一狩り行こうぜ‼
今日は街で買い物をしに来ていた。食べ物や衣類、装備や武器など色々なものを売っている。
シロとクロとテトラの三人は屋台で買った黒狼の骨付き肉を食べていた。肉が固めで弾力があり、男性のシロと肉が好きなクロには好評だがテトラは噛みきらず食べずらそうにしていた。肉を食べながらこれからの予定を練ることにした。
「とりあえず旅に出るために衣類や小袋を集めなきゃな」
「そうね。どんな服があるなか~」
「本当にボクまで一緒でいいの?」
「いいよ。むしろいてくれると助かる」
シロの言葉にテトラの頬は少し赤くなっていた。クロもクロノスに学園の話を聞いていたがシロはクロが言い出すまで完全に忘れていた。朝にパトラとテクスに学園にいくため旅をする事を伝えるととテトラも行きたいと言い出した。パトラとテクスは人拐いの件の事もあり、強くなるために行くことを認めてくれた。この世界の常識をあまり知らない二人にとってテトラはいてくれると大変助かる存在だった。
衣類を買いに行ったが女性は買い物に時間がかかると言うが本当に時間がかかり、シロは疲れきっていた。
「シロ‼これかわいくない?」
振り向くとテトラがクロの着せ替え人形にされていた。テトラは白黒のメイド服を着せられて恥ずかしそうにしていた。
「金髪、ボクっ子、メイド最高ね‼」
テトラが可哀想なんて思っていたシロ。
「シロ……似合う……?」
「可愛いぞ」
テトラは恥ずかしいのか顔を赤くしながら聞いてくるので正直に答える。金髪とメイド服が似合い確かに可愛い。返事を聞くとテトラは更に顔を赤くしながら両手で隠していた。
「あとは武器かな」
クロは二刀流なのに剣が一本しかない。テトラには槍を持たせた方が良いだろう。シロも防刃素材の手袋と脛当てが欲しかった。魔法を付加してないと刃物使いとは戦えない。しかし店を、回り続けるが防刃素材の手袋が見つからなかった。
「まぁ欲しいものがない時もあるよ」
「そうよ。元気出しなさいよ」
「そうだ‼」
テトラとクロは励ますがシロは急いで街の外に出かけ牙熊を二匹ほど狩り剥ぎ取り帰ってくる。
「ないなら毛皮で作ればいい」
「なんて手際よ……」
シロとクロとテトラの三人は家に帰るとシロはすぐに部屋に戻ると手袋を作った。熊の毛皮で作った手袋は毛がうまく剣を通さなかった。
「よしっ‼完成‼」
「シロって裁縫も料理もうまくて女子力の塊よね」
「誰が女子だ」
クロの発言にテトラも頷いている。シロは家族が帰らないので一人で家事を続けてにすぎなかった。
それからはクロとテトラのファッションショーが始まり眠りにつく時には日が変わっていた。
シロが眠りについてもクロとテトラはお互いが買った服装を交換して着せあっていたがテトラはクロの買った服のサイズが合わず胸部がつらそうにしていたような出来事をシロは知らない。
◇
「またか……」
シロが目を覚ますと腕に重さを感じると部屋着を着たクロとテトラは腕を枕にして寝ていた。二人はお揃いの部屋着を買いクロは赤、テトラがピンクの部屋着を着ていた。
「たのむから起きてくれ」
「ん……」
クロは目を覚ますがテトラは目を覚まさずにシロに抱きついていた。
「シロはいい臭いがするからしょうがないよ」
「いい臭いってなんたよ……」
テトラを起こし動きやすい服装に着替えさせギルドに向かう。
今日はテトラのレベルを上げるためクエストをやるためだ。
ギルドにつくとレントがクエストを選んでいるところだった。
D級冒険者もC級冒険者と同行ならC級クエストに参加ができるので聞いてみる。
「レント。一緒にクエストを受けないか?」
「いいけどよ。そこの二人は役に立つのか?テトラってテクスのガキだろ?戦闘はさせてねぇってアイツは言ってたが」
