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第五十五話:通貨は固定がいいよね


 十二月も下旬になり、ジュノー大陸で戦争が終結と思っていたら

キングダムが放棄したラウス地方とワイバーン地方の東部にヒンメル地方の

北部を争ってロアン王国と東大陸の兵が激戦を演じる事になった。



「東大陸もイシュタル国王の遺言で国土を譲られたから防衛していると

図々しい事を言ってるけどロアンも東西に戦線を伸ばしすぎよね」


「他の二カ国は何してるんだ?」

「なんでも超大型の台風が三つもご丁寧にバルバロッサとキングダムと

ヘンドラー地方で停滞してるそうですよ」


 この時期に停滞する台風となると人為的な物か。

「キングダムはラッキーだったな。今頃死に物狂いで飛行艇の増産を

しているだろうな」


 こうなると、かなり強力な魔法師が動いていると思って良いだろう

問題はどこの国の所属かが問題だな。



 怒りを収めないとな。多少は俺も遊ぶか。


「ポンよ」

「また俺の番が抜かされたぜ」


「よし、リーチだ」

「おいおい、親リーかよ」


「ロン! リーチ一発ピンフジュンチャン三色イーペーコドラ四で

三万二千だ」


「これは、負の呪文が聞こえる」

「これでニコが一位でわたしが二位でミーアがプラマイ零の三位で

ヤンの一人負けだな」

                

「ヤン、わたしはプラス一万五千だから金貨十五枚よこせ」

「わたしはプラス四万二千だから金貨四十二枚だよ」


「俺の給料が減っていく……」


「今は国中で麻雀が大流行なんでしょう?」

「そうだな、一点につき百というのは少なそうだが、点十や点五程度で

遊ばれているらしいぞ」


 フリーダムは土地が広いせいか

カジノへの集客が無理とヒルダが判断して国営の雀荘を各地に展開中だ。


「こんな所にいたんですね」

「コンラート、どうしたんだ仲間に入りたいのか?」

   

「違います。若様に判断を仰ぎたい事がありまして

それで新領土の旧王都の……面倒ですね

そろそろ人口五十万以上の街には名前をつけてくださいよ」


              

「名前をつけるのは得意じゃ無いんだが、それじゃサザンクロスの南の街を

セリーヌ、エクレールの東の街をブルームでアレクサンドリアの旧王都は

サンドリアでその東がハマーン、更に東がベルで一番東がイースタンだ」


 適当だが慣れれば愛着も湧くだろう。

  

「それで、サンドリアの南にある橋とイースタンの南にある橋に

それぞれロアンと東大陸の軍隊が集結しているようなので

橋を破棄した方がいいと現地の指揮官から報告がありました」


「軍隊か……よし、いいだろう。爆撃機で木っ端微塵にしてやれ」

「これで難民の受け入れも終了ですね」


「西はサンドリア湖で補給できますが、えっとイースタン南部に進軍中の

ロアン軍に補給が出来なくなりますが」


「敵は飛行艇を四十隻も投入してきたそうじゃないか。もうロアン軍に

勝ち目はないだろう。戦闘機を護衛につけて中型ヘリで物資を

ベルの南に落としてやるんだな」


「こうなると東に引っ越しって来たのは東大陸のお客さんと

いう事になりますね」


「ロアンもサウスベルの南東まで占領したんだから頑張った方よね」              

 既に勝手に街の名前をつけてるし、ベルの南の国境の街だから

サウスをつけるのは悪くないか。


「コンラート、そのサウスベルの防御はどうなってるんだ?」

「若様もサウスベルですか……まあいいでしょう。サウスイースタン、 

サウスベル、サウスハマーンにサウスサンドリアにはそれぞれ両用砲の

高角砲が六十門設置されて空港も出来ています。飛行艇での空襲は無理かと」


「南の警備に当たっている兵士には臨時ボーナスを出してやってくれ」


      

 

そして正月がきてしまった。遂に一型は出現せずだ。


「新年おめでとう」

「「「おめでとうございます」」」


「アルタイルの時の王城は凄かったけど、それに比べるとしょぼいわね」

「兄貴、城は作らないんですか?」

 

「材料と金はあるんだが建てる場所がないな」

「サザンクロス辺りなら土地が余ってますよ」


「そうなると魚がたまにしか食べれなくなるぞ」

「そうなりますか……カニが食べれないのは辛いですね」

        

「それよりそろそろお前達も結婚しろよ。長官職のリキ、レン、フレッドは

既に子持ちだぞ」


「若、わたしは農務の補佐官をしてくれているナディアと今月の中旬に

結婚する予定です」

    

「ニコ、この裏切り者め」

「おめでとう。姉さん女房も良いかもしれないな。冬じゃないと忙しくて

新婚旅行にも行けないからな」

  

