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君への文句をもう一度  作者: 秋乃しん
10/10

僕なりに。君なりに。4

ん。


 僕が君と関わり始めて3日目が経った。

君はずっと僕の隣にいた。本当にやめてほしい。

それと、自分で決めた条件に早くも後悔していた。


「ねぇ、用がないならどっか行ってくれないかな?」


「ここがいいの、そんなに嫌なら関わりたくないって言ってよ」


これである。3つ目の条件。

僕が関わりたくなくなったらもう関わらないというもの。

その条件と、僕が人との距離を遠ざけることが苦手だと知っていたのか、上手いこと利用された。


「もういいよ、もっと右に寄ってくれ、ねれないよ」


そう言うと、僕の右で横になって漫画を読んでいる君が素直に右にずれる。


「温めておいた」


「うるせぇよ」


あひゃひゃ!

まるで子供見たいに笑う君を無視して横になると、言う通り君の寝転がっていた部分は暖かい。


「暑いからもっと離れて」


「これ以上行ったら落ちちゃうー」


こんな1つのベットを異性同士が横になっている光景を高校の友達にでも見られたらたまったものじゃない。

僕の高校生活が終わってしまう。


「君は自分勝手だよね、友達いなそう」


普段これほどまで嫌味なことを言わないせいか、少し胸が痛む。


「いるよ!松坂くんが」


きっと君は僕の裏の気持なんて考えずに言った言葉なんだろう。


「むかつくなー」


あひゃひゃ!


笑ってくれて何よりだ。

君は実際どのくらいまで学校に通っていたのだろう。病気になったのはいつなのだろう。それに君はあとどれぐらいまで生きるんだ。不覚にも君に対してそんな事を思ってしまう。興味はもちたくないけど。やっぱりそれでも。


「声でかいからもっとトーンを下げた方がいいよ」


そう文句を言うが、君からはなんの返答も来なかった。

呆れて、君を背に僕は目を瞑った。心臓が大きく動いているのを感じる。もしこのままいけば必ずあの日の後悔をすると、そう考えてしまう。それを繰り返したくない。

だから今、僕ができることは何なのか、自分の為に、君の為にする事は。それは、今この瞬間に思っている事を伝える事なのかも知れない。気を遣わずに、そうしていくしかないのかも知れない。それが正解なのか、間違っているのかなんて分からないけれど、そんな術しか持っていない。



だから今は。


君のことを知らないといけない。


 こんなどうしようもない僕なりの答えに辿り着くのに3日経ってしまった。これじゃあ人に伝えたいことなんて伝えられるはずがない。


「ねぇ、これからは僕からも話しかけるから条件1は無しね」


めちゃくちゃ言いづらかった。

理由は言わなくていいだろう。


「最初から素直に言えばよかったのにー」


ニヤニヤしながら肩くねくねさせながら煽る君を無視しする。相手は年下なのでそこは先輩である僕が我慢をして、大人らしく注意をしてやる。


「年下なんだから敬語ぐらい使いなよ」


注意ではなく、実際にこれは君への文句だ。


「文句ばっか言ってると禿げるよ?」


「うるさいなあ、寝かして」


「はーい」


まだ、暖かいベットを感じてもう一度目を瞑った。

今度は何も考える事はなかった。



あ。

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