1、邪馬台国@卑弥呼
新連載!2日に1度ペースで書きます。
ーどうも、卑弥呼の使っていた……
骨です。
いやいや、骨って何だよって思う人もいるかもしれませんが、
俺もよく分かんないんですよ。
俺、ある日目が覚めたら骨になってたんです。冗談じゃないよ?マジで。
そしたらね、何か女王様みたいな人が見えたんですよ。で、お付きの人が卑弥呼様。って呼んでたから気づいたんですよね。
あ、俺、卑弥呼の時代にいるんだ。
ってさ。
骨っていうのが確信した時はその3日後くらいだったっけな。
またいつもの様に卑弥呼が来たんだって。
そしたら、俺の隣に手で掴んで、ガサゴソってしてきた。
滅茶苦茶びっくりしたよ!?そしたらね、卑弥呼が骨を掴んで帰っていったの。
でね、悟る訳。
ーあぁ、俺、骨じゃん。
いや、まさかの骨よ、hone!マジで驚いたわぁ……
骨って……生き物でもないじゃん……
まぁね、俺、一応いい大学出てるからさ。骨なのに脳みそを必死に働かして考えた訳よ。
見たとこ卑弥呼のお付きは少なかったし、今は卑弥呼が邪馬台国を治めだしてからすぐかな?で、俺、骨は卑弥呼の占い用。鹿とかの骨を燃やして占う……とかどっかで読んだことあるしさ。
つまり、俺、燃やされるんか。
え!?やだやだやだやだやだやだ!死にたくない!
俺まだゲームしたいよ!?もうそろそろペル⚫ナ発売するじゃん!
来週給料日だったじゃん!今月ボーナスかなり出るって上司に言われたじゃん!!!
え!?マジ悲しみ……
で、更に数日後の事よ。
卑弥呼、俺を掴んでいきやがった!!
もう俺の人生終わりかよ!?まだ生きていたかったです。お父さん、お母さん、ボーナスで美味しいもの食べさせれなくてごめんなさい。
俺は先に逝きます。
そう俺は心の中で合掌する。
てか、ん?なんか声が聞こえる。え?地味に日本語だし。
「卑弥呼を出せー!」
「あんな偽物女王なんて殺しちまえ!」
「そうだー!占うとか言って結局外れてるんじゃねーかよ!」
あーはいはいそういう事ですね。ハイ。
卑弥呼さん、最近占い外しに外しまくってるんですね。そしたら民衆の不満を買った、と。
お疲れ様。俺を燃やして更に民衆の怒りを買うなら、俺、燃やさない方がいいと思うぜ!
そうこう考えてる内に、火が用意されたァァァァ!
さようなら。皆!
卑弥呼が俺を火の中に投げ入れる。
熱イィィアィァアィィァ!
燃える燃える燃える燃える燃える燃える!
あ、なんか慣れてきたかも。暖かい。
そういや俺パキパキ言ってね? え?割れてる?
あ、なんか卑弥呼さん言ってる。
「明日、何か不吉な事が起きるわ。備えといて。」
あーはいはい。割れたからヤバいと。うん。
てかまだ俺生きてるんだね。死ぬかと思った。
明後日……
どうも、元、卑弥呼の骨です。死んでません。むしろ祀られています。
なんか、昨日本当に敵が攻めてきたんですよ。
そしたら民衆から卑弥呼が感謝されまくって……
で、卑弥呼がそれを教えてくれた俺を祀ってるんですよ。
で、明日から卑弥呼さん魏の国に使者送るらしいんですよ。
つまりこっから卑弥呼が女王として名を馳せて行くんだなぁ……
え?俺つまりかなり貴重な時代にいる?え?マジで?しかもかなり活躍したよね?
ーグラッ……
急に頭痛がする。痛い。
目眩がする。気持ち悪い。
視界がブラックアウトした。もう何もわかんない。
死んだのか?元々死んでいた?
暗い視界の中、一筋だけ光が見える。そこに向かってみると……
俺は、
ー冠になっていた。