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 【6】洞窟の長虫(ワーム)

≈≈≈



 魔女はさらに、洞窟の()()()()とずんずん進んでいく。骨ピとウンラロは大股で後を追う。魔女とゴブリンたちとでは歩幅が違うためだ。

ほとんどのゴブリンは生来せっかちか、もしくは呆れるほどの気長かのだいたいどちらかである。骨ピとウンラロは両方とも後者の方だった。だから、黙って魔女に着いていく。この場の(おさ)はこの魔女である。

 しかし、『たまごを盗る』のに洞窟の外ではなく、なぜ『洞窟の奥』へと向かうのか?それは聞いておかなくてはならない。

 代表して骨ピが魔女に問いを発しようとした時、


「さて、と。こっから降りるわよ。滑るから気をつけて」


 そう言って魔女は『縦穴(たてあな)』の中へ降りようとする。

 常識を疑う行動だ。縦穴の底のそのまた奥は【長虫(ワーム)】の領域である。骨ピとウンラロは(あき)れてものも言えない。


 ……洞窟の【長虫(ワーム)】。

 巨大で長い体と鋭い(きば)がたくさん生えた大きな口を持つ、洞窟の厄介者。むしろ『長い体と大きな口しか持たない生き物』と言ってよく、その見た目は他の生き物に例えると『ミミズ』に似ている。しかし危険度はミミズの数万倍だ。

 本能に従って、岩山の地面を深くより深く掘り進めることしかしない単純な生き物であるが故に、進行方向に何があっても大きな口を開けて飲み込み、コナゴナに噛み砕き、ただの『土』として全身から排出するワケの分からない生き物。

 地面を掘り進む途中に、集落があろうが鉱山があろうが地下都市があろうが関係なく『固い地面』を本能のままに掘り進む破壊者。その一方で、【長虫(ワーム)】が岩盤(がんばん)を掘った後に残る『洞窟』は洞窟のゴブリンだけではなく、ノームやスプリガンなどの洞窟に住む妖精たちにとって大事な住処(すみか)となる。

 洞窟を住処とする者にとっては生活に欠かせない。

 でも、『厄介者(やっかいもの)』。


 それが洞窟の【長虫(ワーム)】である。



To Be Continued.⇒【7】

≈≈≈

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