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Misread Intent

 盛り土のバックストップなども作っていない作りかけのレンジで、まばらに生える伐採されてない巨木の前にペーパーターゲットを設置した棗は

汐路用に購入したTRR8を手にカメラの前に立った。


 「新規購入した銃だがまずはピストルからだな。汐路はまだ実銃は早いから汐路用のTRR8はアタシがレビューする。

 こいつはSWATなどの突入部隊がバリスティックシールドを持ったまま使う為のリボルバー銃だ。

 .357マグナムっていうストッピングパワーの王様と呼ばれる弾薬を8発装填できる。つまりは再装填さえ考えなきゃ8+1の1911モデルとそう大差ないってことだ。

 上下にレイルを搭載しオプティックやライトなどのアクセサリーを搭載できる現代のタクティカルなリボルバーだ。

ちなみにライトはまだつけていないが汐路に持たせることを考えてHolosun DRS-THをつけてある。

知ってるやつもいるだろうがサーモ付きのオプティックでかなり金額的にもお手軽だ。とはいえオプティックとしては大型だしアタシが愛用しているサファリランドのホルスターには収まらなかったりすぐがな。 ま、汐路が常に銃をキャリーして歩くことなんざ無いだろうし、したとしてもオフボディ・キャリーだろうな。」


 シリンダーをオープンさせ一発、また一発と弾を込めていく。


 「マコのmodel3もそうだが、こうやって一発ずつシリンダーに弾をこめるっつーのは良いもんだな。 まぁアタシだったらムーンクリップを使ってまうがな。」


 そういい銃口をターゲットに向けハンマーを親指でコックした。


 「当たり前だがシングルアクションで撃った方が命中率は良い。特に初弾は余裕があるならシングルアクションで撃つべきだ。」


 8連射を行った棗は静かにトリガーから指を離し銃口を下に向けた。


 「こいつは良い銃だな。8発と1911と遜色ねぇし、.357マグナムだから威力も申し分ない。オプティックものせれる。欠点をあげるならNフレームだけあってでけぇって事だけだ。ああ、そうだ。汐路もこれは覚えとけかなり大事なことだ。

 リボルバーはシリンダーとバレルの間にシリンダーギャップっていう隙間がある。

発砲時ここから高温高圧の燃焼ガスが漏れて噴出してる。指や手がかぶってりゃぁ肉は裂け大けがだぞ。」


 そういいシリンダーから空の薬莢を落とし、一発だけ銃弾を込めるとシリンダーギャップに安物の軍手を一つ購入し被せてから発砲した。

 発砲の瞬間軍手が吹き飛び、高温高圧の燃焼ガスで一瞬にしてぼろきれの様な状態に変わった。


 「御覧の通りだ。アタシらの配信の影響で海外のレンジ……そうだな近場だとグァムとか韓国に行くやつも出るかもしんねぇ。

 リボルバーを撃つなら気を付けろ。あと、初心者だって伝えていきなりマガジンにフルに銃弾を込めて渡すようなレンジはやめろ。

 リコイル制御もわからねぇ状態でセミをフルマガジンで撃つなんざ危なくてしょうがねぇ。どっかの日本人配信者がフルマガジンの9ミリを初めて撃った時、銃口がリコイルで自分のドタマ向いてたぜ? トリガー引いちまってたらセルフヘッドショットだ。」


 :あ、それ見たことあるわ。ヒヤヒヤしたわ。


 「ま、アタシらのチャンネルでリスナー同士で会話すんななんて言わねぇ、銃に興味出た奴は古参リスナーに教えてもらえ。レンジに行く気ならなおさらだ。テキサスにいけるんならボブのレンジに行って金をたくさん落としていけ。アーカイブにボブの店は出てるからよ。」


 :実は半年前ボブのレンジに行ったわ。

 :ワイも一緒に行ったわ。棗のスキルの高さ実感したな。


 「お、アタシらの過去の配信のあといったやつ居んのか? サンキューな。」


 「なっちゃん、なっちゃん 次は私、私が撃つよ。」


 華音がにこやかにそう告げる。


 「P365だけにしとけよ?まだレンジは未完成だ。スコープ付けたDDM4を使うほどの距離じゃねぇ。」


 「わかってるって10メートルでスコープのゼロイン合わせないよ。」


 華音はアイアンサイトすらないDDM4V7でA点に当てられずともペーパーターゲットに命中させるという腕前に注目されがちだが、華音はバランスの良さだと棗は考えている。

