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秘密指令、目撃者を黙らせろ~ぼくらは前期高齢少年団~

                    〜ぼくらは前期高齢少年団第3話〜

  一


「久しぶりやなあ、旅行やて。修学旅行以来や」

「お前、どんな生活してんねん。江戸時代から引っ越してきたんか」

 八郎は、勝のはしゃぎぶりにあきれていた。

 気候もよくなって、四六時中ニュータウンのコンクリート壁を眺めているのも殺風景だから、紅葉見物かたがた温泉にでもつかろう、と出かけてきたのである。

「冗談やがな。そやけど、会社の社員旅行で有馬温泉へ行ったきりやから、まあ十年以上にはなるなあ。吉ちゃんえらい気ィ使うてもろて、ほんまにええんか」

 隣の席で、ゆで卵をむいている吉造に、勝はうれしそうな顔で聞いた。

「まあええがな。このあいだ簡易保険が満期になったさかい、たまには皆でどこかの温泉につかりながら、うまいもんでも食おうと思うてな」

「ありがたいなあ。吉ちゃんは昔から気前がええから好きや。小さいとき、家の金くすねてきて、ようおごってくれたわ。それで、来年も満期になるのん、あれへんか」

 ド厚かましいわい。そんなに毎年毎年満期になる保険があったら、いま時分家でも買うとるわ。と、怒鳴りたいのを我慢して、吉造は苦笑いした。

 今回の旅行は、吉造のおごりである。積み立てが満期になったので、大盤振る舞いにおよんだ。家族がいたら、みんなで飯でも食うのだが、独り者だけに使いようがない。だから、仲間で温泉にでも行こうやないか、と団員を誘ったしだいである。

「そやけど、まあちゃんは、ほんまにあほやな。何考えとるねん。二泊三日の旅行になんであんなに大きなスーツケースを持ってくるんや。お前の背の半分くらいあるようなん担いで来よって。あれは、外国旅行用やろ」

 言われた勝は、口をとがらせて

「そない言うたって、わし旅行カバンなんて持ってへんがな。娘に貸してくれて頼んだらあれ出しよってん。文句つけたら、もう行きなはんな、て怒られるから、あれにしてん」

 と弁解した。

「そやけど、あんな大きいのん、網棚に乗れへんがな。しょうがないから、車掌に頼んで、デッキに置いとかしてもろうてるけど、ほんまにドジやで。そのうえ、駅のマクテリアでケチャップの瓶つかみ損のうてシャツ真っ赤にしてもうて」

 勝の間抜けぶりをなじる八郎に、吉造は

「まあ、ええがな、ええがな」

 と、優しくなだめた。

「そやけど、ほんまにええんか。旅行代出してもろうても。そうか。ほんなら晩の飲み代はわしが持つわ。なんぼでも好きなだけ飲んでや」

 八郎も気の毒がって、夜の宴会費用の負担を申し出た。

 三人で忘年会を開くために毎月わずかずつ集めている会費もあるし、割り勘でいこうと遠慮したのだが、吉造は「まあまあ」と、どうしても自分で出すと言い張ってきかなかった。

「わしも、何か出したいんやけど、年金下ろすの、娘があんまり許してくれへんかったから」

 横で勝が申し訳なさそうにつぶやいた。

「ええねん、ええねん。みんなで行くのが、おもろいんや」

 吉造は、なぐさめの言葉をかけた。

「そうか、おおきに」

 勝はそう答えたものの、どうも最近、吉造の妙に親切なのが気にかかる。これまで、二人いっしょになって怒鳴ることが多かったのに、自分が失敗して八郎がかんしゃくを起こしても、吉造が、まあまあと、なだめてくれる。年がいって、人間まあるくなったのかとも思ってみるのだが、それにしても、急に変わるのはおかしい。

 いろいろ考えて、あの看護婦のことが原因ではないかと、行き当たった。恋をすると、人間変わるのだろうか、たとえ、老いらくのものであったとしても。そのうち、仲をもて、というようなとてつもない難題を持ち出してくるのではないか。だとしたら、今回の旅行の件も合点がいかぬことではない――。

 吉造の行動に対する勝の考えは、いわゆる、下司げすの勘繰りというやつであった。だが、結果的にその推測は当たることになるのである。

「そやけど、何で昼間にせえへんかってん。夜行やなんて、景色も見られへんし、眠たいし。せっかくの旅の楽しみが半減やないか」

 八郎のもっともな質問に、吉造はうなずきながら答えた。

「いや、いっぺん夜汽車に乗って見たかってん。窓際に座って、夜景を見ながら、こうやってポケット瓶をチビチビやる。甲高く聞こえていた踏切の警報機が通り過ぎる瞬間、ふわあんと、やわらかく消えていくのも、なかなかおつなもんや。遠くの方で夜道の街灯がゆっくりと流れていくのもええ」

