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そして契約は進む

二話目出来ました〜

また楽しんでいただけたら幸いです!


ー翌朝ー


まあ案の定寝れるわけもなく、気づいたら朝になっていた。眠い。暑い。そして二人分の胸で苦しい。


「ん...おはようございます」


「んぅ...あ、おはよう」


ハナとホムラは顔色一つ変えずそう言ってきた。二人とも女の子として大丈夫なんだろうか?もっと気をつけるべきことがあると思うんだが...


「...おはよう。起きてすぐで悪いんだけど、もう出発しようかと思う。朝ご飯を食べて、テントとか荷物を片付けたら出発しようか」


指摘はしなかった。だって指摘したらニヤァってして「レンくんのエッチ〜」とかって言われそうだし。

朝は各自買っていた食材で作ることになった。

最初はそれぞれ別々で旅立とうとしていたのだ。材料は十分。3人分の昼食が作れるくらいには余るだろう。

サンドイッチが出来た。

中身はチーズやハムやレタスなどの簡単なものだが。

3人で集まってそれを頬張っていると

ホムラが何かを思い出したようで、

「あ、そうだ!」と言って切り出してきた。


「今日はキューラルまで行くんだよね?」


「そうだけど?」


キューラル。規模としては大きくはないが小さいわけでもない都市だ。

しかしその内状はとても優しい人たちが多く、宿などの価格が手頃なため、冒険の初心者にこのルートがお勧めされている理由の一つだ。


「昨日冒険者向けの掲示板を見てたんだけどね、ちょうどキューラルの人達からの依頼があったよ〜!」


「そっか...ありがとう。その話は向こうに着いてからまたしようか」


しかし、やはり育ちがいいからだろうか...二人は食べ方が綺麗だ。

いやね?俺は特別汚い食べ方をしているわけではないけどこの二人の食べ方が綺麗すぎる。

こんな子達と一緒にいられるだけで幸せだと思った。...衝撃の瞬間はその時訪れた。


「レンくんって...ヘンタイなんですか?」


「いやヘンタイじゃないぞ⁉︎」


女の子の声だった。しかし二人は驚いた顔をしている。

俺のことをヘンタイと言ったのはこの二人ではないらしい。


「ずっと女の子の胸とか口元見てるじゃないですか」


「だから見てないって!」


「...そうだったの?」


よりにもよって今のは聞こえたらしい。

ハナの顔がみるみる青ざめていく。そういえばハナは幽霊とか苦手だったな...俺達以外ここにいないのに声が聞こえるという状況が怖いのだろう。


「今何か聞こえましたよね⁉︎聞こえましたって‼︎ちょっ!やめてくださいそういういたずら!」


俺たちが首と手を横に振って俺たちがやっているわけではないことを示すと、さらに顔が青ざめていき...そのままその場にへたり込んでしまった。


幽体系のモンスターかもしれない。この昼間に出現するのはかなり稀だが、辺りを警戒しようとフェアトラークを呼び出すと、


「プハァッ!やっと出してくれましたね!」


って聞こえてきた。...犯人はこいつらしい。


「喋る...魔剣...?」


ホムラとハナは二人揃って不思議そうな顔をしている。それはそうだ。親が騎士の俺だって聞いたことがない。


「えっと...もうご主人様とは会話したことあるんですけど...」


俺をご主人様って呼ぶのか...


「契約したときのあの声かな?」


「そうですそうです!」


「...喋れたの?」


「昨日敵を何体か倒していたところで、力が戻ってきて喋れるようになったんです!」


エッヘンとかジャーンみたいな擬音が似合いそうな喋り方だった。


「どういうことだよ...」


「この剣は女の子が入ってる魔剣ってことですよ!」


「女の子...ですか?」


「はい!私、結構スタイルいいんですよ?」


...俺はこれまでナイスバディな女の子(自称)のことをブンブン振り回していたらしい。


「端的に言います。私を助けてください。」


急に真面目な声音になった。冗談の混じっていない本気のお願い。でもいきなりだから困る。


「どうしたら助けられる?やっぱり儀式みたいなのが必要?」


「まずはたくさん敵を倒してください。

その魂と魔力が私に送られてきます。それで力が十分になったら私が知らせるので、とある場所に向かってください。」


つまるところ...私、この剣に閉じ込められちゃったから、敵をたくさん倒して力を溜めてからとある場所に向かって私を解放して。ということらしい。


「ちょっと待て!まだ聞きたいことが...」


「これ以上知ったら...死んじゃいますよ?」


...冗談も何も混じっていない純粋な殺意。

相手が魔剣というだけあって凄まじい恐怖だ。


「...分かった。詳しくは聞かないよ。」


もう全員食べ終わったようだ。片付けも終わったようだし、出発しよう...とした時にハナが服の袖を引っ張ってきた。


「どうかした?」


振り返ると、ハナが悲しそうな、そして心配そうな顔で見上げてくる。


「また、素性の知れない誰かを助けようとするんですか?...私は!あなたがそうやって沢山の人に裏切られていくのを見てきました!どうしてまたそうやって誰かを助けようとできるんですか⁉︎また裏切られるかもしれないんですよ⁉︎」


