第六十一話:チャンス到来、目指せ大陸統一
五月に入ってサントス王国は北と東と南からバルバロッサ帝国へ
本格的な侵攻を開始した。
どうやら不戦協定があったらしくバルバロッサも奇襲状態で先制攻撃を
受けたらしい。
「この一ヶ月で帝都には機銃攻撃のみで西側以外の港は全て占領され
中核都市も一つが見せしめの為か甚大な被害を被ったようですね」
「帝国もバカだよね。あれだけ隣でドンパチやってたのに
奇襲攻撃を受けるなんて」
「情報部の報告ですと、どうやら機会を見て我が国へ攻めるので
同時に攻めようと誘われていたようです」
「自業自得か」
「戦闘機七百機以上に爆撃機が千機以上に加えて飛行艇が四百五十で
装甲車両が四千台以上に戦闘艦が五百程度に輸送船が一万五千を
超えるそうです。それに潜水艦もまだかなり残っているようですよ」
「本国にも残しているんだろうし。本気だというのが伝わってくるよ」
「うちも去年攻め込まれていたら滅びていましたね」
ルッツ型戦闘機六百程度で戦闘機七百と空中戦しながら飛行艇と爆撃機を
相手に戦うのは無理だったな
東帝国のどこの国だか知らないが抵抗してくれて感謝だよ。
「戦闘機の増産はどうだ?」
「自動車と農耕機械の分を半減して回してありますから既に
三型戦闘機が千四百機あります。そして更に増産中です」
問題はどこで討って出るかだよな
帝国が落ちた後だと多くの住民も巻き添えになるし
早いとうちを裏切ったバルバロッサを助ける事になるからな・
「ところで敵の総兵力は?」
「不明ですね。最前線の部隊だけでも三十万は居ますが」
謎の部隊は謎のままか。謙虚な転生者だな。
三十万で後方が二十万程度か?
俺達を無警戒とも思えないから後は予備兵力か。
あと三つか四つほど街が全壊するか。帝都の被害が甚大になったら
俺達も長めのピクニックに出かけるか。
『こんにちは、チャンネルセーラのお時間です
バルバロッサ帝国は深刻な状況ですがうちは無傷です
更にはチャンネルセーラの独自調査ではバルバロッサ帝国は我がフリーダムに
サントス王国と同盟を組んで侵攻して西はバルバロッサで東はサントスで
我が国の分割統治案もあったようです。滅びろバルバロッサ
帰れサントス。それでは一曲目は僕の嫁は音速パイロットです……』
おいおい、お前達じゃないのか。うちの情報を漏らしているのは。
南で戦争だって言うのに大盛況だな。
「ざるラーメンのWチャーシューを三人前に海老そばを三人前に
トリプルチャーシューの全部入りの大盛りを六人前ね」
「珍しいな長官職で集まろうなんて」
「それを言ったらハインツさんとマリアさんがいませんし
ユリアンは次官だし女性陣も長官職じゃないですよ」
「それもそうね」
「そろそろ、わたしも管理職になってもいいかも」
「わたしはノア様の奥さんだけでいいです」
「それで要件は?」
「まあ、食べてから話しましょうよ。折角の個室なんですから」
「はいよ、おまちどう」
「美味そうだ」
「ここのは病みつきになるよね」
「リキとフレッドとレンも食べて見ろよ。美味いぞ」
「ほんとだ、美味しいです」
「次来る時は全部入りをお勧めだな」
「そうだな、初心者は全部入りは控えるのがマナーだからな」
なんかみんなラーメンを語っているが
お前達も去年からだろう。せめて百件は回ってから語って欲しいぞ。
「美味かったな」
「「「ごちそうさま」」」
「満腹だ。それじゃ本題ですね」
「俺から、ノア様、ジュノー大陸を統一しましょう」
いきなり右のアッパーといった感じだな。
目を見るに本気か。ロアン王国も爆撃機の嵐で兵士は五万人を
割ったようだし、トレミーが邪魔をしないで敵に新兵器がなければ
いけるんだけどな。
「お前達、二年は休暇が取れないぞ」
「覚悟の上ですよ」
「天然の要害は海だと理解しました」
「我々にはバルバロッサ帝国にはない空軍と海軍があります
それに対潜戦闘能力を持つ唯一の国家です」
「バルバロッサはこのままなら二ヶ月は持たないでしょう」
「既に陸上部隊は帝都のみを残して八割は南下して街の掃討作戦に
入っています。最悪は半月で降伏するでしょう」
「俺はおとぎ話に出てくる南の大陸を見てみたいですよ
そして巨大な魔物と戦ってみたいですね」
「サザンランド物語か、夢があるよな」
「それに世界には他にも大陸があると聞いていますよ」
「ジュノー大陸全土をイシュタルの加護で豊作にしましょう」
転生して十七年か、見た目は高校生だが
きっと三十年以上は生きているんだろう。爺ちゃんが生きている間に
天下統一じゃないがジュノー大陸を統一してみるか。
「あなた、死ぬときは一緒です」
