旅の始まり
暑いですなー...
もう9月なのに...
まあそれはさておき、学生なので投稿は不定期になってしまうかと思われます。よろしくです
m(_ _)mペコリ
これは一ヶ月前の出来事だ。
俺、「レン・フォボス」は襲われていた幼なじみを助けるべくそっちに向かったんだが、相手は武器を持っていて歯が立たなかった。当たり前だろ?こっち素手なのに向こうは剣とか持ってるんだぜ?
まあ案の定そのままボコボコにされて気を失いかけたんだが、その時だった。
ーその剣は魔性の剣。質問に答えてくれたら、私を使ってもいいよ。あなたはその力を何に使うの?あなたにとっての正義ってなに?ー
という声が聞こえたのだ。
気がつけば自分の手の中に、刀身は黒いが刃の部分が紅い両刃の、華奢だが何か力強さと恐ろしさを感じる雰囲気の剣が収まっていた。
ー俺は...この力を、俺の正義のために使う。
俺の正義は、困っている人を助けるってことだー
すると誰かが微笑む様子が頭の中に流れてきた。
ーわかった。その約束、守ってねー
それを言われてから襲ってきた奴らを見ると一目散に逃げていったのだが、その理由は俺はまだ知らなかった。
ー現在ー
「ということだから、冒険者になろうと思う!」
...両親の唖然とした顔。
当たり前だ。俺はもう17歳。そんなことを言い出すとは思わなかっただろう。
「いいけど、体には気を付けなさいよ?あと、お金とか、荷物はたくさん持っていけるようにバッグに魔術をかけておくからまとめておきなさい。...時々手紙も出すのよ?」
母親だ。心配そうにしている。
「...困ったら私の名前を出しなさい。きっと助けてくれる」
父親だ。騎士でたくさんの人を助けているため、たくさんの人が話しかけてきたりする。
その名前を出せば確かに助けてもらえるだろう。しかし...
「いや、父さんの名前は使わない。自分の力でなんとかするよ」
「...よく言った。」
父親はうなずいてそう言ってきた。
出発の時、両親は二人揃って見送ってくれた。
母親は泣いていたが、父親は笑っていた。
「元気でな!」
「何かあったら帰ってくるのよ?」
「わかった。ありがとう」
過ぎていく息子の背中を見て、二人は
「大丈夫かしら...?」
「男の子はあれくらいやんちゃな方がいい」
と言って見送っていた。
ーとりあえず街を出ようー
そう考えて門に向かっていた矢先、とある少女が大きな荷物を背負って見送られているところを見た。
あの時助けた幼なじみだ。
「...ハナ?なにしてるの?」
「レン!あなたこそ何かあったんですか?」
この少女の名前は「ハナ・タチアライ」。
長いポニーテールが特徴の、
清楚でお淑やかで料理もできるすごい子。
めっちゃモテるんだよなぁ...
「俺は冒険者になろうかと」
「...私もなんです」
驚いた。ハナの家は比較的裕福だし、親や家族とも仲がいい。どうして冒険に出ようと思ったんだ?
「何で冒険しようと思ったんだ?」
「もっと強くならなきゃと思って。ずっと...守られてばかりじゃないですか」
もっと強くか...でもハナは十分強い。この間の奴らは騎士で、俺らが素手だったから勝てなかっただけだ。武器を持っていたらまた違っていただろう。
「でもハナって『魔剣持ち』だよな?」
「はい、二刀流で使うことを前提としている剣です」
『魔剣持ち』。文字通り魔剣を持っている者のことだ。魔剣とは何もない武器に、魔術師が全ての魔力を注ぎ込むほどの魔術をぶつけでできる。やわな剣は折れるが、折れなければその魔術の能力が使える。剣にも人格があるようで、自分を使える人間を選ぶそうだ。
俺がこの間手に入れた剣もまた魔剣だが、あの時見えたのは何だったのだろう?
「...ン。レン。レンさん!」
「はい!はい!何かあったの⁉︎」
するとむすっとした顔で
「せっかくだし3人で行った方がパーティー(少人数で集まって冒険する冒険者のこと)も組めていいんじゃないですか?って聞いてたんです!話を聞いてましたか?」
「聞いてた!聞いてたよ...多分」
ハナはため息を吐き、
「まあいいですよ...とりあえずホムラさんのところに行きますか」
と言ってそのホムラさんの家に向かった。
ーホムラ宅前ー
...こんな事ってあるんだろうか?
「いやね?私もちょっと外の世界を見てきたいって思ってたんだけど...レンくんとハナちゃんも一緒だったのね〜...」
「まあちょうどよかった。一緒に行かないか?どこかを目指してるって言うならついてくし」
「ん?そう?じゃあお願いするわ〜!」
嬉しそうな顔をするホムラ。やはり一人では心細かったのだろう。その気持ちはよくわかる。
「...門まで急がないと。混んできちゃいいますよ?」
...ハナの顔が笑っているが笑っていない。
なんていうか...こう...怖い。ハナをここまで怒らせるのは相当な出来事だ。
「わ、わかった。じゃあ行こう?な?」
「...しょうがないわね〜...」
ホムラもまたムスッとしてしまった。なんかすぐ怒らせちゃうな...
乗り物を使うような距離じゃないので徒歩で行く。15分も歩いたところで門まで着いていた。
「冒険者の方ですか?」
「はい。この3人でパーティーを組んでるんです」
「リア充爆発しろ...」
え...?今笑顔ですげぇ怖いこと言ったような気がするぞこの人⁉︎
「な、何かいいました?」
「いいえ何も?」
...気のせいだったようだ。
門番さんがどうぞと言って門を開ける。
「では、お気をつけて。レンくん。」
「え?」
何故俺の名前を...?一回も俺は名乗ってないのに。
しかし、人の波に流されてそのことを聞くことができなかった。
ーランカスター草原ー
広い。ホムラの行きたい所に行くためのおすすめのルートにしたがっているが、途中にある村まであと15kmはある。
当たりも暗くなってきた。
「そろそろこの辺で野営だな...」
「そうね」
「じゃあ焚き火とか準備してくれ。俺は辺りを警戒する」
何もない空間から一ヶ月前のあの剣が現れる。
「フェアトラーク」。それがこの剣の名前だ。
さっそく獲物を見つけた。剣の能力を発動する。剣が一瞬紅い燐光を放つ。その瞬間に3mを瞬間移動したのだ。フェアトラークの能力は「空間歪曲」。空間を歪めることだが、大量に魔力を使う。3mくらいのを一回でもう使え無くなってしまうのだが、それをオーバーすると体に負荷をかけて強引に発動される。魔剣というより呪剣だな...
敵はアンデッドだった。初心者向けの雑魚。しかし俺も剣が強いだけで全然初心者なのでなんとも言えない。
「...フッ!」
思いっきり息を吐き、腕に力を込める。
一呼吸のうちに三回の斬撃を繰り出す技。
俺の国では「隼落とし」と呼ばれる。
これで一体片付いたが、まだまだいる。
何体か倒したところで野営陣地に火が灯った。
焚き火ができたようだ。蜘蛛の子を散らすように魔物たちも逃げていく。
「...そろそろ戻るか」
ー野営陣地ー
「お帰り〜!」
「おかえりなさい!」
二人揃って怪我はない?とか怖くなかった?
って同じことを聞いてくる。
「大丈夫だって。もう遅いから寝よう」
「「そうね」」
と言って二人揃って俺のテントに入ってこようとする。
「ちょっ...」
二人はもう寝てた。
...もう諦めて寝よう。
寝れるかどうかは別にして。
ハナみたいな子は二次元であれば好きですなー。
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