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【5】洞窟の奥へ奥へ
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「その人も連れてくの?」
「アア、ツレテク」
「ヨ、ヨロシク…オ、オネガシマス。…オ、オセワニナナリマス…マ【マレナル、ウ、ウルワシキ、タ、タカラモノ】デス…」
優しいゴブリンの話し方を聞いて、魔女の態度が変わった。優しいゴブリンは、“どもり”はするものの、骨ピよりもしっかりとした文法で魔女に話しかけている。
「……私は知恵あるものを歓迎する。そうね、貴方のことは『ウンラロ』と呼ばせてもらう。私のことはサキと呼びなさい」
魔女は優しいゴブリンにも、骨ピと同じく名前を付けた。『ウンラロ』と呼ばれたゴブリンは新しい名が気に入ったらしい。ウンラロ…ワ、ワタシ…ハ…ウンラロ…と何度も繰り返している。
「じゃ、今度こそ行くわよ!着いてきなさいっ!」
そう言った魔女は二人のゴブリンの先に立ち、洞窟の出口とは逆の方に向かって歩き出した。
洞窟の『奥へ奥へ』と足早に向かう魔女の後ろ姿を見て、お互い目を見合わせた骨ピとウンラロは、同じタイミングで肩を竦めたあと、魔女を追って歩き出した。
To Be Continued.⇒【6】
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