魔法がこんな威力なんて聞いてない‼
二人は長く続く草原を歩いていると気配察知スキルに人の反応がしたので駆け寄る。
「すみませーん‼この辺の人ですかー!?」
クロが走りながら馬車に乗っているの四人組に声をかける。二人は鑑定スキルを持っている人が俺達以外にもいると思ったのか、レベルがばれると不味いのでレベルを隠せないかとステータスを弄くり回していたら得ることができた偽装スキルを使いもとのレベルからLv.3に変え近づく。ついでに落とし穴にかかった牙熊は肉の臭いが強く食べれなかった。牙だけ回収して土に埋めた。
「なんだ。お前らは」
チャラそうな男が答える。シロは鑑定スキルレベル3で四人組の名前、レベル、体力、魔力、ステータスを盗み見る。平均Lv.6でこのチャラ男がLv. 8と高い。おそらくリーダーだろう。しかし雑魚だ。後ろの男と女も笑いながら聞こえないように話していたがシロとクロの聞き耳スキルにより話の内容が耳に入ってきた。
「若いし高く売れるぞ」
そんな発言が聞こえ、クロが動きかけたがシロが手を伸ばすと抑える。
「すみません。この辺で街や村はないですか?」
「俺達も向かうところなんだよ。乗るか?」
「すみません‼お願いします‼」
シロのスキル欄に詐欺スキルが増えていた。
(心外だな。こんな優しい善意の塊のような人に乗せてもらうだけじゃないか)
クロがなにかを言いたそうにしているが遠慮なく馬車に乗る。乗るときにシロはクロの耳元で呟いた。
「茶番に付き合え」
クロは笑いながら頷いた。
二人か乗り込むと奥に縛られた金髪の少女が眠っていた。ボロボロの服を着る少女はシロの鑑定スキルによりテトラ・ストライザー、Lv.2と出る。そして体力が半分ほど削られていた。二人が彼女を見ると後ろから四人組が襲いかかり抵抗しなかったのであっという間に縛られた。
「君達は街に着いたら奴隷商人に売ってやるよ」
四人組は悪い笑みを浮かべながらハイタッチをしていた。
((((((チョロいなコイツら))))))
眠っているテトラ以外の全員がそんなことを思っていた。シロはクロにウィンクをするとクロもウィンクを返し茶番を続ける。
「やめて‼なにするのよ‼」
クロの言葉に合わせる。
「奴隷になんてなりたくない‼やだーー‼誰か助けてーーーーー‼」
「助けを呼んでもこの辺に人はいないぞ」
これの茶番劇によりシロが演技スキルを得ると調子にのりバカみたいに演技を続ける。クロも演技スキル得て茶番劇を内心楽しみながら続ける。
(さっきからからクロの演技がうまいな。負けるか‼)
「お願い‼逃がしてください‼」
「ママァ……パパァ……助けてよ……うわぁぁぁぁぁぁん」
泣き出すクロの名演技にシロは吹きそうになる。喧嘩が強く決してシロ以外に屈することのなかったクロのこの勇姿をみてシロはお腹を抑え笑いを堪えてプルプルと震えていた。シロはこっそり縄抜けして見つからないようにポケットからスマートフォンを取りだし動画撮影を始める。
(なんだよこれ‼面白すぎて腹筋痛い)
シロはなんとか笑いを堪える。無表情スキルを得てなんとか時が過ぎるのを待つ。クロも演技が疲れたようでぐったりしている。
(大丈夫だ‼クロの勇姿は一生スマホの中で生き続けるぞ(笑))
馬車を走らせていたが、外が暗くなると四人組が外に出る。
「明日には大金が手に入るんだ。この命懸けの生活とはおさらばだ‼みんな飲むぞ‼」
飯だろうか。すると三人しかいなくなった馬車でシロはクロに近づいた。
「名演技だったな。腹筋崩壊するところだった」
「もうこりごりよ。あんなのは」
「あんなのってこんなの?」
シロは悪い笑みを浮かべながらスマホを取りだしさっきの動画を再生する。
「シロ!?なんであんた縄抜けしてるの?それになんで撮ってるのよ‼消しなさい‼今すぐ消しなさい‼」
シロが涙目で言っているし、後から殺されそうなので消すとした。シロは動画をクロの目の前で消す。シロからはかなり悪い笑みを浮かべていた。
(残念だったな‼もう複製済みだ‼永久保存するとしよう)
「これでいいか?」
「いいわよ‼……でこれからどうするの?」
「街の近くになったら逃げる。そんな縄お前なら引きちぎれるだろ」
「OK 。わかっ……」
ーーグゥゥゥゥゥゥ
シロは頷くがその時目を覚ましたテトラのお腹の音がなる。シロはリンゴを取りだしテトラの口に持っていく。テトラはあっという間に食べ終わる。相当腹が減っていたようだ。するとテトラが礼言った。
「ごめんなさい。でもいいのですか?このまま街につくとボクたち奴隷にされちゃいますよ」
「ボクっ子キタコレ‼」
泣き目で真剣な話をしているテトラにクロは関係ない話をしだす。
「大丈夫よ。あいつらレベル低いし簡単に逃げられるわよ」
