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第2話 港炎上、雷脈交差

日高見国の北港カナヤ。

出雲の小艦隊が突如来襲し、港湾防衛線が破られかける。

タケヒコはサクヤ、アマユキと共に、雷脈を駆使して迎撃に向かう——。

防波堤の向こう、冬空の下に黒い帆影が現れた。

出雲の軍船三隻。帆印は稲妻を裂く渦巻き紋——攻撃型雷脈兵装搭載艦。


桟橋で警鐘が鳴る。

日高見港の雷殿から、刻印を通じて青白い脈光が港全域に走った。

媒介核が起動し、防衛網が戦闘モードへ移行する。


「出雲がここまで……」

タケヒコは腕輪コアに触れ、感覚を研ぎ澄ます。

静電気のざわめきが骨まで沁み、脳裏に敵艦の雷脈波形が浮かんだ。


「第一列、雷撃系ストライク装填!」

指示を飛ばす声に、兵士たちが刻印槍を構える。


横でサクヤが舞うように杖を回し、足元に円弧を刻む。

南方式舞刻印——舞の軌跡そのものが電磁地形となり、港の波を制御し始める。

「揺れを止めて、狙いを安定させるわ。——合わせて」


「了解」

タケヒコは神経加速インパルス・ドライブを発動、時間が粘る感覚の中で敵艦の砲口を読む。


「ようやく出番だな!」

アマユキが大剣を肩に乗せて跳び上がり、桟橋の先端へ。

彼女の大剣には北方式雷脈刻印と隕鉄刃が組み合わされており、斬撃時に磁場共鳴が走る。

「副官、派手にいくぜ!」


出雲艦が雷撃砲を放つ。

稲光の奔流が港を舐める——が、タケヒコが電磁操作で雷磁障壁を起動。

桟橋のレール状刻印が蒼光を放ち、電撃を吸収・散らす。


「反撃開始——雷槍・二式ライランス・ニ!」

タケヒコの槍先から稲光が海面を這い、先頭艦の舵を焼き切った。

水柱が上がり、甲板の兵が叫ぶ。


「こっちも!」

サクヤが舞刻印から雷脈波を送り、第二艦の船底に逆位相波をぶつける。

船体の推進場が乱れ、速度が落ちる。


アマユキは高く跳び、雷脈を刃に集中。

「——雷斬らいざん!」

振り下ろした一撃で敵艦のマストが裂け、燃えながら崩れた。


背後から港娘たちの声が飛ぶ。

「タケヒコ様、かっこいい……」「あの女戦士もすごいけど、やっぱ副官様……」

アマユキが聞こえたらしく、ちらっと振り向き不満顔。

「副官ばっかモテやがって……!」


最後の艦が撤退の姿勢を見せる。

タケヒコとサクヤが視線を合わせ、雷脈を同調。

槍と杖の先端に刻印が走り、複合術式が形成される。


「——雷磁砲ライメク・カノン・短射!」

蒼白の閃光が轟き、退避する艦の艫を吹き飛ばした。

残骸と泡が海に沈む。


港は静寂を取り戻し、兵たちが歓声を上げる。

サクヤがタケヒコの腕輪コアを軽く弾き、微笑んだ。

「やっぱり……噂以上ね、日高見の若き軍才」

アマユキが口を尖らせる。

「次はあたしにもそう言わせろよ」


港の風が、戦いの熱を冷ますように吹き抜けた。

だがタケヒコの腕輪は、まだ二人の雷脈共鳴の温度を覚えていた。

今回は雷脈の装備と戦術を全面的に描きまし日高見国の北港カナヤ。

出雲の小艦隊が突如来襲し、港湾防衛線が破られかける。

タケヒコはサクヤ、アマユキと共に、雷脈を駆使して迎撃に向かう——。た。

北方式の直線稲妻刻印、南方式舞刻印、そして隕鉄刃の斬撃。

日高見・南方・個人技が融合する瞬間こそ、この物語の醍醐味です。

次回は戦後の政治会議と、裏で進む出雲の策略に迫ります。

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