表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/145

第五十九話:金の光の魅力は世界共通らしい


 トレミー帝国から帰国して一ヶ月、そろそろ来年を迎える十二月の上旬

俺達は工房で説明を受けている。


 

「坊っちゃんの言ってた対潜水艦装備で作った武器は爆雷と対潜ミサイルだ」

「性能は?」

「爆雷はまさに目標の見当がつかなければ当たらん。対潜ミサイルは空母より

足が速い潜水艦の場合は当たらんが時速四十五キロだ

見つければまず撃沈する事は可能だろう」


「どこからでも攻撃出来るのかしら?」

「爆雷なら航空機に巡洋艦と空母と発射装置さえつければ輸送艦からでも

攻撃可能だ。当たるかどうかは腕次第だがな」


「レーダーの性能は?」

「そうだな、艦艇用レーダーで二百五十キロ程度だな。目標が戦闘機より

小さいと五十キロ程度まで接近しないと判らんな

航空機用は三十キロ程度だな。重いから戦闘機のはもっと短いぞ」

 


 時速千キロ出たとすれば三分以内に発艦して攻撃か

ちょっと無理か、そもそもそんなに速いミサイルはこの世界に存在しないか。

     

「二号から四号空母と巡洋艦には対潜ミサイルを装備してくれ」

「愚か者め。既に装備済みじゃ」

「仕事が早いな」


「当分の間は十四式爆撃機の哨戒網で何とかなるじゃろう」


「それでうちでも潜水艦は作れそうか?」

「無理すれば作れない事もないといった所か。設計図はお前さんの持ってきた

空母の中にあったからの」


「どこが一番難しい?」


「エンジンじゃな。かなり大型になるぞ。音も大きくなるし

うちの航空機の良い的じゃ」


「色々ありがとな。二型じゃなかった三型に期待してるよ」

「気長に待っといてくれ」


 うるさい潜水艦じゃ輸送船以外なら何とかなりそうだな。


          

 

 今日は遂に年末だ。   

 クリスマスや冬休みの習慣が無いから平常運転だ。


「明日で遂に十七歳ですね」

「ヤンとコンラートは女性とは進展したのか?」


「手強い相手ですよ」

「気長に行きますよ」


     

「ノア様、アレス鉄道とアレス航空を筆頭に各所から無線に関しての

苦情が殺到しておりますが如何致しましょう?」

        

「距離が短かったかな?」

「逆です。聞きたくない事まで聞こえて、挙げ句の果てには重要な

話の最中に内緒話が聞こえてくるわと大混乱だそうです」


 そうか、周波数帯は軍用と民間しか分けてないな。


「コンラート、一番緊急性のあるのはお前の所だ。お前が管理しろ

そうだな、軍用はいいとして、民間は航空機とそれ以外に割り振ってくれ

適当に割り振ると恨みを買うぞ」


「コンラートは暇そうだし丁度良いですね」

「着陸のタイミングで無線が乱れたら大変そうだもんな」


「わたしは空軍長官なんですが?」

「航空局なんてないんだ。空軍が管理しなくてどうする」


 

    

 コンラートが喚いていたがその日は就寝

 そして、夜も明けて遂に新年だ。


  

「今年こそは結婚しないと不味いですね」

「新年会を楽しもうぜ」


「天使アヒルは二十羽だけですか?」

「うちの本命は収穫祭だからな。新年会なんてついでだよ」


「三年物のバーボンを飲もうぜ」

  

    

 結局、五時間で新年会は終わり、みんな家でゆっくりだ。

 そもそもいつでも会えるのに新年会は必要ないんじゃ無いだろうか。


 

 そして翌日の昼過ぎに悪いニュースが飛び込んできた。   


「ロアンとバルバロッサの街が一つずつ海上から攻撃を受けたようです

すぐに飛行艇をだして捜索したそうですが……発見出来なかったようです」

  

「被害は?」

「ロアンとバルバロッサ共に五百人程度だそうです。新年会の会場を

狙って三発以上の爆弾が飛んできたと言っています」


 密集している場所を狙ってその程度か。それほどの威力じゃないのかも?


「うちに被害は?」

「ありません。ハマーンの近海で国籍不明の浮遊物を発見したので

爆雷で対応したそうです」

      

「そうか、ありがとう」

どこの誰かは知らないがうちの領海を通ろうなんて無謀だよ。


 

「困りましたね。また戦争ですか?」

「ラウス地方なんて要らないし援軍に飛行艇を十隻程度出すだけだね」


「うちの東、いや全海域に哨戒網を張ります」

「お願いするよ」


浮いてたという事は水中発射型じゃないのかも知れないな。


 

 

 更に五日後にはガイア大陸の南の四カ国も攻撃を受けたと言ってきたので

うちは正直に二隻撃沈したと答えておいた。

 最近は月光便も面倒だな。


    

「昨日、うちとトレミーを除く国が二度目の攻撃を受けて

協定通りに明日にもサントスへの進軍を要請してきました」


「うちの使者も追い返されたみたいだし仕方ないね。飛行艇で対処しよう

空母と巡洋艦も東へ展開しておいてくれ」


 

    

 遂に戦争。といっても空軍だけの参加だ。

バルバロッサもロアンも陸上部隊は集結中の状態だ。


「ロアンの飛行艇が攻撃を開始しました」

「我らはバルバロッサが攻撃を開始した後に攻撃を加える」


       

既に二時間経つがバルバロッサが攻撃をしないのでうちもしてない。

 

「バルバロッサの飛行艇部隊は三十もいるのに攻撃しませんね」

「我々が攻撃するのを待ってるとも思えないけど」


「バルバロッサが攻撃を受けたと言っていましたが

あくまで我々は言葉しか聞いていませんからね。あるいは……」

    

