The Weight of Responsibility
「そういやぁ ラスティはグレッグの娘なのか? 仲間って言うには、やや距離が近いように見える。」
「え? 違うよ。私は孤児でグレッグやミアに拾われたんだ。孤児が生きてくなら強くならなきゃいけないって色々教え込まれてそのまま傭兵団の仲間入りって感じ。」
そんなラスティの言葉に棗は、ピクリと眉を動かす。
「ああ、そうか。道理でアタシはてめぇらとウマが合うわけだ。ラスティにとってグレッグはアタシにとってのボブみてぇなもんか。」
: お?また棗が黄昏れ始めとる。
: コイツ地球への未練無いとは思ってたがボブのことだけは気になるんだな。
: そういえばボブはこの配信とか見てないのか?
: チャンネル知ってるはずだぞ。
「別に未練てほどじゃぁねぇ。アタシにとってボブは父親オヤジみてぇなもんだからな。アタシと華音とマコの花嫁姿は披露したかったぜ。」
: お?流石の棗もウェディングドレスには憧れるのか?
「そりゃ、憧れるだろ? 純白の衣装を纏った華音とマコをヒィヒィ言わせてぇ。」
あまりのゲスな言い回しにリスナーはやはりコイツはダメだと、コメントをしていく。
: その憧れってエロオヤジの憧れのシチュエーションって意味の憧れじゃねぇかよ。
: もっとこう女らしい憧れないのか?
「ああ? てめぇら、女だからって全員がお花畑な願望持ってるとでも思ってんのか? アタシの願望や憧れはレズハーレムで爛れた性生活をしながら銃をぶっぱなして脳汁キメるってくらいだよ。」
: マコちゃんや華音ちゃん、コイツの何処が良いんだよ……。
: 汐路にシュウジと日本で結婚しても幸せになれなかったとか言ってたが、マコちゃんや華音ちゃんがコイツといて幸せになれる未来が想像できない。
「そりゃそーだろ?アタシもマコも華音も一般的な幸せってのは求めてねぇからな。っと、くだらねぇ話ししてたらお迎えがきたみてぇだぜ?」
そう言い棗は、ラスティの後方を指さすとグレッグとその仲間がコチラに向かって歩いてくるのが見えた。
「あ、ヤバっ。 サボってるのバレちゃった。」
「まずったね。棗の食事のウマさに時間を忘れていた。」
「ははっ、良いじゃねぇか。アタシが誘ったんだ。断れなかったとでも言っとけ。」
棗はテーブルに肘をつき、肩をゆるく揺らしながら笑った。その表情には、やや挑発的な光が混ざっている。
「姿を見ないと思ったら、こんなところでサボってたのか。仕方ない奴らだな。」
グレッグは肩をすくめ、ミアとラスティに目配せする。二人は少し照れたように笑い、棗の側に身を寄せた。
「まぁ、そういうな。アタシの訓練の手伝いや、ちょっと村の状況を聞きたくて呼び止めたんだ。」
「いや、別に責めてるわけじゃない。それに、ちょうど良かったってのもある。」
「…あん? なんかまた厄介ごとか? まぁ、なんだ。そこで突っ立っててもなんだし、席につけよ。」
棗の指先が軽く示した方向に、グレッグと仲間の槍の男、片手剣と盾の男が腰を落として座る。木製の椅子がきしみ、槍の男は背もたれに背を預けながらも手元の武器をちらりと確認した。
「東に向かって開拓してるのは知ってるだろ? 開拓の下見をしたところ、他の傭兵が大規模なゴブリンの集落を見つけた。
その大きさから、かなりの数のゴブリンがいると思われる。ゴブリン自体はそう強くないが、厄介なのは数で攻めてくることと、オークやコボルトと共生関係にあることだ。」
棗は軽く眉を上げ、椅子に肘をついたまま頷く。
「ふーん、そら大変だな。ひょっとしてアレか、アタシらに手伝えって事か?」
「そうなる。今、この開拓村には俺たち5人と、もう一組の傭兵チーム3名。あとは騎士が10人足らずだ。
村の守りを考えたら、戦力が心もとないだろ?」
棗は短く息を吐き、肩をすくめた。
「なるほどな。アタシらが村に残るってのもあるが、微妙にビビられてっからなぁ。それにアタシらは線をひいちまってる。本当に村を守ってくれるか、不安にもなるか。」
「それもあるが、問題はオークが居た場合だ。ありゃなかなか手ごわくてな。もう一組チームはまだ若く経験も足りない。2,3匹のオークなら俺たちだけで何とかなるが、それ以上となると魔術師がミアしかいない現状、かなり困難な状況になる。」
グレッグの言葉に既にオークと戦いそのタフネスを実感している棗は納得をする。
華音の5.56mmでは火力が不足し苦戦を強いたられた経験がある。
そんなヒグマのようなモンスターを前時代的な剣や槍などといった近接武器で戦うのは至難の業だろう。
「ちっ しゃあねぇな。アタシらもこうして村に拠点を置かせてもらってる立場だ協力はするぜ?
だがなあくまでも協力だ。アタシらを主力に戦うなんて考えはするな。アタシは常にマコや華音の身の安全を重視する。こっからはグレッグ、お前じゃなくエリオナの配下のジジィとの契約話になる、あとそうだなあの哲平という小物も役に立ってもらうか。ラスティ悪いが二人を呼んできてくれねぇか?」
棗に促されラスティは了解と言わんばかり駆け出して行った。
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