 珍しく吉造はしんみりしていた。

「真っ暗な谷あいなんかに、ぽつんとある農家の玄関が開いて部屋の光が道に漏れてるのをみると、こんな山の中にも人が同じように生活しているのが不思議に思えるんや。何やら寂しい感じがして。本来、人間てそれが当たり前やのに、あのざわざわと光いっぱいの都会しか、住めんようになってしもうた。個人主義やといいながらも、群れてないと心配なんやろか、町の人間て」

 と、感傷に浸りかけた瞬間、少し離れた席にいる、自分たちと同年輩の三人組がどっと笑い声を上げた。

 列車が上町駅を出る前から、缶ビールやウイスキーを片手に、スルメや南京豆、はたまた酢昆布にサラミソーセージと次々アテを持ち出し、わいわい大声で騒いでいる。もうそろそろ日付が変わろうという時刻で寝かけている人もいるのだが、やむ気配がない。車掌が注意をして行っても、おとなしくなるのはそのときだけ。すぐに元通りに大宴会が始まる。

「うるさいなあ、あいつら。なんとかならんのやろか。ひとが旅情に浸りかけてんのに」

 気分を壊された吉造がまゆをしかめた。

「ほんまや、まるで『宿屋の仇討あだうち』や。何べん注意されても直りよらん」

「なんや、それ。『宿屋の仇討』て」

 相づちを打った勝に、八郎は不思議そうに尋ねた。

「知らんのかいな。落語の外題やがな」

 いつもあほや、間抜けやとばかにしている八郎が知らないというので、聞かれた勝は鼻高々。得々として説明を始めた。

 旅籠はたごに宿を取った旅の侍が、隣部屋に泊まった町人三人組の騒ぎで眠れず、再三番頭を呼んで注意させるが、収まらない。揚げ句の果て一人が、昔、万事世話九郎という武士の奥方とねんごろになった話まで始める。不義を見つけた武士の弟が刀を抜いてもみ合いになるが、はずみで彼の方が弟を切り殺してしまう。後難を恐れ、金子五十両を差し出し連れて逃げてくれるようすがる奥方をも、足手まといになるからとバッサリ。金だけを懐にして、そのまま逃げてきたという。

 他の二人がこの話を聞いて、また大声ではしゃぎだすが、実はこれ、耳にはさんだ事件を、自分のことのようにして大ぼらを吹いたしだい。ところが、隣の侍が自分を世話九郎だと言い出す。そして、翌朝仇討ちをしたいので、番頭に男が逃げないよう、しっかり見張っておくよう厳命する。逃がせば、彼の首もないとの脅しつきである。四人が青くなって一睡もせず朝を迎えると、侍の方もあれは座興で、ただ三人を静かにさせておくための方便だったと明かすのが、オチである。

 この話を聞いた八郎は、大きくうなずいた。

「よし、お前ら、耳を貸せ。あいつら、静かにさせたろ」

 何か思いついたかして、彼は二人を手招きした。

「まあちゃん、お前、からだ小さいからあのスーツケースに入れるやろ」

 聞かれた勝は、

「そらあ、できるけど、なんでや」

 それに答えず、八郎は、

「ハンバーグ屋で汚したシャツ、もういっぺん出してこい」

 と命令した。そして、吉造に尋ねた。

「吉ちゃん、サングラス持ってるか」

「いつものこっちゃ。ポケットに入ってるがな」

 返事を聞いた八郎は、顔を寄せ仲間にささやいた。

「うん、うん、なるほど。おもろい。よっしゃ、やったろ」

 例によって衆議一決、三人の意思は決まった。道具を携え、吉造と勝はスーツケースの置いてあるデッキへと向かった。



  二


 例の三人組は、相変わらず騒いでいたが、うち気の弱そうな一人が小便に立った。

「行けるか。なんや足もと危ないで」

「だ、大丈夫やがな。これくらいの酒で酔うかいな。帰ってきたら、まだまだ飲むで」

 男は、よろめきながらトイレへと向かった。大丈夫どころか、千鳥がゲタの歯に石を挟んだような歩き方をしている。

 それでも、一応トイレまでたどり着いた。小用をすませた後ドアを閉め、何気なくデッキの方を見たとたん、彼の体は凍り付いた。

 半開きになった大型スーツケースの中に、シャツを朱に染め、くの字形になって白目をむいている勝の姿があるではないか。いままさにケースを閉めようとしているのは、黒スーツにサングラスをつけた吉造。手の中に、ゾクッとするような金属がみえた。

「にいさん、見はりましたね」

 低く押し殺した声で、吉造は言った。

「い、いいえ、見、見、見てまへん。ほんまに見てまへん」

 相手は目を見開き震えていた。つい先ほどまで酒で赤かった顔は、青くなり、うわずった黄色い声でのどをつまらせるような返事をした。世間一般でよく言われるLED症候群を呈している。

