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第五十二話:王族には呪いが流行っているらしい


 ルッツ型戦闘機の実戦配備が開始された夏にノーラ姉さんの二度目の

結婚式が行われた。


「新婦の入場」

   

エスコートは爺ちゃんか。


「それでは新郎マルコ・ベネットと新婦ノーラ・フリーダムの

結婚の儀を行う」

 

「二人に問う、汝、病めるときも貧しきときも健やかなるときも

お互いに支え合い子供を愛し愛と豊穣の女神にこれを誓うか?」

    

「「誓います」」

 富める時とか無いし苦労の多そうな生活を想定しているようだが

ジュノー大陸だと結婚と出産を祝福する女神だからこんなもんかな。 


 そういえばアレス教はどうなったんだろうな。


「女神、ジュノーとアレスの名においてここに二人を夫婦と認める」



 ミーアが司会か。

 

「私を見よ。行くぞパーティの始まりだ。倒れる迄遊んで飲んで食べまくれ」   

「それじゃダンスパーティだ」

 

 ミーアもヤンもノリノリだな。


「ご主人様、踊りませんか?」

「踊るのは構わないが、ご主人様は辞めてくれよ」

   

「それじゃ……あなた、お、おどりましょう」

「喜んで」


 リリーナ、アリス、セーラと踊って既にダウンだ

真面目にダンスのレッスンをしてこなかったからな。


「アレス領の最初の年に作ったワインとバーボンを放出するぞ

みんな飲みやがれ」


「「「おおおおおぉぉぉぉ」」」


 

 そして午後二時から大宴会で午後四時から締めのお食事会だ。


「赤マグロのステーキーに若い天使アヒルの丸焼きを八百羽分だ

これを逃したら三年は食べられないと思え!」


 なんという殺気。こいつらただ者じゃないな。


 俺は負けない。何とか一皿ゲットだ。


「ノアお兄ちゃん……取れなかったよ」

「これを上げよう。友達と食べて良いよ」

「ありがとう」


 そして、もうテーブルには既に無し。

 国王なのに一口も食べられないとは。なんという無情。


 

           

 そして八月中旬にトレミー帝国から来た商船が移民を乗せてきた

何でもトレミー帝国で政変が起きたらしい。


「ノア様、トレミー帝国が第一王子派と第二王子派と第一王女派に

割れているようですね」

 

「それぞれ、どんな人物なんだ?」

「第一王子は病弱で亡くなった王妃の息子で内政向き、第二王子は健康ですが

元々は公爵家からの養子で領土拡張に意欲的で王女は健康で理性的で

帝国でも圧倒的に人気があり聖女とも呼ばれているようです」


「女性じゃなければ王女を応援したいが」

「ノア兄、男女差別は良くないよ。この前も空軍のポスターに

ノーラ様にヘルメット持たせて広告塔にしたばかりじゃない」


「でも王女じゃ旦那を取らないといけないだろう」

       

 俺が学院の三年生の時にはもう攻め込まれていたからな

足かけ三年も戦争してれば不満も出るよな。


       

「わたしは第二王子以外なら良いと思っております」

「お得意様のノルト大陸を狙われるか?」

「最悪はジュノー大陸に攻め込んで来る可能性もあります」


 減っているだろうが正規兵が百万と言ってたからな。


「そうなると正当に第一王子を押すのが妥当か?」

「兄貴、俺的には病弱な陛下の方がいいですけどね」

「若君、少し揺さぶってみましょう。空母を二隻派遣してみては?」


「トレミー帝国とも戦争になったら金貨を得る手段がなくなりますよ」

「よし、空母一隻を後方で待機させて我々が入国してみよう」


「メンバーは?」

「マルコは防衛任務だからデニスには第四空母の慣熟航行を見てもらいたいし 

空母の指揮をシャルに任せて……ニコとリリーナは連れて行けないから

私とヤンとミーアとコンラートとヨハンで行くか」


「あなた、ニコは夏で忙しいからわかるけど何でわたしも残るんです」

「皇帝は暗殺されたみたいじゃないか。お前はルーカスを守ってくれ」

「あ、そうですね。わかりました」


 あくまで暗殺というのは噂だけどな。



 

 そして翌日、ノア型空母に高速巡洋艦をつけて沖合に出て

俺達五人はトレミー帝国に転移だ。 

      

「王様が死ぬとどこもこう嫌な感じで荒れる物なのかな?」

「まともな皇帝だったという事だろう」

     

「ユキ商会は開いているようね」


「こんにちは」

    

「これはノア様と重臣の方々ですね。よくいらしてくれました。中へどうぞ」


 商品がだぶついているようだな。


「ユキさんは後継者問題で誰を押しているんですか?」

「いきなり直球ですか、ユキ会長は伯爵家のご令嬢で去年の夏に第一王子に

婚約を申し込まれているので第一王子が理想でしょう」


「第一王女は慈悲深く聖女だという噂が流れていますが?」


「とんでもない。第一王女は別名をギルド王女といって商業ギルドを

実質的に支配していて個人資産だけで星金貨一千万枚と言われています

商才だけは天才的ですけどね」


 絶対、ノルト大陸に絡んできそうな予感がするな。


「それでは私どもも第一王子を押しましょう。今、お困りの事は?」

「そうですね。殿下の病気の回復と第二王子が持つ第一から第六師団の

指揮権の奪還でしょうか」


「一個師団の人数は?」

「五万人です。第一王子は近衛兵二万の指揮権しかありません」


 正規兵三十万の指揮権か。

                  

「どこの国も軍事力を持つ人間に力が集まるのね」

「兄貴は軍事力を全て握ってるじゃないか」


「ここは隣国の国王と宰相として私とヨハンで城へ行ってみよう」

「仕方ありませんね。初対面の王子に転移魔法で会いに行くわけには

いきませんからね」


  

 帝国ってどこでも王城を大きくしないと気が済まないんだろうか?


