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※ご覧の小説はクソ小説の折り返し地点です。

 さて、伊達メガネの素直な謝罪を聞いたということは、今が畳み掛け時である。ここで一気に攻め入れば俺の勝ち──即ち、炬燵の獲得だ。ウドの大木の類義語は(モミ)の大木だと思っている俺が、ここで退くわけにはいかない。


「そもそもお前! カップルが何のもとに成り立ってるか知ってんのか?」


「否……恥ずかしながら、浅学故に。友よ、僕に教えてはくれまいか」


「よかろう」


 伊達メガネに下手に出られるのは正直かなり気分がよかった。滅多にない機会だし。


「──別れ、だ」


 過剰なまでに重々しく、俺は言ってやる。


「別れ、かい?」


「そう、別れ。──いいか浅学クソメガネ、俺が特別に教えてやる。ひとつのカップルの成立にはな、ひとつのカップルの別れがあるんだ。誰かの涙に依らない幸せなんてねェんだよ」


 静かに語り終えると、俺はフッとアンニュイなため息をついた。今なら伊達メガネの気持ちがよく分かる──クイとメガネを持ち上げたい気分だ。


「……し、しかし友よ。この世の中には伴侶のいない人間など幾らでもいるのだから、番い(カップル)が成立するのに番い(カップル)の別れが在らずとも──」


「うるせェ!! この世はな!! 諸行無常なんだよ!! 誰かの幸せは誰かの不幸なんだよ!! メリーバッドクリスマスなんだよ!! 分かったか!!」


「…………わ、理解った」


 ……若干力業だったような気がしないでもないが、まあいい。伊達メガネの論破には成功した。

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