「ほんまでっか。ほんまに見てまへんか」

 吉造は、一歩彼に近寄った。手の中の物が薄暗い車内灯にキラリと光った。男ののど仏がごくりと上下した。

「ほんま、ほんまです。うそは言いまへん」

 彼は、横を向き、吉造の顔を避けるようにして、便所の壁にへばり付いてた。

「そうでっか。ほな、よろしいんや。そうでっか。ところで、わしら猿山温泉まで行きまんねんけど、おたくらは、どこまででっか」

「蟹ケ、蟹ケ浦温泉でんねん。この間、甚やんが住之江の競艇で大穴当てたもんやさかい、みんなで温泉行ってパーッと騒ごうかということになって……」

 別に言わなくてもいいことまで、しゃべり出すところを見ると、相手は相当パニクっているようである。あまり声が大きいので、他の乗客に変に思われないよう、吉造は制しながら言った。

「いや、そんなことは、どうでもよろしおまんねん。そこへ着くまで、もう、おしっこは行きはりまへんか」

 要は、自分の目の届かないところへ行くな、ということである。

「行きまへん。行きまへん」

 彼は、オーバーな身振りで、首を縦に振った。

「車掌室に用があるとか」

「おまへん、おまへん。絶対におまへん」

 今度は、首がちぎれるのではないかと、こちらが心配するほどの勢いで横に振りまくった。

「そうでっか。ほな、まあ戻りまひょか」

 吉造は相手の背中に手を回し客室へと促した。男の歯はがちがちと鳴り、足はよろよろと雲の上を踏んでいるような歩き方を見せていた。

 二人が去ったのを確認して、勝はスーツケースから抜け出た。服を着替え、マスクに帽子と典型的な変装スタイルで、顔を見られぬよう座席へ戻った。そして、彼らから見えないよう逆方向のシートに深く腰を落とし、姿を隠した。吉造は、手の中に持っていたステンレスのスプーンをポケットに納め、サングラス越しに相手をグッにらみつけている。

 座席に帰った向こうの彼を、仲間はにぎやかに迎えた。

「さあ、いこいこ。それで、例の店のママはそれから、どない言うたんや。意味ありげな、流し目をくれたその後や」

「ようよう、色男」

 ところが、あんなことがあった男はしょぼんとして、ただ座っているだけで、うんとか、そうとしか言わない。残る二人は不審がった。

「どないしてん。えらい顔色悪いやんか」

「元気ないで。小便行く前とえらい違いやなあ」

 と、変な顔をして口々に尋ねた。

「いや、気分悪なってん」

「何言うてんねん。ちょっとくらい気分悪いのん、一杯ぐうっといったら、すぐ治る、治る。今度はこのショーチューいこ、ショウチュー」

 と一升瓶を差し出しての景気づけにも、

「悪いけど寝させてんか。何や、しゃべりとうないんや」

 と、浮かぬ顔で、むっつり黙ってしまった友を見て、仲間は気をそがれたかのようだった。何や変なやつやなあ、と不服そうな顔をしていたが、ふたりだけで飲むわけにもいかず、そのうち静かになってしまった。

「うまいこといったなあ」

 勝が、やれやれというように大きく息をした。八郎も、計略が当たって、ほっと緊張を解いた。ただ、吉造だけはあちらの座席の方にサングラスを向け、見つめていた。のようにみえたが、実際はもう眠っていたのかもしれない。残る二人も目を閉じた。



  三


 ごとんと響いた列車の揺れに、勝は目を覚ました。こそっと斜め前の席を見ると、仲間は寝てしまっているのに、あの男だけが起きていて、しきりに貧乏ゆすりをしている。窓側を見ていたかと思うと、天井を向く。しばらくすると、うつむいては度々大きなため息をついていた。

 最初は、なぜかわからなかったが、手で下腹部を押さえだしたので、気づいた。おしっこに行きたいのである。だが、吉造との約束があるから立てない。吉造はサングラスをかけているから、寝ているのか、起きて見張っているのか、彼から見えない。もし、便所へ行きかけたら、車掌に通報されると思って何をされるか分からない。スーツケースの中に見た男のようになったら怖いので、我慢しているのである。

 彼はとうとうたまらなくなって、空いたウイスキーの角瓶を手に取った。そして、その中に小便を始めた。ちょびちょびと、こぼさないようにゆっくりゆっくり注いでいたが、小の方にも電車同様、各駅停車や急行などがあるようである。彼のは、どちらでもなく、区間急行型で、最初はゆっくりだったが、途中でスピード制御が利かなくなって、口からうわっとあふれ出、ズボンをぬらした。

 あわてた彼は、前後の見境がなくなったものか、すぐ横にあった焼酎の一升瓶に手を伸ばした。見ていた勝は、あっ、あかん、あれはまだ半分残っとる、と思ったが、本人は意に介せず、その中へじょんじょろりん、じょんじょろりんと全部もらしてしまった。

