【プロローグ】勘違い男の独白
どうも皆さん初めまして。もしくはお久しぶりです。
作者のG-3Xです。
現在書いている二次創作の息抜きに書いているので、かなりの不定期更新となると思いますが、楽しんでいただけたら幸いです。
それでは緩々と連載開始致します。
二つ年上の姉曰く、俺は勘違いされやすいらしい。
俺自身はそんな事無い、普通の高校二年生の一男子生徒だと思うのだが、それを言うと姉は、まるでお笑い番組を見ながら笑いまくる、お隣のおばさん並に盛大に笑い転げる。
華の女子大生としてその姿はどうかと思うが、家族として贔屓目に見ても美人の部類に入る姉に、彼氏の一人も居ない時点で、既に手遅れなのかもしれない。
姉の悲しい青春の末路は、この物語には一切関係無いので、話を戻すが、まず第一に俺は口数が極端に少ないらしいのだ。
確かに俺は口下手だと自分でも思うが、全く喋らない訳では無いし、姉が言う様な極端という言葉は当てはまらないと思うのだが……
第二に重度のポーカーフェイスで、何を考えているのか、姉でも全く分からない時があるそうなのだが、それはあまりに失礼では無いだろうか?
自分で言うのもなんだが、俺は結構感情が顔に出てしまう方だと自負している。
幼稚園からの幼馴染でもある、向かいに住んでいる友人の田中君もこう言っているのだ。
『お前の表情はある意味……分かりやすい奴だよな』と!
何故か苦笑いしながらだったのが、少し気になるが、一応は顔を見ただけで理解してくれる友が居るのだから、姉の言う様なポーカーフェイスでは無いと、俺は自身を持って新宿のスクランブル交差点で、声を大にして叫びたい!
……まあ、実際にやったら恥ずかしいし、周りの迷惑になるので、本当にやる事はまず無いのは、言わなくても分かってもらえると思うので、俺はあえて何も言わない事にしておこう。
つまり姉が言うには、俺は極度な口下手と、ポーカーフェイスが相まって、他人からとんでもない勘違いを引き起こす、トラブル製造機なのだそうな……
はっきり言って、笑えない冗談である。
俺はその辺に居る様な、ちょっと口数が少なめなシャイボーイなだけで、姉が言う程の困ったちゃんでは決して無い!
その話を後日、友人の田中君に話すと、苦笑いで『そんな事を今更、話してたんだ……』と言っていた。
きっと田中君も、姉の大げさな言い方に、若干引いたのだろう。
もしかしたら、そういった部分も彼氏が出来ない事に、何かしら関係しているのかも知れない。
そんな痛い姉を持ちながらも、毎日を健気に生きるシャイボーイな俺、岸本雄一に図らずも大きな転機が訪れる。
それはゴールデンウィークを控えた、四月の下旬。
いつもの様に田中君と登校して、下駄箱を開けた瞬間に、それは始まったのかもしれない。
取り敢えず出来ているだけ、連続更新しようと思います。