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これは本当にあったお話です[0:3]

作者: kotatu821

0:アカネ/♂大学生。ホラー大好き!

0:ハルヒ/♂大学生。遊ぶの大好き!

0:キキョウ/♂螟ァ蟄ヲ逕。縺翫≧縺。螟ァ螂ス縺


0:____________________


0:<<夏の夜、ハルヒの家>>


ハルヒ:いえーい!いちぬけー!!うははははー!


アカネ:うぐわー!まけた!!ねえちょっと卑怯だよハルヒ!!


キキョウ:まだまだ勝負は終わってないよアカネ!ゆけぃ赤甲羅ぁ!


アカネ:キキョウぅー!!私たちの友情はどこに……ぎゃああー!!


キキョウ:友情って……儚いんだね……。


ハルヒ:うははー!一位は私、二位はキキョウ、最下位はザコ!


アカネ:ザコ!?!?私にはアカネっていう売れっ子シンガーソングライターみたいな名前があるんだぞこのやろ!!


キキョウ:秒針を噛めないから雑魚だね。

キキョウ:(アカシの場合:キーブレード出せないから雑魚だね。)


ハルヒ:虎の威を借る雑魚。


アカネ:言葉を選べよテメェら!そろそろ泣いちゃうぞ!!ていうかキキョウちゃんん!?今日辛辣じゃない!?


ハルヒ:お黙り!キキョウちゃんの成長に文句言うなんてママが許しませんよ!!


キキョウ:誰がママやねーん!……一回つっこんでみたかった。


アカネ:私雑魚って呼ばれた上に怒られてんのかわいそすぎない?


キキョウ:おーよしよしかわいそうにねぇ。


アカネ:キキョウまま……。


ハルヒ:(声を野太くして)お前は甘やかしすぎだぞ母さん!


アカネ:ハルヒぱぱ……!?


キキョウ:それもそうね生贄にしましょ。


アカネ:キキョウママぁ!?


ハルヒ:こらこら。そんなことしちゃだめだ。


アカネ:ハルヒパパ!


ハルヒ:アカネは食用だ。


キキョウ:カルパッチョがいいかしら。


アカネ:イカれた家族だね!?


ハルヒ:いつ止めてくれるかわかんなくてヒヤヒヤしたよ。


キキョウ:カルパッチョって生食だけどアカネ病気持ってないよね?


アカネ:この子まだ食べようとしてない?


ハルヒ:いつから大食いキャラになったのキキョウ!あ、カルパッチョにチーズ乗せてね。


キキョウ:いっけね、買い忘れてた。


アカネ:この流れ終わろ!?さっきのマリカ命賭けてたの!?


キキョウ:ゲームも飽きたしそろそろ別のことしない〜?


ハルヒ:それもありだね!なにするなにする?


アカネ:お!それなら怪談でしょ〜!夏だしね!


ハルヒ:アカネあんた集まる度言ってない?


アカネ:みんなもすきでしょ〜!毎回なんか話もってきてるの知ってるんだよ!


キキョウ:あ、じゃあ百物語みたいな形式にしようよ、ロウソク探してくるね。


アカネ:おー!いつになく乗り気だねキキョウ〜!


ハルヒ:げ、キキョウがノったら止める奴がいない。


アカネ:またまたぁ、お好きなんでしょ〜?


ハルヒ:へへ、お代官さまほどじゃないですよ。


キキョウ:持ってきたよ〜、ロウソクちょっとしかなかったけど。


ハルヒ:ほんとに100個話すわけじゃないしいーでしょ。


アカネ:知ってる?100本目のロウソク消したら本物の妖怪が出るんだよ。


キキョウ:はい電気消すよ〜ロウソクつけて〜。


0:<<消灯、少し間を空けてロウソクに火がつく>>


ハルヒ:おお〜……なんか雰囲気出るぅ。


アカネ:それっぽくなってきたねぇ……!


ハルヒ:たしかあれだよね、一つ話終わるごとにロウソク吹き消すんだよね。


アカネ:そうそう。ロウソクが7本あるから二周ってところかな?


キキョウ:さぁて、ハルヒ宅百物語、第一回目の開催です……。


ハルヒ:あれ、二回目じゃない?随分前にやったでしょ?


キキョウ:あ、そうだったの?


アカネ:ふふ!楽しくなってきたなー!誰からやる?


ハルヒ:じゃあ私から。


キキョウ:いいねえ。


アカネ:待ってました!


