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トリガーハッピーは異世界でいきる  作者: stupidog
Watching the Line They Crossed
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“Lines You Do Not Cross”

 「まぁ 汐路。そう深刻に考えるな。仮にやべぇもんだったとしてもだ。アタシらがマーケットに流す量なんざ知れてる。

 地球に存在しねぇモンだ。研究するにも量が足りねぇだろ。そりゃ植物の種子だの生きたモンスターだのをマーケットに出したら拙いだろうな。」


 「そういうもの?」


 「ああ、そういうもんだ。そんなことよりラスティが会話に入ってこれてねぇよ。」


 まだ納得のいってない様子の汐路に顔を向けそう言い放ち、再びラスティに顔を向けた。


 「そう、とりあえず何らかの援助は貰えるってことでいいかな?」


 「ああ 無償じゃぁねぇがな。てかなんでそんなことをラスティが言いに来たんだ? こういうことはもっとこうこの村の責任者みたいなのが来るもんじゃぁねぇのか?」


 雇われのそれもモンスターへの対応要員であるグレッグの仲間で、それも斥候という役目をもつラスティが来たことに棗は疑問を感じた。


 「う、うん。それなんだけどさ。 私たちは棗達と会話もしたことあるから良いんだけど。

やっぱりオークの戦闘みちゃってると怖いってのもある。もちろんこの開拓村で一番偉い人はそんなこと思わないんだろうけど、忙しくて手が回らないって感じでね。今のところ私達が棗達との交渉役ってことになってる。」


 「ふーん。まぁアタシとしては見合う条件さえだしてくれれば構わない。アタシらの武器は売らねぇがな。」


 「そっかー。売ってもらえるなら売ってほしかったんだけどね。」


 「アタシたちの武器【銃】は意外とデリケートな武器でな。扱いも慎重にならなきゃなんねぇ。 同じ世界から来てるがコッチの平和ボケした汐路は使えねぇ。【銃】がどんなものなのか知ってるこいつがだぜ? それに色々と制限があってな。アタシの提供するメンテ用品がなきゃあっという間に鉄くずだ。」


 少々オーバーに説明はしたがガンオイルに洗浄用の溶剤 さらには分解整備用の工具 銃弾は消耗品でありこの世界で運用するには棗の通販能力が必須だった。


 「ま、この世界でも運用できそうなもんてのはある。そいつをこの世界で作れるようになるには……この世界がどの程度の文明か、まだわからねぇが200年は必要だろうな。

 先に言うがアタシたちを利用しようとするなよ?対等のビジネスパートナー程度なら良いし、持ちつ持たれつの関係だ食料程度なら多少の援助もする。

 だが利用しようとするなら権力者だろうがアタシは殺すぜ? ラスティ、覚えとけアタシたちはこの世界よりもだいぶ進んだ世界から来ている。

 アタシたちの持つ武器【銃】は世界中の兵士が持っているもんだが……あくまで個人用の装備だ。

こいつがおもちゃに見えるようなもんがゴロゴロ転がってる世界から来ているんだ。

 想像してみろ。海を挟んだ見たことない遠い大陸の国から村を一撃で燃やし尽くす武器を。 鳥の何倍も速い速度で空を飛び街を移動する交通手段がある世界を。

 そんな世界のロジックとドクトリンでアタシは動く。戦術も戦略もこの世界より万倍も洗練されてるぜ。」


 棗の言葉と迫力にラスティはごくりと唾を飲み込んだ。


 「ちょっと棗、何言ってるの? 脅してどうするのよ。」


 「汐路、寝ぼけたこといってんじゃぁねぇぞ。 いまだ中世で生きてる異世界人だぞ?地球の中世がどんなもんだったかスクールでならっただろ? ブルーブラッドなんざ糞くらえだ。 アタシの"Semper Fi"は、ボブの愛したステイツにだ。この世界のどの国でも日本にでもねぇ。」


