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能力開示

能力設定って悩みますね。


視界に表示された得体の知れない文字らしきモノの羅列に慌てふためく一同に対し、

「皆様、御自身のステータスは分かりましたか?」

とアウトが言うと、真名兎と犬飼、澄音を除く全員が口を揃えて突っ込んだ。


「「「「「いやいやいや、読めるか、こんなん!!」」」」」



「ふむ、…ならばアウトよ、一人ずつ彼等に読んでやれ。」


クレスが娘にそう命じたのを聞いた真名兎は即座に声をあげる。


「はい!王様、それなら一人ずつ別の部屋でやって貰っても良いですか?」

この小さな少女は何を言っているんだ?と言わんばかりに真名兎の方を見る一同

そんな中、教師の白戸だけが、

「あなたは確か、宇佐見さんの…弟さん…だったかしら?」

「はい、姉が生前お世話になりました。」

「そう…で、何故こんな事を言うのかしら?」

「え?だって、誰だって敵には出来るだけ手の内を晒したくないですよね?」

「敵って…何を言ってるの」

「僕の大切な人を絶望の底に突き落とし、死に追いやった者…って意味ですよ?」


「ですよね?蔦谷先輩達も、そう思うでしょ?」

愛する姉を死に追いやった憎い敵に向けて、真名兎は笑顔でそう言った。


「いや、僕はそうは思わないな。此所に居る全員は、言ってしまえば運命共同体だ。仮にそんな奴が居たとしても、今は全員が互いの出来る事と出来ない事を把握しておくべきだ。」

「そうだぞ、1年坊……嬢?、あれ、なぁイクこの場合どっちだ?」

「どっちでも良いだろ、カズマ。けど、まぁ…確かに龍二の言う通りだ。なぁ皆!?」


蔦谷の言葉に同調する馬場と強矢。そして強矢はその場に居る全員に同意を求める。


「そうだねぇ。マナちゃんも運命共同体かはともかく、“敵を知れば百戦危うからず”とも言うからねぇ…此処は素直に先輩の言う事に従っとこうかぁ?」

真名兎の背後から一人の女子が話掛けて来た。

「誰ですか?僕はこれでも男ですよ」

「でもー、今は女の子でしょー?」

「なら、せめて“ちゃん”付けは止めて下さい。そして離して下さい!当たってるんです!!」

「だって当ててるんだもん。それにぃ、どうしよっかなぁ。(大丈夫、私は君の味方だよ。)」


「え?」


「(後でゆっくりと…ね?)嫌がってる女の子に無理矢理ってのもアレだからねぇ。またね、マナちゃん」



手をヒラヒラさせながら、その女子は真名兎から離れて言った。







「…確かに、そうですわね、そちらの方の言い分はともかく、蔦谷さん達の言う通りですわ。」

「そだねー、あたしもお嬢の意見に賛同かなぁ」

「俺も」

「オレも」







強矢、馬場、蔦谷の三人にほぼ全員が同意した為に、その場で全員の能力が明らかにされる事となった。



「では女性陣から、こちらにお願いします。男性はそのまま待機でお願いします。」

ぞろぞろとアウトの方へ向かう女子達、真名兎がどうしたモノか躊躇っていると、

「ほら、今は君も女の子なんだから、行っておいで」

蔦谷に促され、真名兎は渋々と言った様子で女子と一緒にアウトの元へ


「尚、男性は部屋の後を向き、こちらを見ない様お願いします。」



男子と女子を分けた理由…それはアウトが発した一言で、明らかになった。

「それでは、皆様服を捲り挙げて下さい。」

「「「何ですと??」」」


「私は直接対象に触らないと鑑定出来ませんので。それに、鑑定とは言いましたが、実際には診察に近い能力なので。服を着ていると正確に分からないのです。」


「あー…僕、あっち行ってますね?」

「そうね、今は女の子とは言え、さっきまでは男だった訳だし…弟?さんは全員が終わったらにしましょうか?」

白戸の提案に真名兎は男子の居る方に向かった。

気を取り直してーーーーーーー



「少しくすぐったいかもしれませんが、我慢して下さい。“名前:スミネ・マユズミ(黛澄音)

性別:女性

職業:軍師

スキル/スキルランク:指揮/A、魔法(風属性)/C、鼓舞/S

スキルポイント:2500

称号:異界よりの招き人、小さきき司令塔”です。」

「小さいは余計よ!…ちゃんと育ってるもん。」

“小さい”と言う言葉にに反応する澄音。前習えの体制で腕を伸ばした事は、生まれてこの方、一度も無い。本人は頑なにAと言い張るが、AではなくAAだ。何がとは言わないが…。


「続きまして」



「あー…じゃあ私がやるわ。ネズミちゃんがやったら次はウシさんでしょ?」


「では…“名前:シウン・ミノウ(美納紫雲)

性別:女性

職業:錬金術師

スキル/スキルランク:錬成/A、解析C/、分離/D

スキルポイント:2450

称号:異界よりの招き人、怠惰を貪る知識人” です。」

「はいはーい、じゃあ次は白戸先生の番だねー。」


「続きまして…“名前:ラン・シラト(白戸蘭)