 オン・ザ・ムーブ(動いて撃つ)の動的な射撃を得意とする棗、ゆっくりと狙い確実に当てる静的な射撃のマコ。

 その両方を高い水準でこなせるのが華音だった。

 もちろんそれは素人の中ではであり、本職の軍人や名のある競技者と比べたらそれほどでもないのだが。


 華音が射撃をはじめようとするとマコが声をあげた。


 「なっちゃん、あれ。 またほかのキャンパーかな?」


 指をさす方向には森から日本人らしき男が一人フラフラと現れた。

 

 見るも無残なボロボロの服に薄汚れた男をみた汐路は驚きの声をあげた。


 「う……嘘!? シュウジ!?」


 「あん?知ってるやつか?」


 「ほら……。前、言った逃げた彼氏……。」

 

 「ああ。下種野郎か。」


 棗はどうする?とTRR8を汐路の前で振るが、汐路は呆れたようにため息を吐き首を振った。


 「言ったでしょ。恨んではいるけど死んでほしいとか殺したいなんて思ってないよ。」


 棗と汐路が話していると男は汐路に気が付いたのか、棗達に向かい駆けだしてきた。


 「汐路! 生きてたんだな。」


 男が汐路の肩に手を伸ばすが、その手は棗の持つM1Aのストックにより払いのけられた。


 「いたっ!? 何すんだよ。」


 「いや、何するってそっちこそ何の真似だ? アタシの身内に気安く触るんじゃぁねぇよ。」


 「身内? いや、それを言うなら汐路は俺の恋人だぞ!?」


 男の言葉に棗は肩をすくめ、汐路に「だとよ。」と声をかけた。


 「ゴメン。無理だわ。 突き飛ばして逃げたしもう信じられないもん。」


 「い、いや ほら。あの時はいきなりモンスターに襲われたしパニック状態だったから……。」


 「そういう時だからこそ本性が出たんだろ。クズ野郎。」


 棗は容赦なく切り捨てる。


 「は? さっきからなんなの?横からごちゃごちゃと。」


 「いや、横からアタシらのハッピータイム邪魔してんのお前なんだがな。見てわかんねぇのか?アタシは今お預けになってた新装備のレビューを配信してんだよ。」


 「新装備? 配信?」


 「説明してやる義理はねぇな。ま、てめぇは汐路を見捨てて逃げた。アタシらはそんな汐路を保護し仲間として受け入れた。

 そして汐路はお前をもう信用してねぇし受け入れない。これ以上話すことあるか?」


 : そういえばバーガー食ってコーラ飲むんじゃなかった?

 : あ、そういえばそんなこと言ってたな。


 「お、そうだった、そうだった。せっかくてめぇらかコーク代貰ったんだしな。だが今バーガー食ったら小食の汐路はマコの作る絶品晩御飯が食えなくなる可能性もある。コーラとチップスにするか。」


 そう言い棗はコーラとチップスを能力で購入し汐路にコーラを手渡した。


 「は? コーラ? なんで……。」


 「そりゃアタシの能力が通販だからだな。」


 棗はマコや華音にもコーラとチップスを渡すと冷えていないコーラを開け一気に飲み干し下品なげっぷを吐き出した。


 「ぬるいが久しぶりに飲むコークってのは良いな。」


 「棗……あんた見た目は良いんだからげっぷは無いんじゃない?」


 「な、なぁ。俺も仲間に入れてくれよ。きっと役に立つ。能力だって……。」

 

 この世界にきてまともに食事もしていない男は汐路の手に持つコーラとポテトチップスの袋に目が釘付けになる。


 「ああ、汐路から聞いてるぜてめぇの能力はよ。幻を作る能力だろ?」


 「俺の能力をばらしたのか!?」


 「ばらした…ねぇ。てめぇらは協力するために能力の共有をしてたんだろ?ただよ……アタシはこの世界にきて能力についてずっと考えてた。

 アタシは当初能力がランダムで付与されているとおもっていたんだ。

 あくまでもアタシの考察だから、真実とは限らねぇがアタシはそうだと確信している。」


 そういって棗はポケットから煙草を取り出し咥えた。


 「まず、能力にはやれることの幅に違いがありすぎる。これはマコの予想だったがキャンプに来ていたグループごとに能力の最大値が決まっていてお互いに協力することを前提に付与されているって説だ。

