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幻想紀行-0-  作者: つぶあん
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幻想紀行-1-

-霊夢の後を追って走っていくと涼しいというよりも寒い森林を抜けるといきなり目の前に立派な石段が見えてきた。

「えぇ…これを登るの?」

つぶあんは彼女に聞く

「飛べばいいじゃない。あんたもしかして飛べないの?」

不思議そうに聞く彼女に向って彼は

「普通の人間が飛べるわけないじゃないか!」

と声を荒らげて返す。そう、彼女は空を飛ぶことができるのだ。これをこの世界では、空を飛ぶ程度の能力というらしい。彼女はこれ以外にも多くの能力を持つらしい。

結局、僕は置いてきぼりにされとぼとぼと石段を上る羽目になった。

石段は見た目以上に長く、なかなか境内が見えてこない。これを彼女は数秒で登れるのかと考えると自分も何かしらの能力がほしいものだと感じた。そんなことを考えながら登っていると

「あら?見かけない子だわ。霊夢の仲間の新入りさんかしら?」

と声をかけられた。いや、正しくはそんな声が聞こえたが正しいのかもしれない。なにせその声の主が見当たらないのである。後ろを振り返っても、右にも左にもいないのである。

「何きょろきょろしてるのよ。上よ上」

そんな声が聞こえて上を見上げて腰を抜かしそうになった。空には謎の穴が開いておりその中にはたくさんの目がこちらを見つめている。その中から女性が現れた。その容姿はいい年の女性って感じだった。なんと返したらいいかわからず

「あ、あなたはだれですか?僕はつぶあんといいます」

こんないわゆるテンプレな返答をしてしまった。そんな僕にその女性は

「あら、私を知らない人なんているのね。私は八雲紫っていうの。ところであなたは普通の人間みたいだけどどこからやってきたの?」

八雲紫と名乗った女性からは不思議な力が伝わってきた。霊夢の力でなんて言ったら後で何言われるか…なんて考えていたら、石段の上から

「あああ!紫が何でつぶあんとしゃべってるのよ!?」

という霊夢の驚きと焦りが混じったような声が聞こえてきた。すると、紫さんは何かを悟ったような顔をして

「まためんどくさいことしてくれたわね…」

とつぶやいて穴の中に消えてしまった。

なんで、霊夢は焦ってたのだろう…と考えながらようやくの思いで石段を登りきると立派な神社と先ほどの女性に叱咤されている霊夢が見えてきた。

「いい?あんたが勝手に結界をいじるのはいいけどいじった後ではちゃんと直しておいてくれないと困るんだけど!!」

「紫!あんたが直せばいいでしょうに。どうせ暇でしょ?」

「勝手に決めつけないでくれる?そもそも結界が緩くなったら昔みたいに人間が入ってくるかもしれないというのに!」

「変異がないからいいでしょ!!…」

こんな言い合いが数十分続いてようやく終わった。それと同時に霊夢は僕にかまうことなく結界のほうに走って行ってしまった。

少しの間の後紫はこちらに気が付いたようだ。

「あら?いつからここにいたの?もしかして聞いてた?」

僕は恐る恐るうなづいた。

「なら余計詳しく自己紹介しないといけなさそうね」

こう言って彼女は自分が現在の幻想郷の創造者の一人であること、結界の維持は自分の能力であること、さっきの穴もその能力の一つであることなどを教えてくれた。彼女によると結界の変化と何者かの侵入を察知して見回りをしていたそうだ。そんな中で僕はあることが気になってあることを聞いてみた。

「もし、侵入したものを見つけたらどうするんですか?」

そうすると彼女は不思議そうな顔をしながら

「そうね…理由を聞いたうえで考えるけどしょうもない理由だったらお仕置きしてからこの世界からつまみ出すわね。でもなんでそんなこと聞いたの?」

「いいえ、気になっただけです」

そう答えておいた。これ以上話しているとボロを出してしまいそうだったから。

「まあ、いいわ。それよりもちょっといいかしら。」

そういって僕の頭に触れて考え込んでしまった。

「なるほどね。いいわ楽しみなさい。あなたなら少々のことなら大丈夫だわ」

そう言い残して彼女はどこかへ消えてしまった。僕は何のことかわからず何も言い返せなかった。それにしても霊夢はなかなか帰ってこない。あんなにちょちょいと調節したのに直すのにはこんなに時間がかかるのか不思議に思ったが気長に待つことにした。

あんなに、気軽に幻想郷にしてしまったけど大丈夫だったのか、これから大丈夫かなんて考えながら待つのであった・・・

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