21 お泊まり会2
月がのぼる。
昼ご飯を食べた後はぐーたらとしていたので、特になにもなかった。
無駄な時間かも知れないがぐーたらはやめられない。
「今日はのんびりしているだけだなー」
「そうですねぇーー」
俺と桃は天井を見ながら会話している。今はこの二人しかいない。
なぜなら姉ちゃんと双子は買い出し中。
昼のこともあり、夜ご飯の担当を外されてしまった。
やっぱり見た目はそこまで大切なのか……
「なにかしますぅ?」
「何するんだ?」
「そうですねぇ……トランプでもしましよぉ!」
なんでババ抜きにしたのだろうか?
運悪く全然揃わないし、そもそも二人でするものではない。
手には持ちきれないぐらいのトランプの量。
ゲームが始まっても、取ったカードが揃いまくるのであまり面白くない。
「これ楽しいか?」
「数が減れば楽しくなるよぉ!」
数が減るまでは流れ作業。
そしてとうとう、俺は6枚と桃は5枚とまでなる。
ここらへんからようやくヒートアップ。
お互いの顔には笑みがこぼれるぐらいになって来た。
「さぁ!二分の一だ!」
「天から授かし神の力よ!今ここで使うときだぁ!」
俺は、ニヤリと笑う。
二分の一を外した桃は絶望の淵に立たされる。
トランプは面白い。
ババ抜きの最後の場面では、自分の一手で形勢が変わる。
「さぁ!今度は俺の番だ!」
「あっ言ってなかったけど負けたら罰ゲームねぇ」
初耳。
不意の一言に取りかけていた手は、固まってしまった。
「ほらぁどっち選ぶの?」
焦って取る。
結果は__ジョーカー。
まんまと桃の手のひらで踊らされてしまった。
実は罰ゲームの発言をする前、俺は今と違うトランプを選んでいた。
こいつ、人の心理状態を操りやがって!
「はい!私の勝ちぃ!罰ゲーム」
負けた。
あの後すぐに二分の一を引き当てられ敗北。
「罰ゲームはなに?」
「それは……」
桃が言いかけたとたん家の扉が開く音がした。
姉ちゃん達が帰ってきたのだろう。
「罰ゲームは後でねぇ」
持ち越しになる罰ゲーム。
俺は密かに忘れてくれるのではないかと僅かな希望を持ってしまう。
その後は何事もなく夜ご飯を食べ、気づくとベットの上。
「いやーお泊り会と言っても特に何もなかったな」
結局、普段と違ったのは昼まで。
掃除と料理以外いつも通りで、少しガッカリ。
何を期待していたのかは言えないが、俺はもっとあーだとかこーだとか想像を膨らましていた。
残念な気持ちで就寝する。
3時ぐらいだろうか?突如と目が覚めてしまった。
理由は手に柔らかい感触と、喘ぎ声みたいなのが聞こえてきたからだ。
辺りは暗かったのでよく見えなかったが、人らしき面影が見える。
もしかしてと思い電気を付けると__なんてかわいいのでしょう。
桃が丸まりながら寝ていたのです。
この姿をずっと見ていたい、それだけ寝顔がかわいいかった。
でもこの状況を他の人には見せられないと思い、起こす。
「おい!起きろよ!ここ俺の部屋だぞ!」
目をこすりながら座る。
「もう。起こさないでよぉー翔希!」
「いやだからここ俺の部屋!お前が本来寝るところは姉ちゃんの部屋!」
「知ってるよ。そんなこと」
じゃあなぜ寝ているのだろう?
それともまだ寝ぼけているのか?
疑問が飛び交う中、桃はマズイことをし始める。
なんと__服を脱ぎだした!
「おいおい!なにしてるんだ?」
「見ての通り服を脱いでるんだよぉ!見ればわかるじゃん」
「いやいやなんで?」
「そらー罰ゲームだよ。トランプの!」
こいつは俺を強制的に彼氏にさせたいのか?
それにしてもこれはご褒美じゃないのか?
考えている間に、徐々にベットの端に追い詰められる。
マズイマズイ。
海の時と一緒ではないか。
しかも今回は誰も来るはずがない。
「なんで逃げるのぉ?男の子はこういうこと好きじゃないのぉ?」
はっきりと言えばこういうのは好きだ。
今も必死に誘惑と戦っている。
でもここで誘惑に任せてしまうとマズイ気がする。なんとなくだけど……
「ねぇねぇ!」
しかし俺は負けた。
とうとうは端に追いやられ抱き着かれる。
その体は温かく、離れたいと思っていても体は正直だ__離れたくない。
桃はその状態のまま寝てしまい他人から見たらカオスの状況。
「好きだよぉー翔希」
寝言か。
本来ならこの言葉で感情が高まるが、既に高まりきっている。
あー寝れない。
そのまま夜が明け、姉ちゃん達にバレてしまう。
もちろんボロクソに怒られ、その日の食事とゲームが禁止されてしまった。
お泊り会はもう嫌だ。