性別:女性

職業:教師

スキル/スキルランク:教導/S、指揮/A

スキルポイント:1800

称号:異界よりの招き人、教え

導く者”です。戦闘向きではありませんがSランクのスキルに加えて指揮を持ってますね。」

「職業が教師って、そのままじゃないの。」

「先生はこっちでも先生なんだねぇ。」


「“名前:ヒナゲシ・オオトリ(鳳雛芥子)

性別:女性

職業:魔法使い

スキル/スキルランク:/火属性魔法A、/D、護身術/E

スキルポイント:3000

称号:異界よりの招き人、傲慢な魔導師”この方はスキルポイントが多いので、後方から火力で押すタイプの様ですね。」




「 “名前:ミサト・ヒツジ(日辻未里)

性別:女性

職業:神官

スキル/スキルランク:治癒/A、浄化/A、

スキルポイント:2000

称号:異界よりの招き人、癒しの担い手”です。高ランクの治癒と浄化がありますので、貴重な人材ですね。」




その後も女子の鑑定は続き…


男子へと


「あなたは…“名前:イノリ・シシド(宍戸祷)

性別:男性

職業:レンジャー

スキル/スキルランク:格闘術/D、狙撃/A、罠設置/C

スキルポイント:2300

称号:異界よりの招き人、守銭奴な仕事人”です。




「続きまして、“名前:ヒデヨシ・サワタリ(猿渡秀吉)

性別:男性

職業:格闘家

スキル/スキルランク:身体強化/S、自己治癒/A、格闘術/A

スキルポイント:3800

称号:異界よりの招き人、英雄を継ぐ者”」



「“名前:リュウジ・ツタヤ(蔦谷龍二)

性別:男性

職業:勇者

スキル/スキルランク:光属性魔法/SS、剣術/A、治癒/B、/

スキルポイント:4000

称号:異界よりの招き人、救世主”」




「“名前: ハジメ・イヌカイ(犬飼一)

性別:男性

職業:暗黒騎士

スキル/スキルランク:闇属性魔法/A、剣術/A、鑑定/C

スキルポイント:3500

称号:異界よりの招き人、風来坊、無頼漢”」





「“名前:イクト・スネヤ(強矢幾人)

性別:男性

職業:魔法使い

スキル/スキルランク:水属性魔法/A、風属性魔法/A、火属性魔法/A、土属性魔法/A

スキルポイント:2500

称号:異界よりの招き人、卑劣な参謀”」



「“名前:カズマ・ババ(馬場和馬)

性別:男性

職業:騎乗兵

スキル/スキルランク:槍術/A、/、/、/

スキルポイント:3300

称号:異界よりの招き人、人の象をした獣”」


………少女鑑定中







「男性の方も以上となります。あとは…」

「お願いします。アウトさん。」



「それでは……( “名前:マナト・ウサミ

性別:女性

職業:なし

スキル/スキルランク:遮断/Ex、鑑定/C、言語翻訳/C、取扱説明Ex

スキルポイント:100000

称号:異界よりの迷い人、復讐の使者”)!!!」

「どうしました?」




「何事だ、アウト。」

「どうやらマナト様はユニークスキルの持ち主の様です。」

「なんだと?」


「“遮断”…それがマナト様の能力名です。それにスキルランクが“Ex”なんて聞いた事がありません!ですが、問題は称号です。異界よりの迷い人、復讐の使者…」


「ならばこの者は、我々が呼んだ者では無いと言うのか?」

「ええ、恐らく…」


「マナト様、貴方は一体、何を憎んで居るのですか?呼ばれてすら居ないのに、世界を渡ってまで…」



「そうですね、大切な女性がこの中のある人に汚され、死に追いやられたので、その復讐ですかね。」




「ここに居る人達が“勇者”を喚べて喜んでる所、悪いんですけど、僕にとってその“勇者様”とその取り巻きは世界を滅茶苦茶にした“悪魔”とイコールなんです。」



「勇者が悪魔?それは…」


「このコの姉が自殺したの。遺書には『出て欲しくなかった線』って書いてあったわ。」


「ああ、なるほど…女の子にとっては一大事だねぇ。」

「それはどう言う…」

「妊娠…」

そう誰かが言うと

「ですが、僕が知った事実はそれだけじゃなかった。」


真名兎は蔦谷達を糾弾する証拠として、持ち歩いて居た姉のスマホを白戸に見せる。


「メールを見て下さい。」



謂われた通りにメールを確認する白戸、そして…

「なんて…事……」

白戸が確認したのは満月が襲われている数枚の画像と、蔦谷の名前で送られてきた脅迫と思われるメールだった。

「」

「離して下さい。澄姉とヒデ兄以外に、僕は先生も先輩方も信用なんかしてませんので。」

「そんな事…」

反論しようにも出来なかった。


「自分の下らない欲望を満たす為に、取り巻きと共に僕の姉を穢し、その尊厳を貶めた。死んだ人間はもう戻って来ないですが、その代償を払って貰わないと。」

能力を発動させ蔦谷と強矢、馬場に迫る真名兎。

だが、そこにアウトが両手を広げて立ちはだかった。






HPや攻撃力などが表記されないのは、それがほとんど宛にはならない数値だからです。超人強度の様なモノです。


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