 一グループそうだな100というポイントがあってアタシらは3人でキャンプに来ていたから一人頭33程度の強さの能力を貰い、仮に5人のグループなら一人頭20ポイント程度の能力って具合だ。で、そいつらが協力し合うのが前提。

 このグループ最大値と人数割りってのはアタシはかなり信ぴょう性があると思っている。

 そしてもう一つ、能力はソイツの本質や過去、経験からきているんじゃぁねぇかってアタシは考えている。

 アタシは『銃』やそれを運用するために必要な機材を手に入れられる通販、これはアタシが過去退役軍人に育てられ銃に魅せられた人生を歩んで来たからだろうし汐路のフリマもハンドクラフトをしフリマで販売していたからだろうな。 じゃぁてめぇの能力『幻』は何だと思う?」


 棗は煙草を勢いよく吸い煙を吐き出した。


 「アタシらの能力は、その人間の『執着』や『本質』が形になったもんだ。

  アタシは銃を、華音は居場所を、マコはアタシらの繋がりを、汐路は自分の手で作る価値を求めた。 だが、てめぇの能力は『中身のない虚像』だ。 日本にいた頃からそうだったんだろ? 立派な皮を被って、中身は空っぽ。 虚勢を張って、虚栄に縋って、いざとなったら汐路を突き飛ばして逃げる。 女神様は粋なことをするじゃねぇか。てめぇの『空っぽな人生』に、相応しい力を与えてくれたんだからよ」

 

 棗の推測をきいた汐路は驚き目を見開いた。


 「何それ……。」


 「アタシはコイツの事を知らねぇし、わざわざ調べる気もねぇ。だが汐路はどこか引っかかるところあるんじゃぁねぇか?

コイツはそういう小物だよ。こんなのと日本で結婚してても幸せにゃぁなれなかっただろうな。」


 汐路のもつコーラの缶が強く握りしめられる。


 「そ、そんなのお前が勝手に推測してるだけだろ?汐路はわかるよな?」


 だが汐路はもうシュウジの顔すら見ていなかった。


 「まぁな。だがアタシの勘ってのはよく当たるって言われてんだ。そんでもってあんまりしつこくしねぇほうが良い。

さっき言ったろ?配信中だってな。長いことアタシらの前に居たらこの配信をみてる日本の奴らに特定されて証拠を突き付けられて恥をかく羽目になる。

ま、幸いこの開拓村にゃぁ他にも生き延びた奴らが来た。小物同士仲良くしてアタシらにかかわらないよう生きていけ。

 じゃないと死ぬぞ?」

 

 そういい棗は煙草を吐き捨て、M1Aを肩に担いだままホルスターからTAC ULTRAを抜いて見せた。

 棗をよく知るものなら銃を片手で構えているその姿はただの脅しであり本気はないことは明白だが男は悲鳴を上げ走り去っていった。

TRR8 タクティカル・レイル・リボルバー 装填数8発からTRR8と名付けられたリード・ペネトレーター(盾を持って先頭を切って突入する人)用に特化しリボルバー


バリスティックシールド 防弾盾の事


Nフレーム スミス&ウェッソンのリボルバーは大きさによってフレームに名前が付いています

ラージサイズのフレームがNフレームとなります。


オフボディ・キャリー ベルトなどで身に着けずバッグ等に入れてキャリーすること。 NフレームのTRR8でやることじゃないですね。アメリカではよく女性が短銃身の小型の銃をオフボディ・キャリーしています


ちょっと今回は棗がかっこよくてクズっぷりが少ない回

そして代わりのクズ役が登場。

最後までお読みいただきありがとうございます。



『面白かった』『続きが読みたい』と思っていただけましたら、作品への応援お願いいたします!


正直な感想や好きな銃や出演させてほしい銃などで構いません。



私はサバゲーマーでもFPSゲーマーでもないただの銃が好きなだけのおじさんなので偶に間違えた記述もあるからもしれません。そういった場合は報告していただければ幸いです。


また、ブックマークもしていただけると嬉ションしながら1911を握りしめます。



どうぞよろしくお願いします

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