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20/23

20 お泊まり会1

 (今日はよろしく!)


 夏休み中盤。

 今回はお泊まり会をすることになる。

 寺内家で。

 だから朝はバッタバッタと大忙し。

 リビング、キッチン、部屋と隅から隅まで大掃除。

 なんとか雫達が来るまでに終わらすことに成功した。 

 

 (わぁーきれいですね)


 (なら良かった)


 今日の朝までゴミ屋敷だったなんて......

 現在進行形で外の押し入れにはゴミ袋だらけで、いつ押し入れの扉が壊れてもおかしくない。

 

 (さぁ次ですね。あなたの部屋を見せてください)


 不敵な笑みうかべる美崎。

 こいつ見抜いているのか?

 でもその挑発には乗らない!

 俺はみんなが使う場所だけでなくしっかり自分の部屋も綺麗さっぱり。

 俺のオタクアイテムも隠しているのぬかりなし!

 

 (ほーちゃんと部屋も綺麗ですね。驚きました)


 (翔希って綺麗好きなんだねぇーポイント高い)


 見たか!俺の家事力!

 鼻息を荒くして自慢顔になる。

 今日という今日のために、他にも頑張ったことがある。

 それは......料理だ!

 実は姉ちゃんに頭を下げて、今日作るご飯の練習をした。

 

 (さぁ!皆お腹空いただろ!ご飯作ってやる!)


 (えっ!翔希!料理できるの!雫が思っている以上にできる男かも!)


 予想通り俺はできない男だと思われていたらしい。

 まぁデートのこともあるし、いたしかたないか......

 それでも今日は名誉挽回の日。

 準備は怠らずにしてきた。

 今それを見せる時!

 

 (うわー慣れてる手つきしてる。うまいね翔希!)

 

 雫が褒めてくれて鼻が高くなる。

 いやー褒められるって嬉しいな!


 今回作った料理はオムライス。

 料理工程はそこまで難しくないので初心者の俺でも作れる......がしかし、一つ高い壁がある。

 それは卵を巻く作業__もしミスってしまうと見た目が一気に変わってしまうのでとても重要。

 さぁやるぞ!

 一気に勝負をかける。

 

 (あーー!)


 雫の反応で分かっただろう。

 そう。失敗した。

 しかも卵はヒビが入ったようになり、ライスがそこら中から顔を出す。

 うわーあれだれ練習して成功したのにーー!

 本番に弱いタイプの人間だったー!

 

 (まぁミスは誰にでもあるよ......次頑張ろ!)


 (あーそうだな。次頑張る......)

 

 雫は優しいな。

 美崎と違って、バカにしてきたりしない。

 姉妹でこんなに変わるんだ。

 こうして慰めてくれたのにもかかわらず、俺は失敗を繰り返す。

 最終結果として1個だけ成功し、その他は全部失敗。

 これではダメダメな奴のままではないか......

 

 (わーなんですかこれ。作った奴出てきなさい)

 

 早速クレーム客がいた。

 その正体はもちろん__美崎。

 店で出したものでなら分かるがこれは家庭の食事。ここまで叩く人必要があるか?

 

 (すまない。俺のミスだ......)


 (やっぱりーこの為だけに頑張ったんじゃないー)

 

 こいつの煽り度はとっくに神レベル。

 俺をとことん地に落とそうとする。

 

 (いいんじゃないですかぁーこれはこれで愛がこもっているんだしぃ)

 

 (そうだよ。頑張って作ったのには変わらないんだし味はおいしいはずだよ!)

 

 俺からしたら桃と雫は天使。そして美崎は悪魔。

 ここまで味方してくれるなんて!

 

 (まぁ料理初めてだったし、失敗したのは変わらないから次までには姉として翔希を鍛え直すからね。今回はこれで許してあげて)

 

 おっとここで悪魔がもう一人。

 全てを暴露しやがった。

 チッ!俺のできる男計画が一瞬で水の泡だ。

 しかも身内に暴露されるなんて......

 

 (それなら仕方ないですね。初めてにしては頑張った方です。初めてにし、て、は!)

 

 こいつ本当に人間か?

 嫌味をつくのが優れすぎている。

 どう教育をしたらこんなのに......

 親の顔見てみたい思ったのだが、俺はもう見ていた。

 校長先生____甘やかしすぎですかね。

 

 恐る恐る皆の顔を伺いながら食べていると、みんなの表情は優しい微笑んでいた。

 

 (美味しい!こんなオムライス初めて!)

 

 (本当ですぅ!凄い美味しいぃ)

 

 (あなたにしてはやりますね。味だけは評価してあげる)

 

 (流石私が教えただけがあるね!やるねー翔希!)

 

 確かに、見た目は最低評価だが中身は高評価。

 下を向いていた矢印が傾き出す。

 この感覚は前にあった。成功の感覚__これを一度味味わったらやめられない。

 再び会えるとは。


 (さぁみんなもっと食べてね!)

 

 (あっそれはいいです。後くれぐれも調子には乗ってはいけませんよ)

 

 冷たい矢が俺に刺さるのであった。

 あー悪魔だー

 

 


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