 たまっていたものを全部排出し、すっきりした彼は、今度はほっとしたため息をついた。勝は可哀そうに思ったが、ばらすわけにもいかない。だまされたと知ったら、彼らに何をされるか分からない。まあ、一段落したことでもあるし、これで、彼もゆっくり眠れるだろう。そう思って再び目をつむった。

 鉄道唱歌が車内に流れて、続く「まもなく列車は猿山温泉口に到着いたします。お降りの方はお忘れ物なきようご注意ください」とのアナウンスで、八郎は目を覚ました。

「ああ、よう寝た。もう猿山温泉口か」

 両手を上にあげて彼は、うーんと背伸びをした。吉造も、はっとしたかのように気づいて起きあがった。勝はまだ寝ていた。

「おい、まあちゃん、降りるで」

 吉造に揺り動かされて、勝はやっと目を覚ました。

「えっ、もう着いたんか」

 まぶたをこすりながら、彼は周りを見回した。向こうの三人組は全員ぐっすりと眠っている。

「さあ、降りよか。そやけど、このままやったら、あとで、警察に届けられるかもしれんし、厄介やで」

 吉造が、つぶやいた。

「そやな。ほんなら、種明かししといたろか」

 八郎が、にやりとして答えた。

 列車を降りた三人は、プラットホームを彼らの座席のところまでくると、トントンと窓ガラスをたたいた。うっすら目を開けた例の男は、吉造の姿を見てびっくりして跳び起きた。そして、横にいる勝を見て、さらに目を丸くした。八郎ら三人は笑みを浮かべながら軽く頭を下げて会釈した。

 男は状況がまだはっきり理解できず、ぽけーっとこちらを見ていた。横の仲間も起きたようで、一人はあくびをして、首筋をぼりぼりかいていたが、残る一人は昨夜の続きと勘違いしたものか、例の一升瓶を持ち上げ、コップ片手に口で栓を開けるところが見えた。とたん、列車はホームを離れたので、彼がその後瓶をどうしたかは、だれにもわからなかった。



 四


 夜はまだ明けておらず、駅の周りはまだ暗かった。こんな早朝にこの駅に来る一般の観光客はあまりいない。それでも、たくさんの人たちが降りたのは、磯釣り目当ての面々である。クーラーボックスにサオをかついで、渡船乗り場へ向かうタクシーに殺到していた。

「旅館へ行っても、まだ早いで。ちょっとその辺散歩でもしよか」

 吉造の提案で皆は漁港の方角へ足を向けた。潮のかおりが鼻をくすぐった。真向かいに島があるはずだが、暗くて見えなかった。

 岸壁に当たる波の音を聞きながら、八郎は聞いた。

「そやけど、何でまたここへ来ようと思うたんや。もうちょっと先に有名な大温泉があるのに」

 吉造は、やみの中の島影を捜し求めるようにしながら答えた。

「四、五十年前に、仕事でこの辺に来てたことがあるねん。この真向かいの島に渡ると、岬から水平線がまあるく見えるんやで。その海をどんどん行くと、極楽浄土にたどり着けるという言い伝えがあるんや」

 彼の妙に思い込んだような話しぶりを、八郎は変に感じた。そのとき、東の方を吉造は指さして、声を上げた。

「日の出や。あの岩と岩の間をお日さんの上るのが、ものすごくきれいなんや」

 静かな海面を赤く染めて浮き上がってくる荘厳な太陽を、三人はうっとりと眺めた。



  五


 辺りを見て回って、夕刻旅館に着いた三人は浴衣に着替えた。まずはゆったり温泉につかり、旅の汗を流した。そして、お目当ての宴会である。

 とれとれの魚を前にして、酒盛りが始まった。飲むほどに酔うほどにムードは上昇。それぞれ、十八番が飛び出した。

 八郎は、モモエちゃんである。彼女が現役時代は、大のファンだった。さよならコンサートには、ヨメはんに会社の出張だとうそをついて、駆けつけた。引退以来、彼女に操をささげ、他の女性歌手の名前さえ口にしないという、ファンというより熱烈な信奉者である。桜田モモエで日本の女は死んだとまで言い切る。

 衣装もご持参で、コンサートのときのドレス――もちろん本物であるはずはないが、東京のショップであつらえたという、ちょっと危ないコスチューム――で「ひと冬の経験」を演じる。ファウンデーションから口紅まで用意、カツラをつけての登場に二人の観衆は、やんやの喝采だ。

 ビール腹と、おやじパンツのちらつくミニスカートが、えも言われぬほど気持ち悪い。その、むしずの走るような、振りつきの熱唱が、かえって快感となるから不思議だ。傷口のかさぶたを、めくるときに似ている。痛いけど、むしりたい。見たくないけど、つい目が行ってしまう。そんな「モモエちゃん」なのである。観客の二人は、おなかを抱えて笑い転げた。

