閑話 お風呂
続きが書き終わらないので前から書いてたものを出します。
これはある女神の家の生活の一ページの話である。
「お母さん!今日は一緒にお風呂入りたい!」
そう言うのは娘のアリアである。アリアはだいたい一人でいつもお風呂に入っていたが、今日は母親と入りたいため夕食後にお願いをしに行った。
「お風呂ですか?いいですよ、入りましょう。先に脱衣所に行っていて下さい」
母親であるシェリアも娘から一緒にお風呂に入りたいと言われ、嬉しくなり少し高くなった声で返事した。
了承の返事を聞いたアリアは笑顔で『は〜い』と言いながら脱衣所へ向かった。
「そうです、せっかくですからレインも一緒にどうですか?」
「え?!俺?俺はいいよ、二人で入ってきてよ。上がったら教えて」
二人だけではどうかと思いシェリアが息子のレインにも一緒に入ろうと声をかけたが、レインは驚いた顔をした後断りの返事をしそそくさと二階に行ってしまった。
「そんな逃げるように断らなくても.....しょうがないですね、アリアが待っていますから脱衣所に行きますか」
そのままシェリアは着替えを持って脱衣所へ行った。中に入るとすでにアリアは服を脱ぎ始めており既に下着姿であった。その横でシェリアも同じように服を脱ぎ始めるとアリアから視線を感じた。
「.........」ジーッ
「あの、アリア?そんなに見られると脱ぎにくいのですが......」
「あ、ごめんなさい。お母さんってやっぱり綺麗だなぁって」
「え?ふふっありがとうございます。アリアも大きくなったら綺麗になりますよ」
どうやらアリアはシェリアの姿に見惚れていたようだ。たしかに女神だけあって肌は綺麗でシミひとつなく、スベスベしおり、とても魅力的な身体をしている。見惚れるのも無理はないだろう。
「え!本当に?!お母さんみたいになれる?」
「えぇ、ちゃんとご飯を食べて動いてよく寝るときっと綺麗になりますよ」
シェリアはしゃがみ込んでアリアの頭を撫でながらそう言った。その後は二人とも下着を脱ぎ一糸纏わぬ姿になった後浴場へと入った。下着を脱ぐ際アリアはシェリアの胸をずっと見ていたが。
「さて、まずは身体をキレイにしますよ。洗ってあげますからここに座って下さい」
「は〜い」
アリアを風呂椅子に座らせ、ジャンプーを手に付けてシェリアは髪を洗い始めた。シャカシャカと音を立てて髪を洗い、洗われているアリアは気持ち良さそうに目を細めている。
「アリアの髪はサラサラで綺麗ですね」
「そう?お母さんの髪もすっごく綺麗だよ、なんかキラキラしてるもん」
「ふふっありがとうございます。レインもアリアも将来が楽しみですね」
「え?どうして?」
「それは、二人ともかっこよくて綺麗になると思っているからですよ。アリアはきっと美少女になりますよ」
「ほんとに!お母さんみたいになれる?」
「えぇ、私なんかよりも綺麗になれますよ」
「お母さんより綺麗は無理だよ〜、今まで見てきた中でお母さんより綺麗な人なんていなかったもん」
そんな会話を続けながらアリアとシェリアは髪や身体を洗い終わり、二人揃って湯船に浸った。二人とも髪が長いためしっかりと髪を結ってから入り、身体を温めた。
「ん〜!やはりお風呂は気持ちいいですね、アリアはどうですか?」
シェリアがお風呂を満喫し、アリアにもその感想を聞くと、アリアはとても真剣な顔である一点を見つめていた。それは....
「え〜と、アリア?なんでそんな私の胸を見ているんですか?」
「改めて見るとすごく大きいなって、それになんか浮いてるし」
アリアはシェリアの胸を凝視して、目を細めて少し不機嫌そうに言った。シェリアの胸は某女神と同じくとても大きい、異性同性関係なく見てしまうほど。それが湯船に浸かる事でプカプカと浮いている。
「あはは、そんなこと......ないですよ?」
「嘘っ!街でもお母さんぐらいの人なんてほとんどいなかったもん!」
「それはそうかもしれませんが、アリアもこれから大きくなりますから」
「ほんとかなぁ、想像できないよ...」
「それに、大きいければいいというものでもありません。何事も限度があります。」
シェリアはそれから胸が大きいとどんな問題があるのか一からアリアに説明した。説明を聞いていくにつれてアリアは段々とうんざりした様な表情になっていった。
「____ということになります。少しは分かりましたか?」
「うん、周りにジロジロ見られるのは嫌だなぁ。でも全く無いのもやだ!」
「ですから大きすぎない程度がいいんです。アリアはそれを目指して下さい」
「うん!そうするよ!」
訳の分からない事を話しながら二人はその後も話しながらお風呂を楽しんだ。気付けばすでにお風呂に入ってから一時間経っており、これ以上はのぼせてしまうため風呂から上がった。
「アリア、着替えたら髪を乾かしてあげますからね」
「分かった!お母さんに乾かしてもらうの好き!」
「そうですか、それは嬉しいですね。レインにも言っとかないとですね」
「レインもお母さんにやってもらうの絶対好きだと思うよ!」
「そうなんですかね、あまりそう言った感じはしないのですが....」
「恥ずかしがってるんだよ、レインは」
それから着替えて脱衣所からも出て、シェリアはまず二階にいるレインにお風呂から上がった事を伝え、言った通りにアリアの髪を乾かし始めた。乾かし方は勿論魔法である。
「アリアもその内一人で乾かせられるようになるんですかね」
「もう少しコントロールが上手くいけばできそうかな、でもずっとお母さんにやってもらいたい!」
「あらあら、アリアは随分と甘えん坊さんですね。レインもこれくらい甘えてくれたらいいのですが」
「レインは無理だよ、そういう感じじゃないし」
「たしかに、それもそうですね。甘えてきた時にとことん甘やかすとしましょうか」
髪も乾かし終わり、二人がリビングでしばらくゆっくりしているとレインがお風呂から上がって戻ってきた。
「あら、もう上がったのですか?早いですねレイン」
「あれは母さんたちが長いだけだよ、多分」
「そうですかね?まぁいいです、レイン髪を乾かして上げますからここに座って下さい」
そう言ってシェリアが指示した先はシェリアの膝の上であった。
「え、いや俺は........ううん、お願いするよ母さん」
レインは一度シェリアの提案を断ろうとしたが、やっぱりシェリアに髪を乾かしてもらうのは嫌ではないらしく素直にお願いした。それからシェリアはレインの髪も魔法を使って乾かし始めた。
「レインの髪は少し固いですが触り心地はいいですね」
「何言ってるの母さん、変だよ?」
「レインもいつか全部自分で出来る様になるのでしょうね。なんだか寂しく感じちゃいますね」
「母さんがやらなくても大丈夫なようになったら今度は俺が母さんの髪を乾かしたりするよ」
「まぁ、それは素晴らしいですね。楽しみにしてますよ」
「なら、その時は私がレインの髪を乾かす!」
「いいですね、それ。そのうち皆んなでそれぞれ違う人の髪を乾かしましょう!」
「えぇ?!それってもしかしてずっとやるつもりなの?!」
こうして、三人で騒がしくも楽しく話しながら、女神たちの一日が終わる。
読んでいただきありがとうございます。




