18 夏休み
「じゃ皆さん!充実した夏休みを過ごしてください」
待ちに待った夏休みが始まる。
「ねぇ!翔希!」
「なんだよ雫」
「この夏休みたくさん遊ぶからね!」
そうだった。
なんやら雫と美崎、桃で俺に交渉するとか言ってたな。
皆、個別でやろうとするのか分からないけど……
「わかったよ」
「じゃ宣言!私はこの夏休み中に翔希を勝ち取ります!」
俺がいつもしてるやつじゃん。
客観的に見ると、恥ずかしんだな……
もうやめよかな……
「どう?翔希が告白宣言した時のやつ」
「お願いだ。せっかく忘れようとしてたのに掘り返さないでくれ」
「そうなの?じゃもっとしよかな」
「やめろ!」
こいつ吹っ切れてからやっぱり、ウザさが増した。
なにがこいつを戻したんだ?
「翔希ぃー迎えに来たよ!」
あっ厄介者がもう一人。
桃も俺が倒れて以来おかしくなった。
元々俺に惚れていたのだから、愛情表現があるのは分かるが最近は度が過ぎている。
なぜなら、ずっと抱き着いてくるからだ。
おい!それならいいじゃないか。そう思った人もいるだろうが、登校から下校まで時間があれば常に抱き着いてくるのだぞ!しかも全然離れないからなかなか帰れない。
ここまでされると、非モテの俺もうざい。
今も挨拶しただけだが、もう抱き着いている。
「離れろーー」
「嫌だ!だってまた倒れないようにずっとひっつくことにしたからね」
「この調子なら、いつか窒息死しちゃう……」
「こら!桃!」
さすがの雫も怒るか。
さぁ言ってやれ!
「ずるいよ!」
は?
お前は何を言っている?
これのどこに羨ましい要素がある……
「あーーもう帰るぞ!」
このままではらちがあかないので、強硬手段を使う。
あーーここは天国だろうか。
酸素がおいしい。
外の空気がこんなにも最高だなんて。
「そう言えば美崎は?」
「あの子は、中塚と石見に生徒会の説明があるからとか」
「生徒会長のお前はいかないのか?」
「うん!だってめんどくさいから」
自分勝手なやつーー
すごい人を皆は選んだんだな。
「さぁ!今日はお疲れ会に食べに行くぞ!」
「いいですねぇ。どこにしますぅ?」
「じゃハンバーグで」
俺を抜きに話が進みだす。
もしかしてこれは俺に奢らせるパターンか?そうなのか?
「なぁそれって俺が奢るのか?」
「いや。まず翔希呼んでないんだけど……」
うわ!一番つらいやつだーー
はやく俺を殺してくれ。
もうこいつらに合わせる顔がない!
「なーに来たかったの?翔希」
「ち、違うし……」
「ツンデレだなーー翔希は!じゃあ一緒に行こか!」
こいつ笑顔ずるいよ可愛い。
忘れてたけど、学校一美女だった。
「ねぇ!夏休みなんだけど!まず明後日、海行こ」
「急だな。都合よく皆空いてるのか?」
「そこは任せなさい!私達はもちろん、お姉さまも空いてるって言ってたから君も大丈夫でしょう!そして桃も今日聞いて大丈夫だったから行ける!」
なんで俺じゃなく姉ちゃんに聞くんだ。
俺にも拒否権や人権が……いやなかったかも。
「じゃそういうことで、明後日駅に集合で!」
なんとすごい行動力。
一瞬で予定が埋まった。
海か?実に何年ぶりだろ?母さん達が亡くなってからろくに遊びに行けてなかったからな……それに姉ちゃんは喜ぶだろう……だってあんなにはしゃいで水着試着していたからな……
次の日。
「でなんで水着を買いに来たんだ?前来てただろ」
「あれはデート用。これは遊び用」
一緒でいいじゃないか。俺はそう思うのだが……
まぁいいや俺も水着なかったし、ちょうどいい機会だ。
「どう!この水着?かわいいでしょう?」
次から次へと着替えてくる。
俺からしたら前の露出度高い水着と同じにしか見えない。
なにが違うのだろう?
「あの?いい加減決めてくれませんか?かれこれ2時間立つんですけど……」
「もうそんなに!やっぱ水着見てたら時間立つの早いなーー」
水着ってこんなにも時間かかるものだっけ?
俺、店に入って二十分で決めたんだけど……
「これに決めた!」
ようやく決まった。
かかった時間は約三時間。たぶん日本一だろう。
「あれ姉さま達も来てたんですね」
「おーー美崎!一人かい?」
「そうです。私は水着がなかったので買いに来ました」
「なら!着てほしいのがあるの!いい?」
「いいですけど……」
嫌な予感がする。
店の前で立ち尽くす。
あれからまた1時間たったんだけどな……
もう帰ろかな。
すると、水着姿の美女がが近づいてくる。
「どうですか?あなたの評価が聞きたくて。露出度は高いと思いますが……」
「とても良い……」
見とれてしまう。
なんと言う美女!馬子にも衣裳すぎる……
姉ちゃんは男の喜ぶことがわかりすぎている。
だって、もう着てないのと同じぐらいだもん。
これは明後日が楽しみすぎる。
生きる意味が見つかったかも……