 二時間半すべてのコンサートライブを演じることができると、本人は豪語するが、「プレイボーイpart2」と「いい日夕立ち」だけにしていただいて、次はこれも定番、吉造の「のぞきからくり」に移った。

 大掃除――これも最近見られなくなったが――で畳をたたく竹のようなものを持ち出してテーブルを打ち始める。


《やあれ―― 三府の一の東京にて

       浪に漂うますらおは

       はかない恋にさまよえり

       父は軍人中将にて

       片岡子爵の長女むすめにて

       桜の花の咲いたよな

       人もうらやむ器量良し》


 流れるような七五調が心地よい。リズミカルに卓上を躍る竹の響きが、脳細胞の奥までしみこんで、かび臭い過去の記憶を引きずり出してくる。目をつむると、縁日や祭りの風景が目に浮かんだ。

 出し物は「不如帰ほととぎす」である。武男の出征中、新妻の浪子が胸を病んで実家へ帰らされてしまい、夫に再会できぬままこの世を去る。悲劇中の悲劇、世の紅涙をしぼった古典的大ロマンスだ。

 のぞきからくりとは、大道見世物の一つ。箱の前面にレンズのついた穴がいくつかもうけられていて、そこから演目の絵をのぞくようになっている。左右に立った二人が細い棒でたたきながら節をつけて情景を語ってくれる。金を払ってのぞかなくても、周りでただ聞いているだけでも楽しい。演者の操作によって内部の絵が場面転換するようになっていて、なかなかきれいなものである。

「相変わらずうまいなあ、吉ちゃん。夏祭り思い出すわ。みんなそろうて見物に行ったもんや。からくりのほかに、化けもん屋敷や見世もん小屋が並んで、おもろかったなあ」

 勝が懐かしがった。

 神社の池で魚を釣ろうとして、社務所の職員に追いかけられたり、木に登って、枝ごと落ちたり、と昔話に花を咲かせ、三人はどっと笑った。

「つい、この間のようやのに、六十年以上もたってしもうた。早いなあ。もう、あんな体全体からわき上がってくる楽しさなんて、感じることはでけへんのやろなあ」

 八郎は、ちょっとさびしそうな顔をした。

 そして、だれかの「さあ、もう寝よか」の一言を合図に床をとった。



  六


 小便をし終えて、廊下を戻って来た勝は、向かいの部屋から聞こえてくるうめき声に、立ち止まった。

 男女の苦しんでいるような声だった。勝は部屋に戻るなり、二人を起こした。

「ちょっと、前の部屋が変やねん。うめき声が聞こえるねん。だれか病気と違うやろうか」

「何やて。また、ねぼけたんとちゃうか。向かいの部屋いうたら、初老の夫婦連れやろ。夕方ホールで見たけど、元気そうやったがな。体がおかしかったら、自分らで医者でも呼びよるやろ。放っといたらどうや」

 吉造が、眠たげに答えた。

「いや、それが二人とも、苦しがってるみたいなんや」

「二人とも?」

 そのとき、眠っているように見えた八郎が、寝返りを打って、顔をこちらに向けた。

「そういうたら、晩方あの二人、暗い感じやったなあ。こりゃあ、ひょっとしたら、ひょっとするんとちゃうか」

「ひょっとするて、もしかすると、あれか」

「うん、そうかもしれんで」

 吉造の問いに、八郎はまじめな顔で答え、がばと跳ね起きた。

「みんな、行こ」

 三人が、廊下をはさんで反対側の部屋の前に立ったとき、中の声はさらに深刻になっていた。

「あかんわ。まあちゃん、ちょっとフロントへ行って旅館の人呼んで来て」

「よっしゃ」

 走っていった勝は、まもなく従業員を引っ張ってきたが、彼女は合鍵を持ったまま、ドアの前でためらっていた。

「何してるねん。早う開けたらんとあかんやないか。何してるねん」

「いやあ、合鍵を使うのは難しいので。前にも、こんなことがあって、開けてみたら、アノ最中でえらい怒られたことがありまして」

「何言うてるねん。あんな年寄りが、もうそんなことするかいな。それに、この声は普通やない。ドアを何べんたたいても、返事がないし。文句言われたら、わしらも謝るさかい。早よ開けたって」

