ある伝説
はるか昔、人の世は一度滅びたという。人は滅びの足音に気付くのが遅すぎるほど遅かったが、最後の14人の男女はそれぞれのやり方で破滅に抗ったという。
『賢者』は滅びの原因を探り、『錬金術師』は役に立つ薬を作り出し、『商人』は十分な衣類と住居を用意した。『騎士』は残った皆を守護し、『暗殺者』はその牙を研ぎ澄まし、『聖女』は逝ってしまった者達とこれから征く者達のために祈りを捧げ、『勇者』は武力をそろえた。『農家』、『漁師』、『狩人』はそれぞれ得意な食料を集め、『鍛冶師』と『細工師』は彼らのために道具を作り出した。『神子』は生存者を『コロニー』にまとめ上げようとした。だが、二人、彼らに参加しなかった者がいる。
『復讐者』は『コロニー』と共存したが、あくまで利用するためであった。そして……
――『男』は、本を読んでいた――
はじめまして。帽子屋黒兎といいます。この物語の始まりは高校の授業で小説を書いていたことから始まります。授業内では書ききれず、悔しくてこの「小説家になろう」様に掲載させていただこうと、思ったわけです。
主人公の登場は次話からとなります。