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この不良引き篭もりをどうにかしろ!!  作者: あいむ
二節 旅の準備編
8/12

なんでこんな百合百合なんだよ


 草木の生えた広い空間の金色の林檎がなる木の下に青年はいた。


「あれがクロノス様が呼んだシロちゃんにアルテミスちゃんが呼んだクロちゃんか~結構面白い子達を選んだんだね」


 空間に亀裂が入り穴が開きそこから入ってきた茶髪の少女に青髪の青年は微笑む。


「ウリエルか。あの二人は恐らくだが僕達神さえ超えてくるよ。いや、超えてくれなきゃ困る」

「そうね。神全員が子供に期待してるの。子供達はこれから壁にぶつかる事になるでしょう。それを砕き突き進むことを願うわ」


 笑いながらそう言うクロノスに真剣な表情で答えるウリエルがいた。


 ◇


 シロとクロは帰り道も狩って狩って狩りまくり、かなり時間をかけてギルドにつくとテクスとレントが揉めていた。


「なんであいつらを止めなかった!?強いと言っても子供だぞ!?」

「しょうがねぇだろ?忠告しても行こうとしてたぐらいだからな。それにあいつらはお前より強いんだ。そのうち帰ってくるだろ?」

「昨日の三時前に出たんだろ?往復二時間かからないはずだ‼なのにまだ帰ってこないなんてなにかあったにきまんてんだろ!?」


 二人はそんな会話を聞き耳スキルが耳に入れていた。


((言えない……ついでで魔物狩り続けて遅くなったなんて言えない……))


 シロとクロはそんなことを思いつつレントとテトラに話しかけた。


「おっす。ただいま」

「ただいま~」

「お前ら‼よく帰ってきたなあぁぁぁぁ‼」


 シロとクロを抱き締め泣きつくテクスにレントが若干引いていた。


「なんでそんなに泣いてるんだよ」

「お前らが死んだらテトラが悲しむだろ?よかったよ。生きててくれて」

「あんな雑魚に私たちが負けるわけないでしょ?」


 クロが当たり前だと言わんばかりの顔でいる。


「それにしては遅かったな。何かあったのか?」


 帰りが遅かったことをレントが不思議に思い聞いてくる。するとシロとクロは小袋アイテムポーチをとりだした。


「ちょっと素材集めてたら遅くなった。ティファーさん‼素材の売却いいですか?高いと扱いづらいので銅貨多めで」

「いいですよ~素材の提示をお願いします。クロさんの分も対応しますね。フェリカ手伝ってちょうだい」

「いいですよ。クロさんはこちらに」


 その後二人は地獄を味わった。小包アイテムポーチから出てくる大量の素材の数々に周りの冒険者達も引き始めていた。鑑定スキルをフル活用して作業を続ける二人にさらに奥から五人ほど追加され鑑定を続けた。


「はぁはぁ……全部で青銅貨十八枚、銅貨八十四枚、白銅貨八枚、銀貨六枚になります……」 

「お疲れ様です。ありがとうございます」


 疲れきって生気が抜けたティファーにシロは礼を言う。シロとクロ稼ぎはこうなった。



青銅貨二十九枚、銅貨百七十二枚、白銅貨十十九枚、銀貨十六枚


 さらにクエストの報酬で白銅貨二枚が入ったが、二人はこの世界の金の価値をあまり知らず報酬で金貨に届かなかったことを悲しそうにしていたが周りの冒険者は脅威的な値段に驚愕していた。テクスとレントも空いた口がふさがらなかった。


「テクスさん。天井の弁償代銀貨十六枚で足りますか?」

「いや、足りるどころか安い家が一軒できるぞ」

「じゃあ、残りのお金の分で少しの間泊めてくれない?テトラと色々話したいの」


 クロの言った通り少しの間泊まらせてくれることになった。


 ◇


「うぉぉぉぉぉぉぁぉぉ」

「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


 シロとクロはよだれをたらしだらしない顔で料理を見た。


「たくさん作ったからどんどんお食べ」


「「いただきます‼」」


 パトラの作った料理に二人は勢いよく食いついた。


「お前らどんだけ腹減ってたんだよ」

「リンゴ以外の食べ物食べたの久しぶりね」

「お前ら育ち盛りなんだからちゃんと食えよ‼」

「おう‼」

「はい‼」


 シロとクロはすごいスピードで食べつづけた。


「これって牙熊ファングベアの肉ですか?」

「えぇそうよ。臭みを抜いたからすごく美味しいでしょ?」

「後で作り方教わってもいいですか?」


 シロはパトスにご飯を食べさせるパトラに牙熊のシチューの作り方を聞きながら料理を食べ続けた。シロは忙しい家族の料理を作ったり、一人暮らしを始めても料理を作る時がよくあったので気になった。


