第2話。。言い訳゜゜
第2話です(*^-^)ノ
「おじゃましまーす」
と大きな声が僕の左側から聞こえる。
僕の座っている位置から玄関は左にあるようだ。
ドタドタと足音が近づいてくる。
僕は足音聞いて不安になる。なんか怖いんだ。
その足音の正体が関本紗耶香ということが分かっていても僕の心臓は心拍数を速める。
「りょう?起きてる?」
紗耶香の声だ。声が聞こえるとさっきまでの不安は消えていった。
僕は返事をしなかった。その代わり近くにあった何かを声のする方へ投げた。
「起きてるんだね!おはよー。っていっても、もう夕方だけどねー゜*笑」
なんてごちゃごちゃひとりで喋ってる。
・・・今は夕方なんだな・・・
「ねー、顔見せてよ。」
・・・・・・・・・・・
「勝手に開けちゃうよ〜。」
僕の部屋に鍵はついていない。入ろうと思えば簡単に入れるが紗耶香は絶対勝手に入ってこなかった。
僕が開けるのを待っているのだろう。
そういうところには、気を使っているようだ。
・・・・・・・・・・・
「もー。返事くらいしてよ!!」
・・・・・・・・・・・
「いいよ。ぢゃぁ、勝手に話すからね。今日学校でね〜――――」
紗耶香はドア越しに僕に話し続けている。
よくもまぁ、そんなに話すことがあるもんだ。
僕はうらやましく思った。
「――なんだって〜!あっ、明日一学期の終業式だよ。明後日から夏休み♪」
僕に関係ない話だ。
一昨年までは大好きだった夏休みも、目が見えないのなら意味がない。夏休みになってもする事はない。毎日暗闇の中で時を過ごすだけだ。
「夏休み入ったらさ、一緒にどこかに行こうよ!!海とかさッッッ!」行けるわけがない。
「いっぱいプラン考えとくからねー!ちゃんと日にち開けといてよ?」
僕が外にでれないのを知っていてその言葉を言った紗耶香に僕の頭の中の何かがプツンと音を鳴らして切れた・・・。
「-・-・わけないだろ。」
「えっ?」
「行けるわけないだろ!!僕は何も見えないんだ!」
「見えなくても、感じることができるよ。たまにはさ、外の空気に当たるのも悪くないよ?」
「外にでてもいいことなんてない!!外に出たせいで僕は事故にあって目を失ったんだ!」
「でもッ!!!」
「僕のことはほっておいてくれ!!君のお節介はうざいんだよ!!!学校に行けない僕に学校の話してさッ。嫌なんだよ!!全部!!もう、二度と僕に話しかけないで!!」
言ってしまった。
とうとう言ってしまった。
彼女は黙っていた。
数分後泣き声がちょっと離れた場所から聞こえてきた。
「・・・だって、前のりょうにもどって欲しいんだもん。
学校の話ししたら、学校に来てくれる・・かも・しれないって思ったから・・・。
学校のみんながりょうを待っていること知ってほしかったから・・・。
外の世界、思い出してほしかったから・・・。
目のこと前向きに考えてほしいから!!」
・・・・・・・・・・・
「君なんかには分かんないよ。目の見えない僕のことなんか!!僕の気持ち分かんないくせに・・・。昔の僕に戻ることなんかできないよ!!目が見えないんだから!」
僕は自分の目から涙が出てくるのを感じた。
分からない・・・。
何も分からない・・・。
分からないけど、いっとき涙が止まることはなかった。
「今日はもう帰るよ…。りょうの声聞けてよかった・・・。」
と紗耶香は言い帰った。
明日からきっと彼女は来ない。
あんなことを言ったんだ。
来るわけがない。
今日は久しぶりにあんなにしゃべた。
疲れたよ・・・。
僕はそう思いながらいつの間にか眠りに落ちていった・・・。
ありがとうございました(≧ω≦)bぜひ、第3話目もお読みくださいませヾ(´ω`=´ω`)ノ