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Black Forest Down

金属の擦れ合う音が一定のリズムを刻んでいた。


 7.62mmの練習用のFMJ(フルメタルジャケット)を1マガジン20発、それが胸のポーチに3つ。更にTAC ULTRAの10mmオートのマガジンが3つ。

 M1Aを両手で抱え腰にはTAC ULTRA背中には1Dayのバックパックといったフル装備の棗。

 華音もプレートキャリアに5.56mmのマガジンと腰には9mmのマガジンを3つずつ取り付け棗程の重量ではないがかなりの重装備だ。


 二人に比べやや体力の劣るマコはハンターの使うショートショットガン用のショルダーバッグにHenry H18 Axeを、手にはH6 Mare's Leg Pistolをもち二人のやや後方を息を荒らげ走っている。


 「ね、ねぇ……。 軍人じゃないんだから……もうすこし緩くってもいいんじゃない?」


 棗達が重いタクティカルブーツで走っている中、一人ミリタリーラインのトレランシューズでよくいるジョガーのような格好の汐路が声をかける。


 「はぁっはぁっ。確かに…… 軍人じゃねぇが……。モンスターの居る世界だ。命がかかってるって点では同じだぜ?

 汐路が……、自分の命を助けてくれるかわからねぇ赤の他人に命を預けるってんなら……それでもいいぜ? だがアタシは、自分の命と嫁の命を他人に預けたくはねぇ。」


 華音はおおよそ10kg、棗はおおよそ15kgの重量物を所持した状態だ。

 体力がなくとも身軽な汐路や比較的軽装のマコよりも、汗を大量に流し息も荒くなっていた。

 哲平の怪力という能力で通常の倍以上の速度で開拓が進んでいるとはいえ、そこまで人口も多くなく小さな開拓村だ。

 走り込みをする4人の姿はだれもが目にしている。


 そんななかラスティが駆け寄り走り込みに紛れこんできた。


 「武器の凄さ便りかと思ったら、基礎もちゃんと行うんだね。」


 「お?ラスティか……。当たり前だろ?いざって時に体力切れとか話にならねぇ。フル装備で常にトレーニングしてなきゃ意味ねぇだろ?」


 「だよねぇ。それにしてもすごく重そう。」


 軽快に走るラスティは斥候役ということもありかなり身軽だ。

 音を立てるような金属装備はほとんど所持していない。

 ショートソードに投げナイフ数本、短い矢と粗末な短弓といった程度だ。


 「重いが……グレッグみてぇに両手剣や革製の鎧や金属製の小手なんてわけじゃあねぇから軽い部類に入るだろ。

 アタシらがあんな重量装備してたら直ぐにダウンしちまう。」


 「まぁね。 ところで他の転移者……名前なんだったかなぁ。確かシュウジとかいう人がいなくなったんだって。」


 ラスティの何気ない一言に汐路のペースが乱れる。


 「ふーん。大方、昨日エリオナに相手にされなくて、無謀にも追いかけてったとかだろ? 今頃モンスターの糞にでもなってんじゃぁねぇのか?」


 「だよねえ。 いなくなるのも死ぬのも勝手にして欲しいけど、モンスターを引き連れて逃げかえってくるのは勘弁してほしいなぁ。」


 棗の身も蓋もない返答にラスティは同意する。


 「ん? ラスティ。森の方。奥に行ってるやつはいるか?」


 「え? いないと思うよ。木も伐採してないし。」


 「はぁ、ってことはまた素敵なお友達が腹を空かしてきたみてぇだぜ。」


 棗は軽く言うが、ラスティとって大ごとだった。


 「え?ほんと? なんで分かるの?私でもわからないのに。」


 周囲の警戒をしてるわけでもない走り込みの中目視も出来ず、聞き耳を立ててるわけでもないのに、なぜわかったのか気のせいではないのかと棗に聞く。


 「コイツだよ。」


 棗は指先でコンコンと電子イヤーマフを突く。


 「あたしのOps-core AMPは世界中の特殊部隊が採用するモデルだ。ただのイヤーマフじゃねぇ。集音性能に優れててな、3Dオーディオ技術で方角から距離までわかるぜ。」

 

 「何そのマジックアイテム。良いなぁ。」


 「魔法じゃぁねんだがな。 で、ラスティは斥候だが戦えるのか?」


 「戦えるけど正直棗達と連携できるとは思えないかな。 私に出来ることはグレッグ達に知らせに走るくらいだよ。」


 「そうか。コッチはアタシが始末しておくがモンスターの死体の処理はアタシらはしたくねぇし魔石を取るための解体も無理だ。グレッグたちを呼んでその辺はソッチでやってくれ。」