「ちょっと落ち着いて」


「できません!」


こうなるとハナは人の話を聞かなくなる。

ラチがあかなそうなので強引に話を進める。


「仮にだ。それが本当だったらどう?そうすれば俺は困った人を見捨てたことになる。言っておくけど、俺は裏切られた回数より助けたことの方が多いよ。」


「でも、相手は魔剣なんですよ⁉︎死んじゃうかも...しれないんですよ?」


「...心配してくれるのは嬉しいよ。たしかに死ぬかもしれない。...でも、見捨てて後悔するより信じて後悔したい。その剣や人が本当に困っているなら助けるべきだし、何よりね?何より最初っから裏切られることを考える馬鹿がいる?」


ハナは「それはそうですけど...」

と言ってため息をついた後に、呆れたような顔をして向き直ってくる。


「わかりました。...しょうがないです。どこに向かうんですか?」


やっとフェアトラークが喋った。


「この先にグライフ公国という国があることは知っていますね?

その領土に魂の塔っていう高い高い塔があるので、その頂上まで向かって欲しいんです」



グライフ公国か...父さんが行ったことがあるって言ってたな...まずはそこまでたどり着かなければ。しかし、高い塔とはどこのところだかわからない。


「私、お婆ちゃんから聞いたことあるよー!死んだ人たちの魂が集まってくる塔があるっていう伝説!レーヴェ遺跡のあたりにあるんだったかな?」


そう言ってホムラが指差した地点は...ここから150kmほど離れた遺跡の真ん中だった。


「レーヴェ遺跡か...分かった。出発しようか」


遺跡系のエリアは比較的脅威度の高いアンデッドが出現する傾向がある。そこまでに何とか俺たちも強くならなければ。

色々あったが野営地は出発できた。

...しかし広い。彼方には目指している都市

「キューラル」が微かに見えるがまだ遠い。

それプラスで疲労感を増大させる要因がもう一個ある。


「ねえねえ、レンくんはどんな女の子が好みなんですか?やっぱり優しい子とか胸が大きかったりする方がいいんですかね?あれ、聞いてます?」


「後ろに女の子がいるんだからそういうこと平然と言うなよ...」


そうだよ!このうるさく喋る魔剣!

しかし...中身が恐らく女の子ということで怒るに怒れない。

実質この場の男女比は3:1ということになる。

だから非常に気まずい。

昼には木陰で休みながら昼食のサンドイッチ(朝作ったのと同じものを作った)を食べたりした。


「今日中にはキューラルまで行けそうだな...」


「ですね。着いて宿と依頼を探したら休みましょうか」


「さんせーい!」


と言って全員食べ終わるとまた、3人は歩き出した。


ーキューラル郊外ー


ここに着いたのは日がすっかり傾いてしまった頃だった。


「宿は...ここかな?」


田舎の古民家を改装したような感じの、落ち着いた宿だった。

入ると受付係さんが対応してくれた。


「こんばんわ。どちらからいらっしゃたんですか?」


「フソウの中央部からです。二部屋か一部屋ありますかね?」


「フソウの...そうですか。長旅お疲れ様でした。その...一部屋ならご用意出来ますが、よろしいでしょうか?」


昨晩のことが頭をよぎる。


同じテントに突っ込んできた女子二人。

胸の柔らかい感触。

そしてあの緊張。


...寝れたもんじゃない。が、この近くには宿は少なく、大体埋まってしまっているんだそう。


「...はい、わかりました。一部屋しかないんですよね?」


この状況で取れる選択肢は一つしかない。

「ハァァァァ...」と盛大にため息をついた後、


「一部屋でお願いします。」


と言って、料金表を見て一部屋分の料金を払うレンなのであった。

案内された部屋は結構広かった。

郊外のため灯りが少なく、星がよく見える。

ホムラやハナはもう寝てしまったようだ。

昨日といい今日といい、ハナたちもまた疲れていたんだろう。布団も3枚敷いてあったため誰かと被ることはない。昨日みたいなのは嫌なわけではないが...あれを毎日はキツい。

二人も寝てるし俺も寝ようとしたところで、

俺の魔剣の声が聞こえてきた。目を開けたがそこには俺の魔剣の姿はない。代わりにロングの髪をなびかせて、背中に天使のような白い翼を生やした少女の姿だけがそこにあった。


「寝ちゃいました...寝顔も可愛いですね。何か...最初に会ったときにピンときて契約しちゃいましたけど...また、この人の運命まで狂わせてしまわないでしょうか?...誰に話しているんでしょう、私。フフッ...フゥ。おやすみなさい。レンくん。」


そう言ってその少女はレンの額にキスをした後にその姿を元の姿である魔剣フェアトラークの姿に戻っていった。...レンはその時にはもう寝てしまっていたためにその姿を見ることは出来なかったがその少女の姿は、レンの母親にそっくりであった。


はい、どうでした?

戦闘シーンは今回入ってないんですよねー

唐突ですが鬼斬っていうゲームに最近復帰したんですよ!

キャラの名前はメインキャラが「三雲 修」

です!やってる人で見たことある人もいますかね?

とまあ自分語りはここまでにして、また次回、

お楽しみに!

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