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自分、異世界で従者として働きます。  作者: Hirota
第一章 従者として
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自己紹介

  僕たちが今いる食堂は混沌と化していた。


  とりあえず、場を静めるためまず僕に抱きついている彼女をなだめた。


  僕はわからないけど、この子からしたら僕は大切な人なんだろうと考えた。


  なだめたおかげで数分で彼女は泣き止んだ。


今は皆の前で泣いてしまったことで、恥ずかしくなったようで顔を赤くして俯いていた。


  場は静めたけどどうしようかと悩んでいると、泣いていた女の子の後ろにミハールさんが笑顔で立っていた。


  「皆さん、良い感じに馴染んでいますね。でも、名前をまだ知らない人もいるでしょうから、まずは自己紹介をしましょうか」


  そして、僕とレナ‥‥‥と黒髪の二人組が横に並ばされた。


  あ、この二人って僕たちと同じく今日からここで過ごすんだ。


てか、黒髪の女の子がこっちをチラチラと見てくるんだけど。


  「では、レナさんから自己紹介してもらいましょうか」


  言われたレナは一歩前に出て軽くお辞儀をした。


  「初めましてレナです。親戚からここに行くことを勧められてここに来ました。三年間よろしくお願いします」


  次は僕かー。なんか具体的な目的があって来た訳じゃないからなー。まぁ適当で良いか。


  僕は一歩前に出た。

 

  「えーと‥‥‥ロイです。レナの従者としてこの学校に来ました。三年間よろしくお願いします」


  とりあえず自分の自己紹介は終わった。


  次は僕に抱きついて泣いた女の子だ。


  僕と同じ黒髪だけど、この寮にも黒髪に近い色をした人は数人いるから、それほど珍しいわけではない。


  女の子は一歩前に出てお辞儀をした。


  「初めましてユキです。異世界から召喚された勇者の一人です。これからよろしくお願いします」


  そう自己紹介すると、周囲がざわついた。


  異世界出身なんだろうと心の中で思った。


  今さっき二人を見たとき自分の心のどこかで懐かしいと感じたし。


  てか、異世界でも勇者って人気な話なんだ。


  まぁ、朝のレナだってオリバーさんから話を聞いただけであんなに興奮していたんだから、それもそうか。


  そして、最後に僕より背が高い男の子が前に出た。


  「俺はケンジだ。ユキと同じ異世界から来た一人だ。魔法は苦手だが剣術はそれなりに自信があるから、明日模擬戦やりたい奴がいたら言ってくれ」


  ‥‥‥なんだろう、この自己紹介から漂う脳筋臭。


  俺の辞書に「逃げる」という文字は無い!って言ってそうな雰囲気だな。

  今の言葉で明日戦ってみたいって思った人がいるんだろう、少し話し声がする。

  まぁ、話してるやつだいたい獣人なんだけど。

 

  そのあと、僕たちより先に入寮した人たちの自己紹介が始まった。


  僕たちを部屋に案内してくれた二人がエミリーとハルで、食堂に案内してくれたのがメイと言うらしい。


  自己紹介が終わると歓迎会が始まった。


テーブルにはカレーライスのほかにフライドチキンみたいな物がたくさん並べられ、皆で話ながら食べ始めた。


  この歓迎会の主役である僕たちに話しかけてくる人はたくさんいた。でも、四人にそれぞれ聞かれる話題は違った。


  レナだったら僕を従者として雇った経緯について、僕はなんでレナの従者として働くことにしたのかだった。


この二つの話は似てるけど聞いてくるのが女の子か男の子かの違いだった。


  ユキは向こうの世界でのことについて聞かれ、ケンジは明日模擬戦をやろうという誘いだった。


  歓迎会を終えて僕とレナ、ユキとケンジは僕たちの部屋にいた。


  なんでユキとケンジがいるのかというと、僕について聞こうと思ったからだ。


  ユキは僕の顔を見て泣き、ケンジは僕が生きてて良かったと安心していた。


つまり、向こうの世界での僕を知っているということ。


  それにあっちも僕のことが気になっているだろえから、今日話すことになった。


  一応ここで改めて自己紹介をした。


  「えーと、僕はロイでこっちがレナ。僕が記憶を無くして道端でどうしようかと考えている時に助けてくれた恩人なんだ」


  レナを紹介すると、レナが軽くお辞儀をした。


  そして、ユキとケンジの改めた自己紹介が始まった。


  「私の本当の名前は白雪なつめって言います。この世界では名字を使うのは、貴族や有名な人にしかだめと言われたので、こっちではユキという名前を使っています」

  「俺の名前は伊藤健二。まぁ、俺もユキと同じくケンジっていう名前を使っている」


  自己紹介も終わったし、そろそろ本題に入ろうと思った。けど、その前に紅茶をいれることにした。


  話が長引きそうだからだ。


  僕がお湯を沸かし、紅茶を入れて皆に配るとレナからの質問で話が始まった。

 

  「ユキってなんでロイを見たとき泣き始めたの?」

 

  そう聞かれたユキはどこまで記憶が無いのか確認してきた。


  僕は故郷が日本ということと向こうの生活位しか思い出せない、あとは君たちを見たとき心のどこかで懐かしいと感じたと言った。


  それを聞いたユキは少し泣きそうな顔をになった。


僕はなんで泣きそうな顔をになったんだろうと思って首を傾げると、ケンジが転移する前の話を話始めた。


  それは僕が思い出せない僕とユキとケンジとの関係と記憶の部分、そしてユキとケンジと一緒にきたクラスメイトの話だった。

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