「俺は色町で堪能してますから」

「ほんとヤンは不潔ね」


「デニス兄さんも妾でも娶ったらどうだ?」

「裕福な人間には一般的かも知れないけど私はシャルが怖いからね」

    

「ヤン、デニスに変な事を吹き込まないで頂戴」

「わかったよ。やはり俺の嫁はラライラちゃんかな」


「「「それは無い」」」


 

   

そして仕事始めだ。この国にも正月文化を根付かせるべきかな。


「ノア様、報告です。トレミー帝国とは米と小麦が一トンでアレス金貨一枚

大麦が小金貨五枚で、ロアン王国は小麦一トンが金貨二枚で大麦が金貨一枚

更に今年からバルバロッサ帝国への輸出が開始されて小麦が一トンでアレス

金貨で二枚と決まりました」


 アレス金貨は二倍の価値だからトレミーが二十万アルで、ロアンが

四十万アルでバルバロッサも四十万アルになるのか。帝国?

    

「ヒルダ、バルバロッサは王国じゃ無かったのか?」

 

「戦争終結の一週間後に国王が皇帝に即位して、今では旧キグナスの

帝都の南に住民五十万に加えて奴隷千二百万を動員してバベルという

帝都を建設中です。政治体制も皇帝を絶対支配者として軍を皇帝の

直轄として完全な独裁国家になっております」


小麦だけというのは気に入らないが一トンで四十万アルで

買ってくれるなら当分は取引してみるか。


「それでご相談なんですが今年から国内で流通する通貨を全面的に

アレス通貨に変更しようと思います。思った以上に偽造通貨が

出回っております」


「混乱しないなら構わないよ」


「そして輸送船なのですが三百隻余りが来年の夏には廃船になる予定なので

アレス金貨三枚で希望者に売りたいと思います」


「よく頑張ってくれたからね。最後は商人に使って貰うのもいいかもね」


 バルバロッサ帝国に一度売りに行けば十分に元が取れるし悪くないだろう。

 そろそろ五十トン程度の輸送船を売り払って輸送船を五千トン以上大型船に

移行しておきたい所だな。 



「若君、ランチでも食べに行きませんか?」

「丁度お腹が減っていた所だ。ぜひ行こう」


  

 もはや馬車は街の中に存在していないのか

俺達も車で移動してるしな。


「お客さん、お代はえっと……アレス大銅貨で二枚だね」

「ありがとう」

十円玉がないというのはやはり不便だよな。


「おやじさん、カニ鍋のBセットを二人前ください」

「はいよ」


「それで話とはなんだ?」

「我が国の東に上陸した国はサントス王国というらしいのですが

食糧を何でもいいから十キロで小金貨一枚で買うと言ってきてるんです

勿論アレス通貨じゃありませんよ」


「それを兵に配ってうちに攻め込んでくるとかないだろうな?」

「保証は出来かねますが、東大陸はかなり遠いらしく輸送が困難らしいです」

       

 遠いいとなると大艦隊で攻め込んでくる以外に方法がないのか。


「それじゃ米を一トンで金貨六枚、小麦を金貨八枚、大麦を金貨三枚で

売ると交渉してみてくれ」

「わかりました」


 売れなければそれでも問題ない。


「おまちどう。当店自慢のノルトかにとソーセージとご飯のセットだ」


「美味そうだ。やはり鍋は雑炊が出来るご飯が合うよな」

このソーセージは羊の肉か。

もう羊毛の刈り取りが始まってるんだな。


「中々いけるでしょう、ここはヤンが見つけてきた店なんですよ」

「悪くないぞ。この良いダシに出してる昆布が格安とは店も儲かるだろう」

「ノルト大陸もクッション代わりに商品にふんだんに入れて来ますからね」

 

 ふぅ、食ったな。

  

「親父さんお勘定?」

「えっと、一人前で銀貨三枚と銅貨四十枚だから……アレス通貨だと」

「親父さん、二人前だから一人前の金額をアレス通貨にすればいいんだよ」


「そうか。それじゃ三千四百アルだから……銀貨一枚と大銅貨七枚だな」

「それじゃこれね」

        

「デニス君、聞きたいんだが。うちのビールは銅貨十一枚なんだが

一杯だけ注文されたら幾ら取って良いんだ?」

   

「そうか、割り切れないか。銅貨六枚でいいんじゃないか?

お替わりしたら銅貨五枚にしてやればいいじゃないのかな」


「おお、参考にしてみるぜ」


 なんか混乱してるじゃないか。特に安い商品が。



お読み頂きありがとうございます。

新通貨は海金貨が二千万円、黒金貨二百万円、金貨二十万円、小金貨二万円

そして銀貨が二千円と銅貨が二十円、大銅貨だけ二百円のままという設定に

変更しました。



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