「衛兵の方、私は隣国のフリーダムの国王。ノア・フリーダムだ

第一王子に取り次いで貰いたい」

      

「わたしは国の宰相を務めているヨハン、ラズベリーだ」


「少々お待ちください」


 さすがに三年も取引してるんだ、名前は知っていたか。


  

おいおい、王様が来たんだから応接室に通せよ。

 

「お待たせしました、ミュラー王子が中庭でお会いするそうです」


 ミュラーと言う名前なのか。なんで中庭なんだ

噂の聖女様と第二王子に気を遣ってるのか。


  

「よく来て頂きました。ミュラー・トレミーと言います」

「お招き感謝します。ノア・フリーダムと言います」

「わたしは宰相のヨハンと申します」


「それでご用件は?」

「率直に申し上げる。トレミー帝国が内紛状態だと当国との取引に影響が

出るので多少強引な手段を用いても早く皇帝を決めて頂きたい」

      

「裏表のないご意見、誠にごもっともですが私は病気なのです

医師にはあと半月といわれております」

  

 そうは見えないが。


「少々失礼する」


「では拝見させて頂きます(血の道を示せ)」

     

――――――――――

    

 名前:ミュラー・トレミー

 年齢:十五歳

 種族性別:人族:男

 所属:トレミー帝国

 魔力:王級

賞罰:無し

 状態:中毒(伝説級:呪詛×二、怨念)


 加護:ヘスティアの加護(伝説級)


――――――――――


 同じ年か。

 また呪詛を受けてるのか? それも二人分だよ、どこにでもいるもんだな。

王子なのに。そもそもユキさんなら治せるだろうに。

 

「貴様、王子に鑑定を使ったな」


「おい黙れ。ミュラー王子は病気じゃないぞ。伝説級の呪詛を受けているぞ」

    

「僕が……呪いを受けている」

 


「ノア陛下、ミュラー王子を治して頂けるなら私に支払える物なら

何でも差し上げましょう」

  

「ユキさんじゃないですか、貴方には治せなかったんですか?」

「残念ながらわたしは破壊は得意ですが治癒に関しては特級レベルです」


「ノア様、ユキさんの経営する胡椒畑の権利と交易における

税の免除をおねがいしては如何でしょう」

    

今は取引額の一割を帝国に取られているから平和条約なんていう形式的な

約束より有益だな。


「それではユキさん所有の胡椒園の権利と交易税の免除で治療致しましょう」

 


「ミュラー、それでいいかしら?」

「僕は構わないけど伝説級の呪いを治癒する事なんて出来るのかな?」

「ノア陛下は学生の頃に王家の人間の神話級の呪いを治したと聞いています」


「そうか、健康な体が取り戻せるならぜひお願いするよ」


「王子、このような無礼な輩の言葉に惑わされてはなりません」


「お前、第二王子の味方なんじゃないのか?」

「そんな訳あるか」

「それじゃ聖女様の下僕か」

  

「無礼者。みなこやつを殺せ」


「我願う一筋の光、魔力コンマ一割、照準極小、【レーザー】」


「将軍……死んでるぞ」

              

「自業自得だな。死にたくなかったら王子が治るのを黙って見てろ」

 

「行きますよ」

 ちょっと久々なので緊張するな。


「光と水の精霊にノアが懇願する。我と精霊達の力を合わせ目の前の傷ついた

者に激しい癒やしの力を授け給え、【魔力八割、対象固定、ギガキャア】  

更にお願い奉る。我が前の呪詛を使い手に百倍にしてたたき返せ、【怨念返し】」


 百倍はやり過ぎたかな。死ぬ人間は運がなかったという事だな

俺の家にも呪詛結界を張っておくか。


「体が軽い。この三年間が嘘みたいだ」

「ミュラー、おめでとう」

「ありがとう、ユキ。これで君と結婚出来るよ」


  

「盛り上がっている所を申し訳ありませんが、騒ぎの際中に魔法契約書を

作成しましたのでサインをお願いしたい」

    

ヨハンは冷静だな。一度見てるしな。


「僕が皇帝になれなければ効力は発揮しないよ」

「その時は胡椒園だけで結構です」


   

胡椒園の契約書まで王子がサインしていいのかよ

幸せな女性は寛大だっていうし問題無いか。


 ◇ 

  

「ミュラー王子、第二王子と第一王女が先ほど黒い闇に包まれて

死亡したという報告です」


「やっぱり、ミュラーに呪いを掛けていたのはあいつらだったのね」

   

「王子、第一師団に集結命令がだされました。王城へ集結中です」

「近衛兵に連絡を」

  

「海外遠征中に国内で帝国の軍人同士で戦えば禍根を残すでしょう

ここは貸し一つという事で私達がその師団に威嚇攻撃をしましょう」

   

「相手は国の精鋭だぞ」

「今後もよい取引をして頂く為の投資でございます。多少は兵が死ぬと

思いますが諦めてください。内戦に比べればかなり少ないかと」

   

「ヨハン、連絡してくれ」

『了解、シャル聞いているか。十四型戦闘機を六十機

帝都へよこしてくれ』

   

『わかったわ』

 


 そこからはうちの戦闘機の独壇場だった。五万といっても空からの機関砲を

喰らっては対処方法も無く、二千程度が死んだ段階で投降してきた。


 トレミー帝国は銃こそ全軍に行き渡っているものの飛行艇は切り札的存在で

僅かに十二隻を所持するだけらしい。


 帰って新鮮な夏野菜でも食べるか。

   

 

お読み頂きありがとうございます。


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