ハルヒ:ごほん。……これは本当にあったお話です……。


アカネ:それっぽくなってきたぞ……!


ハルヒ:ある日私はサークルの飲み会という名目の合コンに参加していたんだがね?


キキョウ:一気に俗っぽくなったね。


ハルヒ:そこで気になった可愛い子が緊張してたから気の利いた言葉でも、と思ったわけですよ。


キキョウ:なんて言ったの?


ハルヒ:おっぱい大きいですね。


アカネ:こいつ第一声からセクハラを……!?


キキョウ:もう助からないよこいつは。殺そう。


ハルヒ:そしたらその子、めちゃくちゃ笑ってくれてねぇ。良い雰囲気でその合コンは終盤に行き、そこでトイレでも〜と思ったところで!


アカネ:お、とうとう怖いことが……!?


ハルヒ:「ハルヒってやつ、マジありえねーんだけど。セクハラされたし訴えようかな」って聞こえてきたから走って逃げてきたんだよ!!怖いよねぇ!?


アカネ:慰謝料を今から払ってこい。


キキョウ:刑務所でも幸せでね。


ハルヒ:なんでよ!怖い話でしょ!


アカネ:ハルヒとの付き合いを考えなきゃいけない話だったよ。


キキョウ:友達が犯罪者だったという意味では怖かったかな。


ハルヒ:けっ!納得いかねーぜ!


アカネ:今の一つとしてカウントしたくないね。


キキョウ:我慢して。(火を吹き消す)


ハルヒ:次は誰が話す?


キキョウ:右回りだからアカネでしょ。


アカネ:おお!私か。ふふふ、テメェらを震え上がらせて最終的に奴隷にしてやるぜ。


ハルヒ:怪談話の最中に何が起こったの。


キキョウ:弱い犬だからよく吠えるのかな?


アカネ:静粛に!!話すよ!


ハルヒ:毎回結構ちゃんとしてるからちょっと楽しみなのが腹立つ。


アカネ:(激しい咳払い)……昔々、飢饉に陥った村がありました。それも数年作物が取れない。飢え死にする者が後を絶たなかったそうです。


ハルヒ:ふむ……。


アカネ:このままでは村の存亡の危機。そんなおり、村の長老はこう言いました「神さまに生贄を捧げよう」


ハルヒ:今じゃ考えられないな。


キキョウ:おや、これは……。


アカネ:普段なら誰も聞く耳を持たない言葉。けれどその時は決して普段などではなかったのです。それ故に言葉通り生贄は捧げられました。村の子供、幾人とは知れないが。

アカネ:そしたら飢饉がピタリと止んだ!村人たちは大喜びしたそうです。そのうえ豊作になったとくれば、生贄に捧げられた子を嘆く者もいない。


キキョウ:……。


アカネ:そうして皆のお腹が膨れても、正気になるものはいませんでした。名も知れぬ神に数年おきに子供を捧げた。上等な着物を着せて、大量の供物とともに山へと捧げられました。


ハルヒ:(生唾を飲む)


アカネ:そうやって信仰が生まれました。お山の上にお社を建て、忘れ去られるまで信仰されていたんだそうです。

アカネ:知ってる?それが裏山の苔むした鳥居なんだって。


キキョウ:(小さく微笑む)


アカネ:今でもその鳥居の内側には生贄に捧げられた子供たちが成仏できずに彷徨っているそうです。親からもらえなかった愛情や友情を求め、お山の上から私たちを見ている……


キキョウ:(ロウソクを吹き消す)


アカネ:へへへ!この地域の伝承でした!


ハルヒ:思ったよりガチのやつじゃん!


キキョウ:さすがだね。


ハルヒ:ていうか裏山のお社って昨日の夜肝試しで行ったとこだよねぇ!?


アカネ:ははは!そのとおり!


キキョウ:勇気あるよねぇ。


アカネ:私も教授から聞いて死ぬほど怖かったからみんなにも共有しようと思ってね!


ハルヒ:このやろ!普通に怖い!


アカネ:うはは!私も!!


キキョウ:う〜ん次私か。言おうとしたやつ言われたからな〜。


アカネ:え?うそ、最近出てきた新説のはず──


ハルヒ:どうすんの取り憑かれてたら!私作り話はいいんだけどマジの話は無理なの!マジで無理!