 八郎に強く押されて、従業員の女性はしぶしぶカギを開けた。

 取っつきの間のふすまが半分開いていて、女性の上半身が出ていた。吐しゃ物が靴脱ぎに広がり、彼女は荒い息をしてもがいていた。

「えらいこっちゃ。奥はどうや」

 八郎は女性を抱き起こしながら、吉造に寝室を見てくるよう促した。奥の部屋に飛び込んだ吉造は、布団の上で苦しんでいる男を見つけて叫んだ。

「あかん、こっちもや。おネエさん、救急車呼んだってんか」

 従業員が飛び出していったあと、吉造が机の上をみると、小さな薬瓶が転がっていた。

「これ、飲みよったんやな。覚悟の上か。二人ともみたいやから、心中やな。あほなことせいでも、いやでも人間いつかは死なんならんのに」

 彼は顔をしかめた。

 救急車が二人を運び終わった後、女将おかみがあいさつに部屋を訪れた。

「ありがとうございました。もしものことがありましたら、大変なことになるところでした」

「いやあ。それより、どうやった、あの二人は」

「おかげさまで、命をとり留めることはできるそうです。それもみな、あなたがたのご活躍のおかげで。うちの従業員を指図していただいたそうで、当方みな大変喜んでおります」

「そんなら良かった。そうか」

 八郎らは、満足げにうなずいた。

 ごゆっくりどうぞ、の声を残し女将が立ち去ったあと、眠気の吹き飛んだ三人はお茶をすすった。

「よかったなあ、まあちゃんお手柄や。よう助けたった」

「ほんまや」

 八郎と吉造にほめられた勝は、照れくさそうに笑った。


 

  七


「ようお眠りやしたか」

 ふすまの向こうから女将の声がすずやかに響いたのは、昼近くだった。部屋に入ってきた彼女がカーテンを開けると、さわやかな日差しが目に痛んだ。

「昨日は大変でしたから、ゆっくりお休みいただいたらいいのですが、もしどこかへ出かけられるご予定だったら困られると思って、失礼でしたけど、勝手に入らせてもらいました」

 昨夜は、混乱していてゆっくりしている暇がなかったが、気が落ち着いて見ると、女将なかなかの美形である。だが、昨夜、パッと見てそれほど印象深くなかったのはなぜだろう。切れ長の目が涼しげで、笑うと白い歯が印象的だ。やや昔風の日本的美人といえる。だが、華やかさに欠ける。少し影があるようにも、八郎は感じた。

 だが、全くの素人ではない。それくらいのことは、見ればすぐわかる。これだけの旅館を取り仕切っているのである。もちろん独り身ではないだろう。

「昨夜は、本当にありがとうございました」

 女将は、また礼を繰り返したが、前夜のように形式張った言い方ではなく、親しみのこもった言い方だった。

「こちらのほうの言葉ではないようですけど、お生まれは」

 八郎が、彼女のイントネーションが地元の人と違うのに気づいて聞いた。

「ええ、大阪です。みなさん方のお言葉を聞いていて懐かしくなって。それもあって、お部屋へ来させてもらいました。お邪魔だったかもしれませんけど」

「いえいえ、そんなことありまへん。あなたのような、べっぴんさんに来てもろうて、いややなんて言うたら罰あたりまんがな」

 八郎の言葉に、彼女は口元に手を当て軽くほほ笑んだ。

「ところで、あの二人はどうでっか。容体は、どんなもんでっしゃろか」

 勝が、聞いた。

「幸い薬の量が少なかったのと、発見が早かったので間もなく気がついたそうです。それも、みなさんのおかげですわ」

 女将の言葉に、三人は胸をなで下ろした。

「警察関係の人からうかがった話では、あのお二人方、えらい遠くからいらっしゃったのですって。ご商売されていたのが、お子たちもなく、高齢になったので、店をたたんで、そのお金を元に全国を旅して来られたそうです。そして、こちらへ着かれたのがおとついの宵方でした。でも、もう旅費も心もとなくなってきて、これ以上遊んではいられない。といっても、年が年だし、もう一度働こうという気力もない。一緒に死のやないか、ということになったそうですねん」

 ときどき出てくる大阪弁が、言いようのない魅力を与えた。

「わかるような気がしますわ。何に対しても気力がわかず、希望も失せてしまった人生なんて、いすに座って、ただ過ぎゆく時計の針をずっと見つめているようなものですもの」

 窓から見える遠くの山並みを見やり、つぶやくように言った彼女の横顔を、暗い影が走った。もしかすると、このひとも人知れぬ苦労をしたのではないか、八郎はそう直感した。美しいだけに、ひとつ間違えれば、その代償はつらいものだったのに違いない。

「もう一晩お泊まりでしたね。今夜は私のおごりですから、心いくまでお楽しみになってください。私も早めに仕事を切り上げて、参加させていただきたいの」

 一瞬、憂いのよぎった目元を輝かせると、彼女は部屋を後にした。八郎たちも、心を浮き立たせた。行きの列車では不愉快な思いもしたが、旅の終わりは楽しいものになりそうだ。

 その晩のスタートも、八郎のモモエショーだった。としうえ、許された遊び、蜂須賀ストーリー、秋椿と、メドレーでの演技はもう圧巻だった。女将は、その役者ぶりを褒め称え、調子に乗った八郎はお色直しまでしてファイナルコンサートを再現した。

