プロが教えないコツその2
今回も飯テロ屋たちの底上げです。
表紙を飯テロで一杯にしましょう。
今回は、和食をベースに幾つか紹介します。
・お刺身のお供、大根の剣。
シャキシャキして美味しいですね。
店によってはポン酢を別にくれたりします。
さて、その剣ですが、桂剥きして水に晒すのですが、スライサーを使うと、どうしても歯応えが悪い。
そんな時は、明礬を使いましょう。
明礬水に浸けると、シャキシャキになります。
大量に調理が必要なホテルなんかは、大抵明礬水で時間を短縮してます。
但し、浸け過ぎに注意です。
大根にハリが出たら、引き揚げて、流水に晒して下さい。
・吸い物の王様は、やはり清まし汁です。
鰹と昆布のシンプルな吸い物です。
しかし、これは長年の経験が必要で、一発で味を決まめるには熟練の感が必要です。
さて、この清まし汁。
先ず、昆布出汁を引きます(出汁を取る)
その際、昆布を水に着けて、一晩寝かせます。
そうすると、じわりじわりと旨味だけが、染みできます。
時間がない場合は、水から沸騰直前まで、昆布を炊きます。
そして、沸騰直前で火を止めて冷まします。
大体、人肌程度まで冷まして、昆布を引き上げます。
そして、改めて沸騰させて、削り節を入れます。
鰹節の選び方は、黒い部分が少ないのを選びましょう。
黒い部分が、鰹出汁の雑味の原因です。
そして、引き揚げるタイミング。
普通は直ぐに引き上げます。
しかし、火を止めて、出汁が落ち着いてから引き上げると、鰹節の風味がより増します。
ここからが裏技です。
昆布を入れて一晩寝かせますが、この時、鰹節も一緒に入れます。
そして、火にかける前に鰹節を引き上げ、後は普通に出汁を引きます。
この時、鰹節の分量の半分を浸け置きに使い。残り半分で香り出しに使うのです。
そして、出汁を引いた鰹節は酒、味醂、醤油で煮詰めて、味の花にします。
昆布はもう一度干して、今度は酒で戻して、佃煮にします。
さて、和食と家庭和食の一番の違いは、酒です。
職人は料理酒に、必ず飲料可能な清酒か混合酒を使います。
試しに調理酒を飲んで見ると解ります。
くそ不味いですから。
美味しい和食を作りたいなら、安物でも良いので、飲める日本酒を使って下さい。
閑話休題。
・焼き物。定番はやはり塩焼きですね。
海でも川でも絶妙な塩加減の魚は美味しいものです。
ちょっと良い割烹屋に行くと、一見塩まみれの焼き魚が出ます。
しかし食べると、程好い味加減で、ビックリする事もあると思います。
実はあの塩は化粧塩と言って、ヒレにしか着けてないんです。
実際は、仕込みの段階で、飲みやす塩梅の塩水に、浸けているんです。
そうすると、塩味が満遍なく染み込み、水分を含んだ分ふっくらと焼き上がります。
浸ける時間は、物にもよりますが、大体一時間位ですね。
但し、浸ける過ぎると、水っぽくなりますから注意してください。
そして、焼く時は、川魚の時は皮から焼いて下さい。
逆に海魚は身から焼いて下さい。
これは和食の焼き物の基本です。
理由は様々ありますが、川魚の場合は、皮を先に焼いて、中身を蒸し焼きにする為です。
海魚は身が脆い為に、先ずは焼き締める為に身から焼くのが基礎です。
この時、酒を振り掛けて焼くと、旨味増しと余計な焦げ付き防止になります。
・漬け。
焼き好し、寿司に好し、マグロの漬け寿司は最高ですね。
焼き物なら、西京焼き。若狭焼き。幽庵寺(地)焼きが有名です。
さて、その漬け置き時間が、旨さの決め手になります。
職人は、どう判断しているのか?
実は、表面にヌメリが出たら、引き揚げます。
あまり漬け過ぎると身が締まり美味しいありません。
逆に漬けが足りないと、味がしません。
その絶妙なタイミングの合図がヌメリです。
これも物にも依りますが、10分位を目安に表面を触って見てください。
ヌメリが出たら、引き上げ時です。
今回は、ここまで。
皆さん良い飯テロを……