「敵の狙いはロアンと我々だと?」

「可能性はありますね。フリーダムと東大陸が全面戦争になって

一番得をするのはバルバロッサ帝国でしょう」


「よし、バルバロッサに月光便を送って

一時間以内に返信が無い場合は帰還する」


     


 結局、バルバロッサからは返信も無く攻撃もしなかったので

我らはフリーダムに帰還だ。


  

「ロアンからクレームが来てますね」

「バルちゃんが意地悪だからって言ってあるよね」

「バルバロッサの事ですね。勿論言ってありますが」


   

 そして一週間後に本命の東大陸の艦艇五百隻がラウス地方に上陸したと

無線で報告が来た。


「兵だけとも思えないから実際は十万くらいかな?」

「ノア型空母の二番、三番、四番艦が東に展開してますから問題は

ないでしょうが」


「本国は?」

「そろそろ五番艦が就航するので一番艦だけですね」


    

 ロアン軍は奮闘するも敵の火力の方が上回っているようで戦線は五日で崩壊

サウスベルの南から西へ徹底してサウスハマーンの南で再び防御を固めるも

一日で崩壊してしまったようだ。


「敵はサンドリア湖の南東まで進軍しています。確認されている機械部隊

だけでも飛行艇五十隻にプロペラ式の戦闘機が百以上に爆撃機が三百以上で

北の海で我らが撃墜した潜水艦は既に十隻になります」


「フリーダム以外でも戦闘機を使用している国があるんだね

国籍は判った?」

    

「それが紋章が無く、赤と白の二色の戦闘機だそうです」

     

 九割以上は転生者で確定じゃないか

女神メディアの送り込んだ転生者だったか? うちの女神が強いって

言ってたな。戦闘機同士の空中戦なんてしたくないな。


「領空に侵入する素振りがあれば即撃墜だけど

それまでは警戒だけにしておこう。零式も用意しておいて」

     

「わかりました」

    

 

そして二月の初めに謎の部隊の進軍はジュノー大陸の西沿岸にまで到達。

 ロアンの兵士は部隊別に降伏してしまった為に

幹部は飛行艇で本国へ逃げ帰ってしまった。


「南へ行くか、このまま占領政策をするか

それともうちへ攻め込んでくるか。ヨハンならどれを選ぶ?」

  

「兵力と高い技術力があるならロアンの残りの領土を攻め取った後に

北進でしょうが、潜水艦をうちが沈めてるのはもうバレているでしょう」


「そうだね、既に十八隻も沈めてるからね」

「わたしならうちかバルバロッサのどちらかと停戦協定を結んだ後に

断った国に攻め込むでしょうね」


「二型じゃなかった。三型はまだかな」

   

「私思うんだけど、こっちから攻めちゃ不味いの?」

「別に不味くは無いよ。敵のお仲間と思われる潜水艦をかなり沈めてるしね」

     

「それなら先制攻撃しちゃえば?」

「わたしとしてはこのまま海を渡って西大陸へ行くか

南進してバルバロッサに攻め込んでくれると最高なんだけどね」

   

「私でもこのまま西大陸へは行かないわね」


 まともな戦略眼があればそうだよな。

 バルバロッサが同盟国なら別だけど。


「飛行士には迷惑掛けるが監視だけだね」



謎の部隊は南下したので我々も警戒レベルを下げて対処だ。

 そもそも国の紋章くらい入れて欲しいよ。


 

 そして梅の季節も終わる頃に以前に東大陸へ金と銀を売りに行っていた

部隊が帰って来た。


「今回はどうだった?」

      

「はい、前回と同様に金を八千トンに銀を五十万トンです

金が一キロで黒金貨六枚で銀が一キロで小金貨七枚です」

 

 来たよまた来たまた来たよ。星金貨八百三十万枚超えが。

 戦争してる割には余裕があるな。


「ヨハン、敵国の情報は?」

    

「サントス王国の兵が少なかったのは西大陸を統一する戦いに

本隊を当てていた影響のようでして、かなりの戦死者をだした模様ですが

東大陸は去年の十一月に統一した模様です」


「大陸の大きさって判るかな?」

「商人の話だと南北を馬車で三ヶ月くらいだそうです

三つの国で統治していたと言うので、私の予想ですが我が国の二倍以上かと」


「機械兵器はどの程度あったと言ってた?」

 

「一時間に一回は戦闘機の哨戒があり、基地には二百機程度の戦闘機や

爆撃機があり、街ではまだ馬車が四割程度は活躍していた模様ですし

海軍の基地は立ち入り禁止だったそうです、予想するに航空機が我らの

三倍から四倍で残りが潜水艦と水上艦艇でしょうか」


「警戒すべきは航空機の数か」

「プロペラ機といえど高高度から零式で測定した所

最高速度三百五十キロ程度との事です。決して侮れません」


 十四型より速いじゃないか。


「ダンに増産を命じたんだよね?」

「それが半端な物は作れないと言われまして……」


 おいおい、ここに来てプライドを優先させるか。

     

「今あるルッツ型戦闘機の総数は?」

「六百機です」

       

 安全な方法は奇襲で敵の航空基地を叩いて

ジュノー大陸から航空機を追い出す事だが。


「一式戦闘給油機の増産をお願いしてみてくれ」

「それでしたら三式戦闘給油機が完成したそうなので

今はテスト飛行中だそうです」


 戦闘機が足りないのに給油機を先に改良開発してるのか?    

     


「暫くは様子を見よう」

 

開発工房の行動が理解出来ん。



お読み頂きありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] ソナーは? 対潜ミサイルって対潜短魚雷?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