3話
木々を高速で動き回る小さい影。雷を纏わせ、まるでモン〇ンの麒麟のようだ
「(たのしー!!)」
ルナは人生初めての魔法に感極まっているところだ。昔憧れたスーパー〇イヤ人2の雷を今の自分がしていると想像してみてくれ
.......痺れるだろう?雷だけに
「(こほん、ちなみにこの魔法の名前は雷装天魔と名付けてみましたよ)」
もちろん、全属性を扱えます。魔力も枯れることが無いほど多いいです。ルナさんはとっても凄いのです
そんなことをしていたら、横目にとても大きな獣が居た。硬そうな皮膚に牛のような顔
手には巨大な斧らしきものを持っており、血が付着していた
ルナはあえて正面に立つように止まった。相手もやっとルナの存在に気がづき、咆哮をあげる
『ゴォォォォォォォォォォ!!!!!!』
すぐ様ルナの方に突進しだし、その手に持った大きな武器を振りかざす獣
『ガァァ!!??』
難なく斧を躱したルナは、その顔面に綺麗な回し蹴りを放つ
しかし小柄なルナがどんなに綺麗に決まった蹴りでも、威力はたかが知れている。事実、獣は少しのけ反っただけで、大したダメージは入っていないようだ
『ゴォォォォォォォォォォ!!!!』
獣は怒り狂い、デタラメに斧を振りかざす。木々が倒れていき、あれを食らってしまえば普通の人なら死ぬであろう
【雷切】
鈴のような可憐な声でルナは唱えた
刹那、巨大な稲妻が獣に落ちた。今まで大いに暴れていた獣がピクリともせずそのまま倒れる
「(ふむ、やはり魔法を使ったら一撃か。ただし、敏捷はあるけど、力は少女みたいだな)」
ルナはただ魔法で遊んでいた訳ではなかった。自分の力を考察し、どこまでできるかを今の一戦で再認識したのだ
前世の瑠夏は頭は割と良い方であった。ただし、天然で少しズレてはいたが
「(やはり、普通に世界滅ぼせるくらい強いな俺)」
手をにぎにぎして、力を実感するルナ。そう簡単に死なない事が再認識し、気分が高揚する
頬は薔薇色に染まり、口元はにまにま。しっぽもゆらゆら、おまけに猫耳もふにゃりと
この姿を見た人がいるなら、可愛さで死ぬだろう
ご機嫌になるだけで、人を殺せるルナはある意味魔王のようであった
【無限収納】
死んだ獣に手を向け、そのまま闇が死体を飲み込む。読んで字のごとく、無限に収納出来る魔法だ。中は時が止まっておるので、鮮度も良好な状態で出荷できる
漁業の方も思わず喉から手が出る出るほど欲しい魔法だろう
「(さて、とりあえず街に行きますか)」
たくそん魔力がする方向に足を向け、雷装天魔で高速移動するのであった