表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/145

第七十八話:首相と会見


 メッセージに応えて今は東京タワーの展望台だ。

 東京はすっかり変わっていて人口もかなり減少しているし

驚愕の米が一キロ一万円という気が狂った金額設定だ。


 周りをうろついているのは公安か。


「お客様、十五日は午後四時半までとなっております」

「気にしないでくれ招待状を持ってきた。内閣総理大臣に伝えてくれ」


「わ、わかりました」



「これはフリーダム王国の方かな?」

「はい、フリーダム国王のノア・フリーダムといいます」


「よくここがわかったね」

「帝国ホテルにご招待頂いた方が良かったんですがね」


「それは失礼した。我が国も色々と事情があってね

官邸で食事でも如何かな?」


「ご相伴に預かりましょう」


 車が少ない。石油の備蓄が無くなったのか。


 無言のまま首相官邸に到着して会談開始だ。


「よく、フリーダムの事がわかりましたね?」

「チャンネルアリスと言ったか、あそこで情報収集をさせてもらったよ」

 本当にマスコミというのは厄介だな。


「それで石破総理、かなり人口が減っているようですね」

 

「私の名前をしっているのなら話が早い。日本は三年前にここにいきなり

移転してきてしまってね。それ以来苦難の連続だ。移転直後から攻撃を

仕掛けられ専守防衛に乗っ取り対応したがその政権も去年総辞職して

わたしが後を継いだわけだ」


「日本ならF-15やF-2にF-4があるでしょう。それで大陸に侵攻することを

考えなかったんですか?」


「憲法九条を巡って議論を初めて既に三年目だよ。攻撃機の攻撃を受けても

九条擁護派の団結は崩れない。それに去年の大地震で自給率三割を超えた

農地も海水の流入で壊滅して既に日本の人口は七千万を割った」


        

「それはお気の毒です」

「ノア殿は東京タワーで場所が判るという事は転生者と

呼ばれる存在なのかな?」

 

「わたしも記憶が混乱しているので正確にはわかりませんが記憶だけあると

言った方が正しいでしょう。産まれはアルタイル王国という国です」


「私達はサン王国とユニコーン王国と名乗る国に食糧と交換に技術の一部を

提供したのだがサン王国からは礼状の代わりに爆弾を貰ってしまったよ

貴国も要求するのは技術かな?」


「戦後の日本の発展を考えれば技術以外に売れる物はないでしょう

当国は既にF-4戦闘機並みの航空機の開発に独力で成功しており

ボーイング767相当の航空機も就航しております

手始めは乗車型の田植え機と最新型のコンバインの設計図でいいですよ」


 多少、見栄を張って言っておかないとな。


「売って頂ける物は?」

「まずは対価が小さいので米を二百万トンですね」


「それだけか?」

「我が国にも大型ハーベスターは既に農作業で使用中です。あくまで乗り

やすさを追求して最新型を希望しているだけです。我が国は自動車は始まった

ばかりですが既に三リッターの乗用車の開発にも成功しております」


「最後に訪ねたい。貴国は我が国を侵略する意思はあるかね?」

 

「誰かに取られそうになったら取りに来る程度ですね

原子力技術の流出はさすがに恐ろしいので、それとこの世界では特攻機が

いますのでお気をつけ下さい」


 

         

 既に日本よりエクレールの方が俺の故郷だな。

 

「若君、半月前持ち帰った設計図を元に新型コンバインが完成しました

今度のは操作性が違いますね」


「仕事が早いね」


「ノア様、輸送船が米二百万トンの輸送を完了したそうです」

「日本は追加で要請がきたのかな?」


「はい、C-2輸送機またはテクノスーパーライナーまたはそうりゅう型潜水艦

の現物と設計図と引き換えに原油二十万トンと米四百万トンを

要求しております」  

       

「テクノと潜水艦で原油十万トンと食糧四百二十万トンを送ると伝えてくれ」

「原油を与えても危険はないでしょうか?」


「その時は残念だけど爆撃だよ」


 対空戦闘能力はF-15の方が上だろうが数で押せる。


「例の品の用意が出来ました」

「よし、明日……ヨハンとヤンとコンラートで日本に潜入するぞ」

「気は進みませんが頑張らせて頂きます」


 

 

 転移を繰り返して日本に上陸だ。

  