 「わかった。棗なら大丈夫だとは思うけど気を付けてね。」


 そういいラスティは村の中心へと走っていく。


 「さてと、そろそろ腹を空かしたファッキンゴブリン共が来るぜ。幸いFMJだ、弾薬代を気にせずぶっ放せ。汐路は両耳塞いでよく見ておきな。ここは日本じゃぁねぇ。気を抜いたら死ぬそんな異世界だってことをな。」


 そういった側から、草木をかき分け粗末な棍棒などを持ったゴブリンの群れが現れた。


 「ははっ マイ・ラブリー・キトゥン共ハッピータイムだ。」


 「ラジャーだよなっちゃん。」


 「おっ、おっけーだよ。なっちゃん。」


 マコがH6を心地よい装填音を響かせると同時に、既に頬をストックに当て、等倍に合わせたスコープを覗き込んでいた華音が、いつものように腹部と胸部に向け5タップを行なう。


 「さてと、7.62mmゴブリンにゃぁ勿体ねえが・・・・・・せっかくのパーティだ。」


 そう言い古めかしくもまだ真新しい、使い込んでいない木製ストックに頬を当てるとレシーバー下部についたセーフティーを解除させた。


 ひときわ大きな銃声が空気を震わせ、147Gr(グレイン)(10g)の魔弾を放つ。小学生程度の矮躯のゴブリンの胸を容易く打ち抜いていく。


 華音が警戒に5.56mmを速射するのに対し棗は一定の間隔で7.62mmを撃ち、マコはそれよりもゆったりとした感覚でH6の.357マグナムを放つ。

 棗が指示を出さずとも棗を中心に右に華音左にマコといういつもの陣形、ターゲットが被り無駄弾を使わないようマコは左の端から、華音は右の端から撃ち中央では棗が処理をしていく。


 その様子はまさしく処理という言葉が似合う、動くマン・ターゲットへのシューティングだった。


 「クリア」


 三人がまるで点呼をするかのように、制圧した事を口にする。


 「マコは汐路と薬莢の回収。華音は警戒。アタシは残党がいねぇか近寄ってみる。」


 棗は倒れたゴブリンがまだ生きているか確認をしながら森の方へ進み電子イヤーマフの拾う範囲を前方へと広げていく。


 「あん? シルバーアクセ?」


 一際体格のいいこの群れのボスであるホブゴブリンがシルバーアクセサリーを握りしめていることに気が付く。


 「この世界にも銀細工ぐらいはあるか。」


 誰かの遺留品なのだろう。ひょっとしたら日本から来た転移者、それこそ居なくなったシュウジのものかもしれない。

 棗はそれを拾い上げる。


 「こりゃ 間違いなく地球のもんだろうな。」


 棗は自分ではオシャレだと思っているが、日本人の感覚からすれば実用性重視の格好であり、オシャレでもなんでもない。

 タトゥーを入れていたりはしているが、アクセサリーは射撃の邪魔になるためつけないし興味を持たなかった。


 「なんつったっけなぁこれ。有名なブランドのもんだった気がするが・・・・・・。」


 撃ち漏らしたゴブリンがいる様子もないため華音達の元へと戻っていく。


 「華音、コレみろよ。ゴブリンがシルバーアクセ持ってたぜ? なんつったか有名なやつだろ?」


 「あー クロムハーツだね。」


 二人の会話にピクリと汐路の肩が震え、おそるおそる二人へと血の気のひいた顔を向ける。


 「そ、それ。 多分シュウジの・・・・・・。アイツ、クロムハーツ自慢してたから・・・・・・。」


 汐路の言葉に棗は僅かに顔を歪ませる。


 「汐路。コレはアイツの無謀な選択の結果だ。てめぇが責任を感じる必要も心を傷ませる必要もねぇ。 だがな。アタシらは常に選択を迫られてる。引くか戦うか。立ち止まるか進むか。 悩んでたら次にこうなるのは汐路、てめぇだぜ?」


 棗はその後やってきたグレッグ達にシュウジのアクセを発見したことをつげるが死体を発見したわけではなく生死不明の行方不明だと伝えたが誰もがその死を理解した。

仕事がしばらく忙しいので更新頻度が下がります。


最期までお読みいただきありがとうございます。

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正直な感想や好きな銃や出演させてほしい銃などで構いません。


また、ブックマークもしていただけると嬉ションしながら1911を握りしめます。


どうぞよろしくお願いします




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