キキョウ:関連したお話にしよっと。


ハルヒ:ちょちょちょちょっとキキョウ!?裏切るつもり!?


キキョウ:友情は儚いんだよハルヒ!


アカネ:へへへ!今度はハルヒが雑魚になる番だねぇ!


ハルヒ:いやだー!!


キキョウ:こほん……これは本当にあったお話です……。


アカネ:ハルヒのせいでこの入り方に怖さ感じなくなっちゃったね?


ハルヒ:よくやった私!怖さなくなれ〜!


キキョウ:(たお)村で生贄に捧げられた子らはね、死んでなんかいないよ。あのお山の神様の内儀になったんだ。


アカネ:……ん?


ハルヒ:たお?


キキョウ:私らは望む望まないに関わらずそうなった。名も姿もない神の眷属に成るために捧げられたんだ。ここが最低なところでね、名も姿も信仰すらあやふやな神様は私らを作り損ねたんだよ。私ら捧げられた(たお)の子らは、神にも成れず、人にも戻れず、極楽にも地獄にも招かれないままだ。


アカネ:私ら……?キキョウ、何いって……。


ハルヒ:難しくなってきた、な?


キキョウ:アカネの意見は全くの的外れと言うわけでもないんだ。私らはね、ずっと見ているんだ。愛情も友情も、欲しいと願う前にお山にいたから。


アカネ:キキョウ……?


キキョウ:そう、最後にこの話をしておかなければ。


ハルヒ:ねえ、キキョウってさ、こういう時いつも怯えながら話してなかったっけ……?


キキョウ:(たお)の人々はね、私らに捧げる供物として、あそびを捧げるんだよ。


アカネ:キキョウ、ちょっと、今日ちょっと変だよ、ねえ。


キキョウ:その中でも私らのお気に入りはね、百物語だったんだ。みぃんな、途中で我慢できなくなるけど……私は三つ目だったね。


0:<<三つ目のロウソクが消える>>


ハルヒ:えっ!え、え?タイミングバッチリ過ぎ、ロウソク消えた……。


キキョウ:ふふ、ふふふ。おどかすの好きなんだよ。ああそうだ、私らね、現代の食べ物が気になってるんだ。


0:<<四つ目のロウソクが消える>>


アカネ:ねえねえねえまた消えた!ちょっと偶然じゃなくないですか!


ハルヒ:ねえキキョウ!やめよう!やばい気がする!


キキョウ:だめだよ、ふふふ、友情は儚いんだ。


0:<<五つ目のロウソクが消える>>


ハルヒ:なんなのもう!マジで怖いって!電気つけて怖い!


キキョウ:あは、あはは。こういうのはさ、最後のロウソクが消えると本物が出るんだったっけ。言ったでしょう、本当にあったお話だと。


0:<<六つ目のロウソクが消える>>


アカネ:なんで電気つかないの!キキョウ!あんた何者なの!


キキョウ:さあ、さあ、さあ!さあ来るぞ!本物だ!最後の一本が消え去るぞ!


0:<<七つ目のロウソクが消える>>


ハルヒ:うわあああ!


0:<<暗闇、インターホンが鳴る>>


アカネ:(荒い呼吸)……インター、ホン?


キキョウ:(ドアに向かって)入っていいよ。


ハルヒ:(怯えている)


アカネ:ハルヒ、まずい、これはやばい!早く逃げ──


0:<<ドアが勢いよく開く>>


キキョウ(?):逃すかぁ!!おいおまえら!肝試しで先に帰るのは流石に酷すぎだよ!!迷って気づいたらお社の中だし!死ぬほど怖かった!!!


アカネ:……………キキョウ………?


ハルヒ:もうわけわかんない……!


アカネ:え、え?


ハルヒ:さっきのやついなくなってるぅ……!


キキョウ(?):何わけわかんないこと言ってんの暗い部屋で!電気くらい付けな!(電気を付ける)……なに?ロウソクに、紙?「タピオカ飲んでみたい」?ふざけてんの?


アカネ:……………………。


ハルヒ:……………………。


キキョウ(?):え、なに?みんなどうした?顔真っ青だよ?


アカネ:ついてきてバカ!


キキョウ(?):え、え?なに、なになに!


ハルヒ:こういうときどうすればいいの!ねえ!塩!?塩かな!?


キキョウ(?):なんなのちょっとマジで!説明してよ!引っ張るな!ちょっと!?待ってぇぇぇ……






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