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光の庭  作者: 久世 かやの
「〜序章〜 」
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「〜序章〜 」 1

一年中、枯れる事のない樹々の緑がまぶしい中庭に、桜の木が混ざって咲いている…


満開の桜の花びらが風に乗って、ヒラヒラと一組の男女の上を舞っていた。



「つ…疲れた〜頭パンクしそう〜」


中庭に設置されたベンチの背もたれにもたれながら、女が空を仰いだ。今日は晴天だ…


「…根をつめると、死にそうになるよね」


男は目の辺りをもみほぐしながら、庭の中央に作られた噴水の水しぶきを、まぶしそうに見つめた。


噴水の周りには音もなく蝶々が飛んでいて、水しぶきの音だけが中庭に響いている…


この静かな庭は『光の庭』と呼ばれ、図書館を利用する人々の憩いの場所になっていた。


作業を一段落終え、休憩するために中庭に訪れた二人は、しばらく黙って思い思いの風景を楽しんでいた。


決して急ぐ仕事ではない…


この図書館は、いつものんびりとした時間が流れていた。


ドーナツ型をした円形の図書館は、古城を思わせるようなレンガ造りで、窓一つ取ってもオシャレなデザインをしており内装は言うまでもなく洗練され、利用者が使いやすく、かつ、くつろぐためのソファーや、イスやテーブルは最高級の物が置かれていた。


最大の特徴は図書館の中央に森のような中庭があり、その広さはハンパなく大きく当然、図書館の広さも並でない事が想像出来る…

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