「男が料理を作らなくてもいいだろ?女に任せれば」


 テクスがかなり屑なことを言ったことにより周りがテクスを見る目が変わっていた。


「テトラ~あーん」

「自分で食べれるよ!?」


 クロがテトラにシチューを食べさせようとしていたがテトラは顔を赤くしながら拒否していた。


「テトラ~テトラ~」

「……しょうがないな~」


 クロの持っているスプーンにテトラが顔を赤くしながら食いついた。さっきからクロとテトラの距離感がかなり近づいた気がする。夕飯の前に二人は一緒にお風呂に入っていたが、悲鳴らしきものや喘ぎ声のようなものがよく聞こえた。


「あーもう食べられないわ」

「久々にこんなに食った気がするな」


 シロとクロはお腹を擦っていた。暴れ兎レージラビットの肉が鶏の砂肝のようなコリコリした筋がありながら噛み続けると溶けていくような食感が不思議すぎて食べすぎてしまった。あの魔物を狩った素材は残しておけばよかったとシロは後悔した。


 ◇


 シロは夕飯を終え風呂に入ったあと部屋に戻るとまた彼女達がいた。クロは疲れていたのか寝てしまったがテトラは起きながらクロの抱き枕にされていた。


「シロさん……ボクを助けてよ~」

「テトラ……」


 テトラは助けを求めるがクロは幸せそうな顔で寝言を呟いていた。


「廊下で寝てるからな」

「ま……待って、助け……」


 シロはテトラの言葉を遮り部屋の扉を閉めた。


「なんでこんな百合百合なんだよ」


 シロはそんなことを呟きながらジャンパーを体に被せ眠りについた。


 ◇


「おはよう。シロくん」


 草木の生えた広い空間の金色の林檎がなる木の下でクロノスはシロに話しかける。こんなにも話しかけてくるなんて暇なのだろうか。


「暇なのか?」

「暇だよ?何万年生きてると思ってるんだい?退屈すぎて辛いよ」


 クロノスは笑いながら冒険者ガードを見せる。年齢が六万四千二百四十二歳、レベル232、スキルの欄は多すぎて見るのが辛い。


「僕もたまに人間に化けて下界に遊びに行くんだけどそのとき作ったんだ」


 クロノスはそんなことを言いながら変身スキルを使い羽を消し黒の髪のかつらを被る。


「どうかな?かっこよくない?」

「まぁかっこいいんじゃないか?」


 青髪の方がかっこよかったので返信に困るシロだがクロノスは察したようにかつらを脱ぎ羽を出した。


「まっ、暇潰しに付き合ってくれてありがとう。お礼にいいことを教えてあげるよ」


 クロノスは笑みを浮かべ言った。


「学園には興味ない?そこから近い七大迷宮の一つ樹海迷宮オルセ二アに行くといい出会いがあると思うよ」


 七大迷宮とは神が作ったと言われ、迷宮の中で七つの迷宮だけが百層まであると言われている。また二十層ずつボスがいるため攻略するのは困難を極める。


「学園?いやだよ。この世界に来たって言うのになんで学園なんて行かなきゃ行けないんだ」


 シロは思い出した。自分が引き篭る前の出来事を。

 同じ学校の奴等が殴りかかってくる自分の学校生活を。


(まぁあの事件のお陰で【ダークウルフ】の奴等と仲良くなることができたんだ。いいとしよう)


「君には今その強さがあるんだ。あの時のような事は起きないんじゃないかな?」

「強さなんて関係ない。俺は暴力事態が嫌いなんだ」

「それじゃあ、こう考えてみよう。君は魔法攻撃が強いのに魔法はあまり覚えてない。それを覚えるために魔法学科に入るってのはどうだい?」


 シロはまぁそれなら良いかもと思い答えた。


「クロも乗ればの話だがな」

「君が行くって言えば行くと思うよ」


 クロノスは乙女心を理解したまえって顔をしているがシロはそう言うことに鈍く理解出来ない。


「君達の恋愛事情は本人に任せるとして、君達は十分に力があるが、こちらの世界の同じレベル同士だと確実に君達は負ける。だから君達には技術をつけて欲しい」


 今のクロノスにはいつもの笑みがなくなっていることに気づきシロはその忠告を受けることにした。


「それじゃあ、これから頑張ってね。鈍感主人公君」


 彼はそう言うとシロの意識が遠のき始めた。

 シロは目を覚ますと借りている部屋の中にいた。腕が重く体が起こせず、不思議に思いつつ横を見ると腕を枕にしている白髪の少女と金髪の少女がいた。あのあとテトラがクロを起こし部屋に放り込んだようだ。クロはシロを抱き枕のように抱きつき絶壁ながらそれなりにいい感触があばらにあたる。テトラはシロの太ももを柔らかい太ももで挟んでいた。


「勘弁してくれ……」


 シロの新しい一日が今日も始まる。


 遅くなりましたー最近寝ても寝ても眠くて打ち込むのに時間がかかっちゃいました~


とりあえず二章突入です。この作品をよんでくださりとても嬉しいです。

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