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Scavenger Princess ~すべてを失った王女の死体漁り生活~  作者: 神無月てん
第1章 お店≪マイオソティス≫
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1-1-7 お店の日常7

 アズリーがリビングに戻るとダイダとレイヤはテーブルの上に散らかったカップや焼菓子が入っていた皿をまとめていた。


「アズリーちゃん、今日はありがとう。そろそろ迎えが来る頃だわ。」


 アズリーに気付いたレイヤが声をかける。


「わかりました。後は私が片付けますので、そのくらいで大丈夫ですよ。」

「そうか、なら任せた。」


 ダイダはテーブルの片付けをやめ、すぐに自身が持ってきた荷物の片付けを始める。

 レイヤはダイダに何か言いたそうな顔をしていたが、結局自分の荷物をまとめ始めた。


 すぐに馬車が止まる音と、玄関が開かれた音が聞こえた。

 二人の迎えが来たのだ。

 二人は荷物を従者に預け、玄関に向かう。

 アズリーも二人を見送るため、その後についていった。




「今日は忙しい中ありがとね。明日から色々と試してみるわ。」


 ドアノブに手をかけてこちらを見たレイヤが感謝の言葉を口にした。


「俺もいくつか参考にできるところがあった。俺のほうも今度試すわ。」

「そうですか。私の話したことに囚われすぎず、柔軟な心で対応してください。それとレイヤさん、私は一週間後に出発する予定ですので、またグレイさんにお願いしてもいいですか?」


 アズリーがいない間、ルルだけでは手が足りないので毎回レイヤに応援を頼んでいた。

 その時必ず来るのがグレイだった。

 暗い雰囲気だが、しっかりと仕事をする人物で、武道に精通していた。

 回を重ねるごとにルルは彼女と仲が良くなり、アズリーも彼女のことを信頼していった。


「もちろんいいわ。グレイには私から声をかけておくわ。」

「ありがとうございます。」

「俺のほうもしっかりと馬の準備をするよう、伝えておく。」

「お願いします。」

「それではまたな。」

「アズリーちゃん、怪我には気を付けてね。」

「はい、お二人も頑張ってください。」

 二人は玄関をくぐり、目の前に止めた馬車に乗り込んだ。

 アズリーは二人の馬車が出発するまで、玄関に立って見送った。



 ダイダとレイヤが帰った後も、アズリーはテーブルに散らかった焼菓子たちを片付けた。

 日が沈み、片付けがあらかた終わった頃、孤児院に出かけていたルルも帰ってきた。

 部屋の灯りに火を灯し、二人で夕食を作る。

 アズリーは、コンロに火をつけ、ルルは地下の冷暗庫から野菜とお肉を運ぶ。

 二人で手分けして材料を切り、肉を炒めていく。

 そしてサラダ用の野菜を盛り付け、他の野菜を先に炒めた肉とともにさらに炒めていく。

 ルルがドレッシングを作り、アズリーがソテーの味付けをしていく。

 そして出来上がったソテーを皿に盛り付け、パンとともにダイニングテーブルへ運ぶ。

 ルルは地下からワインを取り出し、グラスに注ぐ。


 二人が席に座ると、静かにワインを合わせる。

 そして同じ動きでワインを口にする。

 今日一日が平和に終わったことを感謝して。



 そうして忙しい一日の終わりを迎えるのだった。

第一章第一幕の終わりです。

第二幕から戦場です。

戦闘も書いていこうと思っています。

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