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自分、異世界で従者として働きます。  作者: Hirota
第一章 従者として
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初めまして

「おーい、君、聞こえてるなら何か返事してよ~。」


女の子は下から覗きこむようにして言った。


なんて説明しようか考えているときにこんな仕草されたら、またドキッとしてしまう。


とりあえず、ここに来てからのことを話せば良いかな?


「えーと、目が覚めたらここにいて、何の目的を持ってここにいるのか、僕が何者なのか思い出せないんだ。」


女の子にそう言うと、女の子はふーん、と言って理解してくれた。


女の子がわかってくれたので、胸をなでおろすと、次の質問が飛んできた。


今まで考えてた、自分が何者なのか?と同じぐらい重要なことを。


「それはわかったけど、君はこれからどうするの?」


そうだその事も考えなきゃいけないのか・・・。


  この世界に来たのだから、自分でお金を稼いで生活をしなきゃいけない。


  だが、この世界のことを何一つ知らない僕は、どうやってお金を稼ぐのか、全くもってわからなかった。


「・・・・・・これからどうするかなんて考えてないよ。そもそもこの世界のことすらわからないから、どうやってお金を稼ぐのかわからないんだ。」

「そう・・・・・c、それだったら私と一緒に学校に行きましょ。そうしたら、この世界のことを学べるわ。・・・それに私の問題も解決できるし。」


 ・・・・・・はい?・・・今この人笑顔で何って言ったんだ?


「・・・・・・今、君は『一緒に学校に行きましょ。』って言った?」

「うん、そう言ったね。」


この人、断言しちゃったよ!やっぱ僕の聞き間違いじゃないんだ!?


それに女の子が言った「私の問題も解決できるし。」も引っ掛かるな。まぁ、今は深く聞かないでおこう。人それぞれに事情はあるし。


「この世界のことを何もわからないから、学校には行きたいんだけど、お金とか持ってないから払えないんだけど・・・。」

「大丈夫よ、そこは問題ないから。」


問題ないって・・・。もしかして金持ちの子なのか?まぁ、問題ないって断言してるから、大丈夫なんであろう。・・・何か心の奥で何とも言えない不安がつのってるけど。


「君の考えはわからないけど、この世界のことを学べるなら、喜んでその提案にのるよ。」

「ありがとう、今後のことも話したいから、馬車の中で話さない?これ以上馬車を待たせるのは失礼だから。」


 僕はうん、と頷くと女の子は馬車へと歩いていった。僕も一緒に行くんだからと、女の子の後を追うように歩いた。女の子は御者のおっちゃんに事情を話して、僕を乗せてもらった。


僕たちを乗せた馬車はゆっくりとした速度で進みだした。御者のおっちゃんに、どれぐらい馬車に乗るのか、と聞くと今の場所から目的地までは少しあって夕方ぐらいに着くそうだ。


「さぁ、まずは自己紹介ね。私はレナ・ヒルズ。レナって呼んで。」

「えーと、僕は・・・。」


 自己紹介と言われて、僕は何も言えないじゃないか。名前すら思い出せないのにどうすれば良いんだ。


「ごめん、名前すら思い出せないんだ。なんか名前を確認する方法とかないのかな?」

「たぶん、ステータスとかに書いてあると思うんだけど。記憶をなくしてるなら、ステータスの開き方わからないわよね。ステータスの開き方は『ステータス』って言うか、頭の中で唱えるかのどちらかだよ。ちなみに、自分のステータスは鑑定スキルを持ってないと見られないから。」


 へぇー、何か意外だな。まぁ、とりあえずステータス確認するか。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 名前:ロイ 種族:人 LV.1 職業:魔法剣士

 年齢:14 HP:150 MP:100

 筋力:50 耐久力:50 速さ:100

 魔力:100 運:?

 ステータスポイント:0 スキルポイント:0

 スキル:「剣術LV.2」「四大魔法(火、水、土、雷)LV.1」「鑑定LV.1」「隠蔽LV.5(最大)」「異空間保管LV.5(最大)」

 装備:「旅人の服」「革の胸鎧」「革のブーツ」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


  名前は確認できたが・・・。何、このステータスチート過ぎないか?


  いや、この世界の住人の基本ステータスを知らないから何とも言えないだけどさ。

 

「・・・名前はロイで、ちなみに14歳らしい。」

「へぇー、ロイね。良い名前じゃない、他に何か書いてなかった?職業とか、スキルとか!」


  やっぱそういうとこ気になるんだ。


  「職業は魔法剣士で、主なスキルは剣術、四大魔法、異空間保管かな。あ、質問なんだけど異空間保管ってどうやるの?」


  ステータス見たときからの疑問だった異空間保管。他のスキルはなんとなく名前でわかるんだが、異空間保管だけ使い方よくわからない。・・・ステータス開くときと同じか?


  「え~と、異空間保管はもってないからよくわからないんだけど、取り出し方はステータスの『異空間保管』を押して、中に入っているものを確認して、取り出したいものを選択するだけらしい。で、収納の仕方は収納したいものを触れながら唱えると収納出来るらしいよ。」


  レナに言われた通りにやってみると、異空間保管のメニューが開けた

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

異空間保管(LV.5)

 ・鉄の剣×1 ・革のガントレット×1 ・漆黒のマント×1 ・???の指輪 ・パン×2 ・リンゴ×1 ・クッキー×5 ・携帯食料×2 ・水筒×1 ・金貨×1

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


  中に入っている鉄の剣、革のガントレット、漆黒のマント、???の指輪を選択してみた。


 すると、目の前に選択したものが出てきた。

 

出てきたものを確認するとそれらは僕が今さっき異空間保管で選択したものだった。


選択した装備をつけていると、馬車を操作してる御者のおっちゃんが話しかけてきた。


  「ほら、お嬢さんたち目的地の『クロード学園街が見えてきたよ。」


 レナとともに見ると、そこには壁に守られた街があった。


遠くから見ただけじゃわからないが街自体大きいのはよくわかった。


なんだろ地球上で表すと香川県ぐらいかな?いや、それほどないか。


そして、街の代名詞となっているクロード学園の校舎らしきものが街の真ん中に建てられていた。周りは赤やオレンジなのに対し学園らしきものは青と白でやたら目立っていた。


  あの目立ってるのがクロード学園か?っと、レナに聞こうと横を向いた時、思わずビックリした。


今さっきまで話していたお転婆な雰囲気とは違って、何か決意に満ちた顔をしていた。


  レナも僕の視線に気付いたのか、いつもの雰囲気に戻って、なにかあったの?って顔をしながらこっちを見た。


僕はなんでもないと言って、視線を街の方に向けた。


  街は夕暮れのおかげでオレンジに染まりキレイだった。二人とも充分に景色を楽しめたので、座ってた場所に戻ろうとした。


  その時、馬車が小石でも踏んだのかガタンという音ともに揺れ、レナが体制を崩した。


次の瞬間、僕はレナの手を繋ぐようにして支えた。


レナが倒れる前に支えたおかげで、怪我はなかったが僕と手を繋いだのが恥ずかしかったのか、小声で「ありがとう」と言って馬車の後ろの方に座った。


そして、心を落ち着かせるためか髪をしきりにいじっていた。


僕は僕で心を落ち着かせるために深呼吸をしていた。


レナを助けたときは気にしてなかったがよく考えれば女の子の手を握ったのだ。


これでドキドキしないわけがなかった。


でも、レナからありがとうと言われたのは心の底から嬉しかった。


外を見ると黄昏時でクロード学園街はもう目の前だった。

装備欄に装備を一個追加しました。

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