「そうですよ。俺達も死ぬときは同年、同月、同日ですよ」
「わかった。お前達の気持を受け止めよう
ジュノー大陸の統一戦争だ!」
「行くぞ!」
「「「「「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉ」」」」」
さてどこから侵攻するか。
「ノア様、既にプランは練ってあります
第一案は新領土は防衛に専念。、本国から西側を制圧しながら侵攻するです」
「前も聞いたけど消極的だよな」
「装甲車両もあるんだからもっと大きく行かないか」
「第二案はサウスベルとサンドリア湖と西の海域からの三方向からの
電撃包囲線です。名前はいいですが失敗した場合は本国まで撤退する事に
なりますし合流する迄は補給がギリギリですね」
兵力が上の相手に対しての兵力分散は愚策だというが。
提案すると言う事は……まさか。
「ヨハン、用意は済んでいたりするのか?」
「兵員移動以外は既に済んでおります」
「チャンネルセーラとか情報を流しすぎるんですよ」
「チャンネルアリスの情報量も凄いわよ」
「よし、その第二案で行こう」
「では明日より作戦を開始します」
頼れる参謀だぜ。俺だけだったらクレア領で終わっていたな
そういえばリリーナや子供達とも当分は会えないな。
「動員兵力なんかは?」
「はい、動員兵力は正規兵が三十二万弱と少ないですが
予備兵八万に予測ですが種族平等を旗印にすれば最前線以外の戦場限定で
義勇軍が百万は集まると思われます」
敵の四分の一もいないが、バルバロッサ次第か。
「航空機部隊は?」
「三型戦闘機千六百機、攻撃機が八百機に爆撃機が六百機に三式戦闘給油機が
百機に一式戦闘給油機が八十機にルッツ型戦闘機が六百機と
残存の十四型が航空戦力です」
空戦が出来るのが三千機か。敵が倍居てもギリギリ勝てるか。
「陸上の機械化部隊の数は?」
「装甲車両が二千台に両用砲の対空車両が千八百台に高速のトラックが
八千台です。陸軍の数では完全に負けてますね」
「船は?」
「使えそうな物を挙げると、空母が六隻に重巡洋艦が六隻に軽巡洋艦が十八隻
更に戦闘艦が四百隻と残りは輸送船になります」
軽巡か、いつ作ったんだろうな。
加えて零式とヘリ部隊があるのか
ほとんどの街は制圧出来そうもないが帝都を抑えてから政治的に懐柔するか。
「よし、問題はなさそうだな。では合い言葉を行くぞ
我ら生まれた時は違えども苦難に苦しむ民を助け共に助け合い
死ぬときはは同年、同月、同日を願う物なり」
「「「「「「死ぬときは一緒です」」」」」」
それからは慌ただしかった、なんといっても兵士をサウスベルへ送るのが
大変だった。
空母二隻は東回りで先行しており、三隻は西周りで原子力のニミッツさんは
防衛の要として母さんと共にお留守番だ。
「やっぱり十四型は今回の作戦が最後の戦争ですか?」
「そうなるな。三型戦闘機が西部方面の制空権を手に入れた後に
活躍の場がある。セリーヌと往復する事になるが期待している」
「はい、ご期待に応えて見せます。相棒に最後に活躍の場を頂き感謝致します」
十四型はこの戦いが終われば新兵用の練習機になるからな。
陸上兵力と海上兵力の移動と輸送船の物資の見込みに時間がかかったものの
全面戦争する準備が二週間で完了というのは事前準備の賜だろう。
「諸君、知っての通り本日我々はジュノー大陸の統一の為に戦場へ向かう
サントス王国とバルバロッサ帝国の影での我が国への侵攻作戦の約束は既に
明白である。我々はサントスとバルバロッサというジュノー大陸にいる全ての
敵兵を打倒して大陸統一を成し遂げなければならない
前途は多難だが、もし私が皇帝になるなどとバカな事を言い出したら
君たちの鉄拳を私に刻んで欲しい。種族平等を大陸全土に広げるぞ」
「「「「「「「おおおおおおおおお」」」」」」」
「第八、第九戦闘大隊発進」
「第十三、第十四攻撃大隊発進」
「滑走路が空き次第、第九、第十戦闘大隊を入れろ」
「了解」
第一から第六の名前は第十四戦闘機と爆撃機の退役までは使わないと
決定している。
第七は零式戦闘機隊と攻撃機隊が使っている状態だ。
「東部方面がマルコとデニスとコンラートとシャルで
中部方面がアレックスさんとハインツさんとニコラウスとヤンで
西部方面がノア様と私ですね」
「リリーナとミーアはお留守番だけどな」
「本国の警備ですよ。ある意味最重要拠点ですからね
信用のおける人間に任せないとなりません」
「俺達も行くぞ」
「はい」
そして七月一日に俺達の大陸を覇権を賭けた戦争が始まった。
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