に向かいます。受付の場所にソフィさんの姿がなかったので、他の職員の方にソフィさんを呼んでもらうようお願いし、近くで待ちます。


 少しの間待っていると受付の奥からソフィさんがとても驚いたような顔で話してきました。


「シェ、シェリアさん?!こんな早くにどうしたんですか!何か問題でも?」


「いえ、そういう訳ではなく、すでに依頼を達成したので確認してもらいたいのと別の依頼を紹介して欲しいのです」


「も、もう終わった.....?え、でもまだ一時間と少ししか経ってませんけど.....?」


 私の発言にどこかぽけーっとした顔をしたソフィさんはありえないとでも言うように言葉を溢しました。嘘ではなく本当の事だと信じてもらわなければならないので、冒険者カードを渡して確認してもらいました。


「あ、ほんとだ、ワイバーンを十三体しっかりと倒してます。でも、一体どうやって....?」


「それはまぁ、秘密という事にさせてください。それよりももっと他に依頼はありませんか、どんな依頼でもすぐに達成してきます」


「ほ、他の依頼ですか....分かりました、少しお待ちください。今準備しますので」


 そう言ってソフィさんは近くに置いてあった依頼書を手に取ってペラペラとめくり、何枚か取り出してそれを私に渡してきました。


「でしたらこれらなんかどうでしょう?バジリスクにマンティコアにグリフォン、全部昔に依頼された魔物で危険度も高く、特にグリフォンなんかは見ることすら稀の魔物ですからこれらを全て討伐してきたらAランクにもなれるんじゃないでしょうか、あははは....」


 なにやらソフィさんの様子が少しおかしいですが気にせずその依頼書を読みます。


「なるほど、それぞれ希少な素材が欲しいという事なんですね、少し前のものですが達成金額も悪くないですし、いいですねこれにしましょう」


「え、あのシェリアさん?まさか、本当にこれ全部受けるんですか?」


「えぇ、もちろんです。全て今日中に片付けてきます、時間がもったいないのでもう行きますね。では、また後ほど」


「あ、ちょっとシェリアさん?!待ってくださ〜〜い!!」


 踵を返して、すぐさまギルドを出てまた王都を出ます。三体それぞれの生息地が違っていたため転移魔法を使い、順番にその場所に行きながら依頼を達成します。



―――――――――――――――――――――――――――



 まずはバジリスクのところへ向かいます。バジリスクは先程ワイバーンがいたところよりももっと深く、森というよりジャングルになっている場所にひっそりと存在していました。

 バジリスクは本来石化の魔眼を持っており相手と目を合わせて睨み付けただけで死をもたらす力を持っています。見た目は鶏のようですが羽は蝙蝠のようで尾は蛇になっています。

 

 依頼書にはバジリスクの眼球の納品と書かれているので目は傷付けずに討伐をします。石化の魔眼は女神である私には効きませんが、口から猛毒を放ってきたりと少々めんどくさいので、身体からカエルムを取り出し飛行魔法を使ってバジリスクの頭上へ行き、ついでとばかりに神気を纏わせて首を一刀両断しました。


 神気を纏わせた攻撃だったのでいとも簡単に首を斬る事ができ、首と一緒に死体を回収して次の目的地へと向かいました。




 次に向かった先はグリフォンのところで、山の奥に生息しているという事でそちらに向かい、探査魔法を使ってすぐに見つけました。


 グリフォンは前世でもよく聞いていたようにワシの上半身と翼、ライオンの下半身を持つ魔物で、とても威厳のある見た目をしています。

 こちらはバジリスクと違い私が近づいた事に気付き火を吐いて来ましたが、魔法でそれを防ぎ、逆にそれ以上の火魔法で丸焼きにしてあげようと思いましたが、依頼内容がグリフォンの毛皮の納品だったためすぐに考え直し、踵落としで空中から地上に落としてから私も地上に降りてグリフォンの心臓付近に目掛けて魔力を込めず正拳突きを放ちました。


 私の拳を食らったグリフォンはそのままぐったりとして動かなくなりました。無事グリフォンも討伐出来たのでアイテム袋に入れてから最後のマンティコアの場所に移動しました。




 最後にマンティコアがいた場所は砂漠に存在した遺跡のような場所の中で眠っているようでした。

 今までの魔物の中で一番気味の悪い見た目をしており、人のような顔にライオンの体、サソリの尾を持った魔物で、この姿だけで威圧されてしまいそうです。


 そんなマンティコアに、近付くと気配を隠していたのにも関わらず気付かれてしまい攻撃を受けてしまいました。

 壁際まで弾き飛ばされてしまいそのまま追撃をされそうになってしまいましたが、魔力を身体に流して瞬時に躱しカエルムを取り出してしばらくの間攻撃を受け流し、頃合いを見て後ろに下がってから居合斬りの構えを取り、光の速さでカエルムを横に一閃しました。


 無事三体の魔物を討伐し、依頼内容を達成出来たところで、王都の冒険者ギルドへと戻ります。全てが終わる頃にはすでに辺りは暗くなってしまいました。


 ギルドに戻って、ソフィさんに全ての依頼が終わったと報告すると彼女は持っていた書類を手から滑り落としてしばらく固まっていた後、勢いよく動いて奥まで消えていき、戻ってきたと思ったら私の手を強く引っ張ってギルドマスターの部屋まで連れていきました。




「それで、どうしてまたこの部屋に来ることになったのですか?」


「どうしてってお前.....こんなの呼ぶ以外に決まってるだろ....」


「そうですよシェリアさん....依頼を紹介したのは私ですがこれは余りにも....」


 ソフィさんはとても疲れたような顔で、アントンさんは右手の手のひらを顔に当てて下を向きながら呆れるような声で言ってきました。


「バジリスクにマンティコアにグリフォンだと?一人で倒しちまうのもそうだが、半日でそれを終わらせるなんてありえねぇよ...」


「そ、そうですかね....?案外出来てしまうものかもしれませんよ....?」


「はぁ、詳しくは聞かねぇと言いたいところだが、今回ばっかりはそうはいかないんだよなぁ。お前が何をしたのかしっかりと話してもらうからな。今日はもうこれ以上驚きたくないからいいけどよ」


「....分かりました、今日のことはしっかりと話させていただきます。明日でよろしいでしょうか?」


「あぁ、そうしてくれ、安心しろお前の冒険者ランクは文句なしにAまで上げてやるからよ.....」


「また明日、お待ちしています.....」


 二人の疲れた表情を見ながら私は部屋を出て、いろんな冒険者の方の視線を感じながら家に帰りました。








 

 

 


読んでいただきありがとうございます!


しばらくレインとアリアが出せないのでどうしようかなと思っています。

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