22 答え
夏休みも、もう終盤。
少し前まで綺麗な緑の葉っぱも今では色が変わりはじめている。
楽しい時間はどうして早く感じるのか。
これは誰でも感じたことがあると思う。特に長期休みとなると、終盤につれて憂鬱感は日に日に増していくはずだ。
「あー学校爆発でもしないかなーー」
「何バカなこと言ってるの!ほら今日は夏祭りでしょ!準備したの?」
「まだ」
俺の夏休み最後の一大イベントは夏祭り。
もちろんあの女性達と。
最近は雫達と会ってなかったので少し嬉しい。けど、今日が終わると次に会えるのは始業式と悲しい気持ちもある。
まだ会いたくない。そう思ってはいるが時間は待ってくれない。
刻一刻と約束の時間が近づく……
「翔希!おきなさい!もう約束の時間だよ」
どうやら寝落ちしまっていたらしい。
眠たい目をこすりながらも準備は進める。
手を振って歩き出す。
神社に着くと絶世の美女が3人、浴衣姿で待っていた。
彼女たちが放つ圧倒的なオーラに周りの人も二度見。
全く俺は幸せ者なんだと実感する。
「来たね翔希!」
「久しぶりでしすぅ!」
「来たわね」
近づいてみるとますます輝いている。
なのに俺はチェックシャツにジーンズと悲しい服装だ。
お前らごめん。
心の中でついつい誤ってしまった。
「ねーここのオムライス美味しいよ!さすが専門店の屋台!」
「そうですね。どっかのオムライスとは随分と美味しそうですね」
うわー流石悪魔。ここに来てまでも煽るのか!しかも忘れかけた時に。
後なんで屋台オムライス?最近の屋台はバラエティーも豊富だね。
恋愛漫画でみた、唐揚げやわたあめとかだけじゃないの!
しばらく回っていると……みんなとはぐれた。
なぜかと言うとみんな、自分勝手にそれぞれが好きなことをしているからだ。
違う__恋愛漫画では人混みが多くてはぐれるパターンなのに、俺達はなんでこうなった……
花火の時間も近づいてきて、このままではぼっち花火。
なんとか一人でも探そうと走り出す。
俺って運悪いな。
こういうことに限って人混みが邪魔をする。
息を切らしながらも、もがき続けるが誰一人も見当たらない。
時間も迫る中諦めようとした瞬間、誰かに裾を引っ張られる。
人混みを逃れ、今度は誰もいない所に着いた。
俺をここまで連れて来た人物それは__雫。
「やっと見つけた!もう勝手にどこか行かないでよね」
それはこっちのセリフと言いたいが、空気を乱さないためにも堪えた。
一人見つかった。今は安心感で満たされる。
「他のやつは?」
「さぁどこかでいるんじゃない。でも翔希に会えて良かった」
「そうか……心配しないのだな」
花火が打ち上がる。
文化祭ぶりの花火はやはり綺麗。
見とれていると不意に顔をつかまれる。
「おい……花火始まってるぞ……なにしてんだ」
「しー。今度は私の番」
雫はそう言って、俺の唇を奪う。
十秒ぐらいだろうか。
初めてのキスは最高のシチュエーション。
「どう……だった?」
「良かった……」
気まずい雰囲気になる。
雫はほかの二人と違って、デリカシーがある方、
こういうことは流石に恥ずかしそう。
「これで終わり……」
「先から何言ってんだ?」
「それは後からわかるよ。今はもう帰ろう」
何を言っているのかはとても気になるが、忘れよう決心する。
花火が終わると、神社を埋め尽くすぐらいの人が減りだす。
そこでようやく始めに感じたオーラが見える。
「やっと見つけました」
「二人とも無事でよかったですぅ」
「心配かけて悪かったな。さぁ帰ろう」
こうして夏休み最後の一大イベント__夏祭りが閉幕する。
なんやかんだで楽しかった夏休み。
こいつらに感謝伝えないとな。
「お前らこの夏休みありがとう!おかげで物凄く楽しかった」
「それはこっちもだよ翔希!またこうして桃や姉ちゃんと遊べたりしたのも君のおかげだしこちらこそありがとう!」
「そうですね。こうしてみんなと遊ぶのは楽しかったです」
「ホントだよぉ!こちらこそありがとうございますぅ」
2年生になった時とは180度違う生活。
まさか学校一の美女と友達になったり、生徒会に入ったり、文化祭を仕切ったりするなど、だれが予想しただろう。
確かに振り回されてばかりで疲れ、鬱みたいにもなったけど皆が忘れさせてくれた。
特に………………………………
ようやく俺にも生きる意味を見つけられた。この夏休みで……
そして姉ちゃんが言ってた俺にしかない力も……
さぁ最後の宣言をしよう!




