はじめに
初投稿です。
よろしくお願いします。
クリズノー王国は西に人間が治めるセルディス帝国、東に魔族が治めるグランベール魔導国に挟まれた中立国の一つだった。
クリズノー王国は両国ともに良好な関係を築いていて、両国の間を取り、政治と貿易のつなぎ役として重要な役割を果たしていた。
5年前、クリズノー王国の東部と西部で同時期に反乱が発生。
彼らは自らを革命軍と名乗り、腐敗した王政の打倒を目標に掲げた。
彼らの志は瞬く間に各地に伝播し、革命軍は勢力を急拡大させた。
王国軍内でも兵士が軍から離反し、革命軍に合流する事例が後を絶たなかった。
弱体化した王国軍は各地で惨敗を繰り返し、革命軍は瞬く間に支配領域を拡大させていった。
革命勃発から2か月。
革命軍はついに王都を制圧し、国王が立て籠もる王城に突入した。
王城に籠っていた国王と王妃、それと国王の側近や革命軍に抵抗した貴族は革命軍に捕らえられた。
唯一王女だけが奇跡的に王城、王都から脱出し、革命軍の追跡を振り切り逃走に成功した。
捕らえられた貴族は犯罪奴隷の烙印を押され、奴隷商人の下に送られることとなった。
その家族も一般奴隷として、奴隷商人に引き渡された。
国王と王妃は捕縛から一週間後、処刑台で公開処刑された。
だがその日、王都は謎の漆黒の霧に包まれた。
漆黒の霧は触れたものすべてを石化させてしまう、恐ろしい性質を持っていた。
王都に残っていた反乱軍、王都民は全員生死不明、王都はセレス聖皇国の管理の下、厳重に封鎖された。
その後も、クリズノー王国内から戦火が途絶えることはなかった。
幹部の多くを失い、残された革命軍は東部軍と西部軍で意見が二つに対立した。
東部軍は魔導国との繋がりが強く、魔族の血筋を持つものも多く参加していた。
彼らは反人種主義を掲げ、すべての民に開かれた政治を行うと主張した。
逆に西部軍は帝国と結びつきがあり、人間至上主義を唱えるものが多く所属していた。
彼らは人族が中心に政を行い、人族以外は政治に参加してはいけないと主張していた。
対立はすぐに武力衝突へと発展した。
衝突はすぐに激化、一進一退の攻防が各地で繰り広げられた。
両軍は戦いを有利に進めるために、東部軍は魔導国に支援を求め、西部軍は帝国に救援を要請した。
すぐに両国は援軍を派遣し、内乱は帝国と魔導国が主体の、泥沼の戦争へと変わった。
両国の戦争は小康と激化を繰り返し、今もなお継続している…
次は19時に投稿します。