 吉造は、不如帰に加え、八百屋お七をうなり、女将のアンコールで、地獄極楽まで演じるという大サービスだった。

 彼女はその節回しに、うっとり聞きほれていた。のぞきからくりを知っているくらいだから、そこそこの年なのだが、若く見える。抜きかげんの襟足に、しゃきっと伸びた背筋、やや肉付きのよい体つきが、男心をくすぐった。

 芸のない勝は、ひとの芸を見て手をたたいているだけだったが、みんな楽しくてたまらないという表情だった。女将は、三人の間を行き来して、相手をしていたが、吉造とはしんみりと話し込んでいた。それを見た勝は八郎にささやいた。

「吉ちゃん、また珍しゅう女の人と話し込んでるやないか。あの看護婦の件以来、女嫌い治ったんやろか」

 勝の茶化しにも、八郎はうれしそうに杯を口に運んでいた。

「ええ傾向やがな。あいつ、女いうたら避けて、本当に嫌そうにしとったけど、最近そんな、とげとげしさがなくなりよった。やっぱりあの看護婦やろか」

 しばらくして、女将は八郎の横へ座り、しみじみともらした。

「吉造さんて、いい人ね。あの人、若いころ女の人にだまされて、それ以来、女嫌いになったて言うてはったけど、ほんとにそんな仕打ちをしたのなら、人でなしやわ。あんな一途なひとを、泣かすなんて……。私にはわかるの、いろんな男を見てきたから、あの人の純粋さが」

 八郎は驚いた。あの吉造が女性と話すこと自体珍しいのに、彼にさえ一度しかしたことのない打ち明け話を女将にしたからである。吉造に何かあったのだろうか。心境の変化を生じさせる異変が。別段根拠があるわけでもなかったが、彼は胸騒ぎを覚えた。

 楽しい宴はいずれ終わりの時が来る。名残惜しかったが、その夜も宿屋の仇討ちとならぬうち、お開きとになった。



  八


 朝まだき、未明といってもいいころ、部屋の電話がけたたましく鳴り響いた。受話器を取った八郎の耳に息せき切った女将の声が伝わってきた。

「あの夫婦のだんなさんの方が、収容されていた病院から飛び降りはったんです。亡くなりはりました。それで、いま病院と警察へ行って来たんです。私、とても一人でいられない。これからみなさんのお部屋に行ってもいいでしょう?」

 飲み過ぎで痛んでいた、八郎の頭が吹っ飛んだ。せっかく助かった命が、いとも簡単に終わってしまった。人生における宴のあとのように。

 いままですぐ近くにいた人間がスーッと消えてしまう。そのようなことは、これまで何度となくあったが、心中、飛び降りと、非日常の世界を見せつけた男の死が、あまりにも劇的すぎて信じられなかった。

 小走りに廊下を伝う足音に、八郎がドアを開けると、女将は倒れ込むようにして部屋へ入ってきた。

「私、信じられへん。いっぺん助かった者は、二度と死ぬ気にならへんというのは嘘やったんや。ウチのときは、そうやったのに」

 心の内から絞り出すような声だった。泣いているようにも、叫んでいるようにもみえた。

「そのとき、いろいろ面倒見てくれはった人がいて……。その人にいま、私世話になってますねん」

 八郎は、やはりそうかと思った。女の、どこか悲しげな面差しは、そこから来ているのだと、知って彼はやっと納得できた。

 吉造と勝も、やはりショックだったのか、布団の上でぼうぜんとしていた。

 しばらくして気を取り直した彼女は、警察で聞いた話を語りだした。

「入院させたものの、二人のことを心配した警察は職員を一人つけて、様子を見させていたんです。ところが、夜中、奥さんがお手洗いに付き添ってくれというものだから、ついていったのね。そして、部屋に戻ったとき、目に飛び込んできたのは、男性の窓枠を越える姿だったんです。奥さんの方に目で合図をしたように見えたって」

 たもとからハンカチを取り出して目に当てた彼女は、のどを詰まらせた。

「あとで、だんなさんが亡くなったと聞いた奥さんは、こうつぶやいたそうです。これで良かった、って。お手洗いのことも、彼女が職員の注意をそらすためにしたことだったんです。心中を持ちかけたのは、男の方だったというけど、なぜ、自分の愛する人を死なせることができるのかしら。ウチには理解でけへん」

