第二十四話 試験の出来
少し短いです。
いつもより早く歩きながら学園へと向かい校門の前へ着きましたが、まだ試験が終わっていないらしく、子どもたちの姿はありませんでした。
「よかった、まだ終わってなかったのですね。このままここで二人を待ちましょうか」
近くの壁の前に立ちながらしばらくの間待っていると、段々と学園の奥の方が騒がしくなっていき、レインやアリアと同じくらいの子どもたちが大勢出てきました。
そのまま一人で帰って行く子や私と同じで待っていた親と帰って行く子、それ以外だと馬車で帰って行く子もいました。
「レインとアリアはどこですかね、まだ出てきませんか。もしかして試験の出来が良くなかったのでしょうか....」
「母さん、こっちだよ」
ある程度待っても姿が見ないため少し心配になってしまいましたが、すぐ後ろからレインの声が聞こえ、振り返るとレインとアリアの二人が笑いながらそこにいました。
「お母さん大丈夫?なんかおろおろしてて面白かったよ」
「お、おろおろ.......はい、私は大丈夫ですよ。それより、お疲れ様ですレイン、アリア。二人はどうでしたか?試験の出来は大丈夫ですか?」
アリアに言われたことを少し恥ずかしく思いながら、二人に今日の試験の手応えを聞きます。聞かれた二人は、一度お互い目を合わせてから私の方を見て、手でVサインをしながら満面の笑みを向けてきました。
「全然問題なし!実技も筆記も全部出来た!」
「私もバッチリ!特にひっかかるところも無かったよ!」
「まぁ!それは凄いですね、二人とも。そこまで自信があるなら結果が届くのがとても楽しみです」
「楽しみにしててよ!首席もとれちゃうかも」
「それは分かんないけど、自信はある」
「それだったら本当に素晴らしいですね。さぁ、二人とも一日試験で疲れているでしょう?晩ご飯の準備をしますからすぐに帰りましょう」
手を繋いで王都の中を歩き、しばらく歩いたところで転移魔法を使い家に帰ります。
家に着いた後は、二人にリビングでゆっくりしてもらい私は料理を作ります。今作っているのは二人の好物であるオムライスとハンバーグです。材料はあらかじめ買っておいたためすぐに作る事ができました。
「さ、出来ましたよ、二人とも。あったかいうちに食べてください」
「うわぁ!今日はオムライスだ!」
「あ、ハンバーグもある。やった!」
レインとアリアはテーブルにある料理を見て目を輝かせ始め、一瞬で席について食べる準備をします。あまりの反応に少し苦笑いしながら私も席につき挨拶をしてご飯を食べ始めます。
「「「いただきます!」」」
「うんっやっぱりお母さんのオムライスおいしい〜」
「ハンバーグも美味しい、毎日食べられる」
「そう言われると作った甲斐がありました。ところで、試験とはどのようなことをしたのですか?」
試験に実技と筆記があることは知っていましたが、その詳しい内容については知らなかったため二人に聞きます。
「筆記は魔法をどのようにしたら使うのか、とか計算問題もあって地理なんかもあったけど、全部母さんに教えてもらったから難しくはなかったよ」
「実技はね、自分が使える魔法を使って的を壊したり、魔力を測ったりしただけだから、いつも通り魔法を使ったりして他は特に何もなかったよ」
「なるほど、そのような内容ならレインとアリアがつまづくことはあり得ませんね」
「あ、でもね実技をやっている時、すっごく綺麗な子が近くで一緒に受けてて魔法も上手だった」
「たしかにそんな子いたね、周りに人が多かったから俺は遠目でしか見れなかったけど...」
試験よ話を聞いても二人なら出来て当然だろうと思っているだけでしたが、アリアが話したその子について考え、心当たりがあったのでそのことを言いました。
「それはもしかしたら、この国の第三王女様かもしれませんね。たしかあなたたちと同じ年代の子だったと思います」
「王女様、言われてみればそんな感じがしたかも」
「王女様もあの学園を受けるんだね、なんか意外」
「今はほとんどの人が魔法を使えますから、王族がしっかりと扱いが出来ないと示しがつかないのでしょう。二人が無事合格したらその王女様と同じ学校になるんですよ」
魔法を使えない人がほとんどいない世界で魔法が使えない王族というのはあまりよろしくならないのでしょう。特に王族は昔の偉人の血が流れている優秀な家系ですので、それもあるのでしょうね。
私が王女様のことについて話すと、レインはいつも通りですが、アリアが期待に満ちた目で私を見てきました。
「王女様と同じ学園.....それってすごくない?!仲良くなれるかな〜」
「同じクラスになれるか分からないし、俺たちが話してもいいのか?そもそもまだ合格した訳じゃないし.....」
「仲良くなるのはいい事ですが、あまり失礼なことをしないでくださいね。親しき中にも礼儀ありです」
その後も試験の話から、私が今日受けた依頼の内容など、さまざまなことを話したりしているとご飯の時間が終わっていきました。
「私も将来冒険者になろうかな〜自由だし」
「それもいいね、ならなくても登録はしておきたいね。母さんはもっとランクを上げたりしないの?」
「二人が学園に行くようになったらしっかりと冒険者をやろうとは思っていますよ。他にすることもないですしね」
私は二人が学園に通うようになったら今までてきとうにやってた冒険者を本格的にやろうと思っています。レインとアリアは寮に行くことになると思うので、とても寂しいです。
食器を片付けて、魔法で洗ってからアイテムボックスにしまい、お風呂にも入った後、やはり二人とも疲れが溜まっていたようで、すぐに部屋に戻り深く眠り始めました。
眠っている二人を見てて思わず笑みを浮かべながら部屋を出て、私も眠りにつきます。
二人の合格を祈りながら