  ”常に忠誠を”を意味する海兵隊のモットーでありボブの左腕に掘られたタトゥー、棗もその言葉を自身の身体に彫り込んではいる。

 左腕に絡みつく茨に埋もれて隠れてはいるが、確かにそこに刻み込まれていた。


 「わかったよ。棗達を利用なんて考えないほうが良いって伝えておくよ。」


 去ろうとするラスティに棗は待てと声をかけテーブルに置かれたケサディーヤを一つ取り手渡す。


 「ま、こんなハズレ任務をしたんだ。こんくらいの褒美があっても良いだろ。」


 「あ、ありがとう。 言うほど人の心が無いわけでもないんじゃない?」


 「言ったろ?アタシはただ感情よりロジックで動こうとしてるだけだ。感情が欠落してるわけでもねぇよ。

 アタシが感情的になるとしたら華音とマコ、この二人に⋯⋯アタシの嫁に手を出したときだけだ。」


 ラスティが去り棗はしわを寄せていた眉間をへにょりとさせ華音に抱きつき脇に顔を埋める。


 「くっさぁ。

  さっきっからドスケベなエロい匂いさせやがってムラムラしちまうだろ。」


 「まっまたぁ!? もう、夏場はすぐこうやって脇の匂い嗅ぎに来るだから。ほら、汐路ちゃんがドン引きしてるからっ! こっ⋯⋯こら、マコちゃんも嗅ぎに来ないっ。」


 左から棗、右からマコに脇を嗅がれ華音は顔を赤くし始め、汐路はあまりの変態ぶりに隠すことなく顔を歪ませていた。


 「マコちゃん!? マコちゃんもソッチ系なの? 嘘でしょ?」


 「かっ⋯⋯華音ちゃんの脇の匂い⋯⋯。クセに⋯⋯なる。か⋯⋯嗅ぐと落ち着く。し、汐路ちゃんも⋯⋯嗅いでみる?」


 「嗅がないわよ⋯⋯。」


 「ほ、ほら。それよりもせっかく作ったチリコンカーンが冷めちゃうよ?お腹も空いたしご飯にしよ?ね? ソレに配信もして装備を整えなきゃならないし。」


 スンスンと脇を嗅がれている華音は頬を赤く染めモジモジと太ももを擦り合わせながらロジカルに動く棗の目を現実に向けさせようとした。


 「くっさぁ。やべぇ コイツはコーク(コカイン)よりキくぜ。ドラッグなんか手を出したことねぇがな。だが華音の言う通りやることは山積みだ。脇は夜まで取っておくか。」


 マコが冷めたチリコンカーンを温めなおし、昼食の用意をはじめ棗達はテーブルにつきそれを待っていた。


 「それにしてもせっかくの異世界なんだから私もアニメや漫画みたいなチート能力で英雄みたいになりたかったなぁ。」


 特に意味もなくつぶやいた汐路の言葉にピクリと棗は眉を動かし、不快感を露にする。


 「あ? 英雄だぁ? 汐路、英雄なんざ憧れるもんでもなるもんでもねぇ。

 英雄っつうのはな兵士がその命を賭して後世に語り継がれる行動をしたから後に英雄っていわれるんだ。

なろうとしてなるもんじゃぁねぇ。それに同じ行為をし同じ結果をだしても、生きて生還したら優秀な兵士だ。

死んで生還できなかった兵士が勇敢な英雄って言われんだよ。」


 「なっちゃん、し……汐路ちゃんも本気で英雄になりたい……なんて、考えてないから……。たっただ、最近は……そういうアニメが多いだけ……だから。」


 温めなおしたチリコンカーンを持ってきたマコが棗に声をかけ鎮める。


 「はっ ならなおさらだ。カートゥーンやコミックのように善と悪そう簡単に世の中割り切れるもんじゃぁねぇ。

世の中そんなわかりやすい悪なんざ、そうそうねえんだよ。」


 「うんうん、そうだね。 ほら美味しそうなチリコンカーンだよ早く食べよう。なっちゃんの好きなキドニービーンズとひよこ豆もたっぷり。」

ヘ、変態だー!!


唐突に落差をつけたかったので入れてしまいました。


というかケサディーヤ一つじゃ割に合わないよね狂人と話すのって

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