 四人は、それぞれ自分の思いにふけった。だれも何も言わず、身動きもしなかった。しばらくして、勝がぽつりとつぶやいた。

「あほな男やな。死なんでもええのに。あわれなやつや。よっぽど死に神に取りつかれてたんやろ」

「そうやな、人間やっぱり畳の上で死ねんとなあ。自分から死ぬやつは不幸なやつや。生きてたら、またええこともあったやろに」

 吉造が答えた。女将のほおを、大粒の涙がつたった。それまで我慢してきたのが、一度にふき出たという感じだった。

 しかし、八郎は違っていた。

「わし、そうは思わんわ。あいつは幸せなやつや。男冥利(みょうり)につきた男ちゃうか」

 三人は、不思議そうな顔をして彼を見た。

「あんなええヨメはんを持てたことや。世の中ようできた女がたくさんおる。もちろんそれは男からしての見方やろけど」

 ひざを抱え、遠くを見るようにして八郎は続けた。

「酒でも、女遊びでも、何でも好きなことしなはれ、って許してくれる女がいるかしれん。金も好きなだけ使いなはれ、って言うてくれる女もいるかしれん。しかし、死にたいと頼んだときに、ええわ、死なしてあげる、そう言うてくれる女が何人いてるやろか。嫌いやったら別やけど、本当に愛していたら、そんなこと言わんで、ウチのためにも生きていてほしいと、かき口説くのとちがうやろうか。たとえ、男が生き続けるのにどれだけ苦しんでいたとしても」

 彼の目もうるんだ。皆も同じだった。

「あの女の人も、多分だんなに生きていてほしかったと思う。だれかて、好きな人に先立たれたくなんかあらへん。それを、無理やり抑え込んで、亭主を旅立たせてやった。あの女は、ヨメさんのかがみやと、わしは思う。それは、男の甘えやというかもしれん。男は女に求め過ぎやというかもしれん。でも、わしかて甘えられるものやったら、思いっきり甘えてみたい。あの男のように」

 だが、勝は反論した。

「それは、わがままや。そらあ、いってしまう者には都合ええけど、残された者はどうなるねん。手前勝手やないか」

「人間死んだらあかん。命は神さんから貸してもろうたもので、自分のもんやあらへん。定められたときに返すもんや。生きていとうても、でけへん者もおるのに……」

 吉造も、反論した。

「わしかて、死ぬのを奨励してるんやない。しかし、そう思うんや。それに、そう思うたったら、生き残った者の負担も軽うなるんやないやろか」

 八郎は、二人を諭すように言った。吉造らは、理解できなくないものの、その考え方にやはり納得できなかった。

「そうね、そうだったのかしら。わたし、自分を責め過ぎていたのかもしれない」

 もの思いにふけっていた女将が、そのとき、ぽつりとつぶやいた。男たちは、意外な言葉に彼女の方を振り向いた。

「わたしらも、あのお二人と同じように薬を飲んだんです。でも、自分だけが助かって。いままで、一人だけ生きてることが、あの人に申し訳なくて、切なくて……。でも、考えようによったら、あの人を楽にさせてあげられたとも言えるのね」

 彼女の厳しかった表情が、和らいだように見えた。

「一緒に助かっても、事が解決するわけではなかった。また、二人で悩み続けなければならないのは確かだったわ。それを乗り越えれば、また人生が切り開けたかもしれないけど、あのときは、もう極限状態だったの。一人になったからこそ、工面のできたこともあった。でも、あのあと通らなければならなかった、あんなつらい経験は、私だけで十分よ」

 重く苦しい過去を思い起こして、彼女は首を振った。

「でも、八郎さんの言葉を聞いて、どっしり私の上に乗っかっていたものが、少し軽くなったような気がしますわ。悲しみにも鎮痛剤はあるのね」

 白みを増した空の色がベランダから差し込んできて、彼女の白い顔を照らした。頬は乾いていた。


 朝食を済ませた三人は、女将らに見送られてタクシーに乗った。彼らはリアウインドーを振り返った。遠ざかっていく彼女から、以前のようなさびしげな面影は消えているように見えた。


                                    (おわり)


        〔この物語はフィクションであり、実在の人物、団体とは関係ありません〕



次の作品もよろしく。


●前期高齢少年団シリーズ『ケータイ情話』『ミッション・インポシブルを決行せよ』『車消滅作戦、危機一髪』『さよならは天使のパンツ大作戦』

●千鶴と美里の仲よし事件簿『尿瓶も茶瓶も総動員、人質少女を救い出せ』『グルメの誘いは甘いワナ』、『昔の彼は左利き』

●超短編集『美しい水車小屋の娘』『虹色のくも』『はだかの王さま』『森の熊さん』『うさぎとかめ』『アラジンと魔法のパンツ』『早すぎた埋葬』

(上段もしくは、小説案内ページに戻り、「小説情報」を選んで、作品一覧からクリックしていただければ、お読みになれます)



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― 新着の感想 ―
[一言] 今回のはどことなく、良い意味で説教じみた、良い話でしたね。こういうのって書くのがやや難しいと思います。 ところで、最後の最後にある「食事を取る」に関してなのですが、この表現はどうやら、本当は…
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