 食糧が届くと少しはマシになるもんだな。


「カツラっていうのは邪魔ですね」

「わたしも目は悪くないんですが」


「カツラとメガネは必須アイテムだよ」


日本に一度戻ってだいぶ記憶も戻ったが

以前の日本に比べてもかなりの落ち込みぶりだ。


「ここが電気街ですか? 人通りが多くありませんね」

 秋葉原でもこうなるのか。


「でかいテレビですね」

「買うのはエアコンだ。それとパソコンだな」


 エアコンとパソコンはそれほど価格が上がってないが

平成二十七年モデルが最新式か。新製品を開発する余裕はないよな。


「おじさん、この型落ちのノートパソコンを在庫分売ってくれ」

「余裕があるな」


 そしてパソコンとエアコンを二割引きで購入して

無線機も買えるだけ買った。


 

「兄貴、これって電気で動く車らしいですよ」

「この自動車は小さいですね」

「メーカーへ行って直接買おう」


 

 やっぱりヨットからだよな。

 

「これがいいんじゃないですか?」

「十二人乗りですね」

「速そうですね」


 ヨット、車、オートバイにバスを購入して首相官邸にお邪魔だ。

 みんなには料亭で本格和食に挑んで貰おう。

 


 

「かなり購入されたようだね」

「ええ、頂いた紙幣がありますからね」

     

「原油は十万トンという事だが油田の数が少ないのかな?」

「使う用途がないのに油田を開発しても仕方ありませんからね

現在は航空機の一部と軍艦程度ですよ」


「そうか、紹介しよう。自衛隊の三幕僚長達だ」

「うちは陸海空の三軍がありますよ」

 

「空軍とはうらやましい。戦闘機はどの程度を保有

しているのかな?」


「二千機程度ですね、他に攻撃機に爆撃機に大型ヘリに空中給油機があります」

「F-4戦闘機を保有しているそうじゃないか。最高速度は?」


「当国の開発機で時速千五百キロを突破しており

飛行士次第では二千キロも可能ですね。爆撃機は八千キロ先の目標も狙えます

加えて大型ヘリでは給油機の輸送も可能です」


「ノア殿を国会が招致したいと言っているのだが、如何かな?」

      

「お断りですね、我が国には議会も裁判所もありませんし厚生労働省や

法務省に病院や言論の自由すらありません。専政国家においては

民主主義は麻薬に等しい」


 

「やはり王国では無理なのか」

 

「この国の南にオーストラリアより遙かに大きな大陸がありますし

我が国の西には戦争中の大陸があります。領土や資源がほしいなら

攻め取ればよろしいでしょう」


「議会がうるさくてな」

「太平洋戦争を起こした日本がこの状況で議会に気を遣う必要はないでしょう

ここには国連もなければアメリカもいない。戦国時代の国盗りの感覚で

拡大可能ですよ」


「フリーダムはそれでいいのか?」

「最悪の選択をされた場合は原子力空母を日本にぶつけますよ」


「この世界では大国は原子力空母を所持しているのか!」

「我が国だけですよ。航空機が届く範囲ではありますが」


「総理、攻められているだけでは未来はありませんぞ」

「メーカーは資材さえあれば原子力空母を開発できると言っています」

  

「そうはいうがな、憲法を破棄する事になるぞ」


「攻め込んだのがサン王国ならば専守防衛を拡大解釈して攻めるのがいいかと

敵に核ミサイルがあると言えば納得するでしょう。場所的には日本が

グアムに転移したとしてシドニーに攻め込む感覚でしょうか」


「北西の大陸が先日も攻めて参りましたが」

「あの飛行艇か、全く厄介だな」


「北西の国はガイア大陸と言って既に六年ほど戦争をしているので

攻め取るのは簡単そうですが原油が多く取れませんね」


 トレミーも未来は無さそうだし問題ないよな

北方大陸を取っておいて良かったぜ。


      

「フリーダム王国が原油を譲ってくれるという事か?」

「日本の数倍ある大陸を得るのです。私の知っている全ての技術を提供して

頂くことが条件になりますが。上手くすれば大国として君臨出来ますよ

お勧めは南東のサン王国ですね」


「大国か!」

「全ての技術か」

 

 専守防衛に拘るか自立を目指すか悩んで頂こう。


    

 各種設計図とお金を貰ってエクレールに戻ると

ノルト大陸と再開した貿易も好調でノルトから資源をむしりとっているようだ。


「ノア様、日本という国を信用して宜しいのですか?」

「わたしにも先は分からないけど若者は少なく老人が多い国だ

警戒を弱めなければ上手く付き合っていけると思うよ」


 そろそろF-35なんかが工房に着く頃だな。

 日本の開発した機体じゃないが我が国の技術者ならコピー出来るだろう。


 

 日本のメーカーに技術を学びに言った人間が民主主義に

憧れられると困るんだが。



お読み頂きありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