「え?ボクの鑑定スキルでみるとレベル8だよ‼レベル2のボクやレベル3の二人じゃ逃げられっこないよ‼」
「大丈夫だろ。逃げるときはお前もつれていくから。それより俺は体がつらい。寝させろ。おやすみ」
そうシロが言いながら見つかるとまずいので偽装スキルで体を軽く縛り始める。寝始めるとクロも眠りについた。テトラはさっきまで眠っていたのと、奴隷にされる恐怖からか眠れずにいた。
◇
日が昇り四人組が起き馬車を走らせる。シロとクロは元々昼夜逆転の生活をしていたせいか、ただでさえ睡眠時間が少なかったせいか眠り続けていた。テトラも眠れずにいたらしく朝になっても眠り続けていた。
「街が見えてきたぞー‼」
しばらくすると四人組が騒ぎだしその声でシロとクロは目を覚まし外を見る。すると街の塀が見えてきてきたのでシロはテトラを起こし街が近づいてきたことを伝えと顔を青ざめていた。
「もうだめだ‼ボクたちみんな奴隷になっちゃうんだ‼」
シロはクロに向かい笑みを浮かべる。クロも状況を確認し、シロに悪そうな笑みを浮かべると縄を引きちぎり馬車の後ろを殴り壁に穴を開けそこから外に飛び出した。シロも一瞬で縄抜けをするとテトラの縄を引きちぎり抱え穴から飛び出し街に向けて逃げ出す。
「なにしてんだ‼捕まえろ‼」
チャラ男が言い馬車をと中にいた男二人と女が縮地スキルを使っているのか、少しは速く走ってくるが二人の走る速さに追い付ける気配はない。追い付けないと思ったのか女は唱え始めた。
「火を司る大神アレスよ。火の魔導書第一章を開け‼火球‼」
シロは聞き耳スキルでその詠唱が聞こえ振り替えると、女の伸ばした手から掌のような大きさの赤い魔法陣が現れ、そこから火の玉が現れる。
ステータスに魔法スキルが追加された。詠唱が魔法を覚える条件なのだろう。走る速さがクロより遅いシロにに飛んでくるがキャッチボールのように右手を伸ばし火の玉を握り潰した。レベル差のせいかHPは半分の状態から減ったかが分からない。
「魔法を潰した!?」
そんな声が女から聞こえたがシロは試しに撃ってみたくなり同じ詠唱を始めた。
「火を司る大神アレスよ。火の魔導書第一章を開け‼」
右手を伸ばし力を込めると魔法陣が現れるが大きさがシロの十倍はあるがお構い無しに放つ。
「火球‼」
唱えるとシロの巨大な赤い魔法陣から火の玉が現れる。だが大きすぎた。隕石と変わりがないだろう。咄嗟に手を上にずらすと四人組の後ろにある山に飛んでいき爆発する。するとあったはずの山が消しとんでいた。
(は?なんだよ‼この火力‼)
ーーパァン‼
シロがクロに頭を叩かれ顔から地面に埋もれ地面にクレーターができる。眠っていたせいか全回復していたHPが四分の三を過ぎる。
「バカなの‼何で異世界来て三話で山を消し去るのよ‼」
(なによくわかんないこと言ってるの?)
テトラを見ると口をポカンと開けながら消え去った山を見ていた。
ステータスのレベルが127になっていた。おそらくあの山の魔物等を倒してしまったのだろう。四人組も目の前の光景に動けずにいたのをいいことに二人はは全力で街に向かい駆けた。
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シロ
種族 人間
性別 男
Lv.127
・HP 体力 674→153(全部クロの攻撃によって)
・MP 魔力 568→538(魔法使用によって)
・STR 攻撃力 755
・INT 魔法攻撃力 887
・DEF 耐久力 662
・DEX 器用 405
・AGI 敏捷 664
・LUK 運 13
技能
料理スキル Lv.5
体術スキル Lv.5
棒術スキル Lv.4
裁縫スキル Lv.2
鑑定スキル Lv.3
暗視スキル Lv.2
峰打ちスキル Lv.2
気配察知スキル Lv.2
聞き耳スキル Lv.2
瞬動スキル Lv.1
偽装スキル Lv.1
詐欺スキル Lv.1
演技スキル Lv. 1
無表情スキル Lv.1
特殊技能
極真空手 Lv.10
魔法
火魔法 Lv.1
装備
パーカー Tシャツ ジャージ パンツ スマートフォン
更新です。固有技能と特殊技能の違いがわかりづらいところがありますが、固有技能は常人では持てない技能、特殊技能は持つことは可能だが取るのに難易度が高い技能です。
例えば固有技能は卑弥呼が何もないところから水を出したなど言われているようなものです。特殊技能は中国などにある「トラックが腹の上を通っても痛くないや」「金的を蹴られても大丈夫」また資格の「第一種電気工事」や「剣術流派」など普通に生きていくだけなら必要ない技能が入ります。
こんなんですがよろしくお願いいたします。