「クロはあのクエストのレベル15のゴブリンのボスを単独撃破した力はある。テトラはレベルを上げさせたいから連れてきた」
「なるほどな。ならシロ。お前はテトラについてやれ。テトラをいざとなったら守る存在が必要だからな」
レントは冒険者を長く続けていたのでその案に乗ることにした。クロがまたツンデレントと言っていたのは流すとしよう。
「クエストは……これなんかどう?」
クロが選んだクエストは土竜討伐というものだった。二人が来た森とは反対方向で荒野にいるらしい。報酬は白銅貨八枚と高い。
「よしっ……これにするか」
「土竜か‼これはまた大物を選んだな。レベル20は超える魔物だぞ」
「報酬の半分はお前にやるよ」
「は?四人で狩って俺だけ半分はも持っていっていいのかよ」
「いいぞ。元々レベル上げだ」
(まぁ、他の魔法を覚えられたら覚えてやるつもりだがな)
シロは裏で腹黒な事を考えていたがレントはそんなこと知るよしもなく報酬の餌にかかってきた。
「ティファーさんこれをお願いします」
「土竜ですか?強いのでお気をつけください。レントさんが使える光魔法の目眩ましと風魔法が効くので頑張ってください」
(おっ‼良いこと聞いたな。光魔法も後で覚えてやろう)
シロは悪そうな笑みを浮かべていた。
◇
四人は回復薬や魔力回復薬などを街で買い揃え、馬車に乗り荒野に行くことにした。
「シロは魔法が本職なのか。なら光魔法と闇魔法と回復魔法の詠唱を教えてやるよ。クロは魔法剣士なら俺と同じだ。何でも聞いてくれ。テトラは槍使いか。槍は使いづらくて使ってないからなぁ。できることまでなら教えてやるよ」
荒野に向かう馬車ではレントに色々な事を教わった。光闇回復の魔法の神のこと、魔法剣士の戦い方、槍術の事など。レントはだてに長年冒険者を続けているわけではなかった。
テクスとレントは迷宮都市オルセニア出身でサタルセニア学園に通ったいたらしい。学園生活は楽しかったと過去の思い出にしたっていた。テクスとレントは学園でヤンキーのような存在だったらしくよく問題を起こしていたらしい。
(迷惑な奴等だな……行かないで引きこもった俺が言えないが)
(迷惑な奴ね。学校に行かず不良として暴れてた私が言えないけど)
樹海迷宮オセルニアに潜った事もあったらしい。二十層のボスに負けて逃げ帰ったらしいが。
そんなレントの冒険譚を聞いているとあっという間に目的地の村についてしまった。
村長が迎えに来てくれるが、レヴィ、レベル14と高い。村長に話を聞くと土竜が暴れて村が危険なので討伐して欲しいというものだった。
「しかし失礼ながら鑑定してみたもののレントさんはレベル18と高いですが子供達はレベル3や2と低いですな……。なんなら討伐中はこちらで預かりましょうか?」
「いいや。コイツらはレベルのわりに強いぞ。レベル15のゴブリンも倒せるほどだ」
「そうですか……連れていくと言うならお任せします」
村長は最高のレベルが18、その他が低く完全に負けると思っているらしい。その後ろで村人がひそひそと話しているのがわかる。なにかがおかしい。村人は鑑定スキルLv.4でもステータスが一切見えない。
「よし‼一狩り行こうぜ‼」
「「おー‼」」
「おー」
村人を気にしながらもクロの発言のネタを知っているシロと雰囲気乗ったレントが元気よく拳を上げ答えるがテトラはよくわからず周りに合わせて遅れて拳を上げ答えた。
「村長‼こっちでいいんだよな」
「あぁ生きて帰ってきなさい」
四人は歩いてベヒモスの待つ荒野へと向かった。村長の笑みを浮かべた顔を見たものは四人の中にはいなかった。
バイトがつづきなかなか書き終わりませんでした。今夜も書くので明日には投稿していると思います。よろしくでーす