プロローグ
前に書いた物語が失敗して新しい物語を書き始めました。
不定期ですが沢山の人に読んでいただけるよう頑張ります。
ミスやアドバイスなどありましたら教えてください。
「焔 白……。焔か……。面白いことになりそうだ。」
左手にある水晶を覗きながら青髪の褐色の男は笑いながら囁いた。
◇
時計が深夜一時をさしている中、一昨日から徹夜でオンラインゲームに熱中している目の下のクマが酷い十四歳の少年がどこにいる。
ーーこいつだった!!
スエット姿で黒色の髪に赤黒い眼の少年、シロは器用に左手で横にある缶ビールを右手で操作しながら飲みツマミの柿の種を摘む。
(まさにニート生活。最高だな!)
この外道は中学の一年の時に幼馴染みに勧められた人気ゲームにハマり一年たった今も続けていた。ついでに学校には行ってない。なぜこんな生活ができるかというと、幼稚園の頃親父に極真空手を無理やり習わされ小学六年になった五年と半年という極真空手ではとても短い時間で初段になったが、師範とよりが合わず殴り合いシロは骨を何本か折られやめてしまった。親父は責任を感じておりシロにかなり甘くなっていた。
「ふざけんな!!回復かけろよ!!死んだじゃねぇか!!」
パーティーの回復役にキレながらシロはゲーム機から手を離しスマートフォンのパスワードを解き今日の予定をみた。
「あ……今日招集じゃねぇか‼」
スマホのカレンダーの今日の欄に(二時召集‼)と書かれていた。今日はシロの入っている不良グループ【闇の狼】の招集がありスエットを脱ぎ、彼のいつも通りの黒のパーカーとTシャツに黒のジャージに着替える。
「動きやすいしこれでいいよな」
シロは玄関の扉を開き飛び出していった。
◇
二時を過ぎた頃、シロが家から近場の土手の橋の下につくとシロと同じぐらいの歳の少年達が集まっていた。
「お前ら!!早いな!!」
「オッス、おはようございます!!シロの兄貴!!」
シロが彼らに挨拶すると元気よく返事が帰ってくる。すると少年達の中に白髪でかわいらしい顔に黒のパーカーに短い白のスカートの綺麗な緑色の眼の少女がいるのが見える。
「おそいよシロ‼またゲームやってたの!?」
「すまんクロ。今日で絶賛三徹突入中なんだよ」
頬を膨らませる彼女は影宮 黒。シロの幼馴染みであり同じ学校の同級生であり、この【闇の狼】のリーダーで、シロは幹部として活躍している。またシロをゲームの世界に導いた先輩でもある。彼らはよく集まってゲーセンに行ったり、他の不良グループと喧嘩したりしていた。
今日もゲーセンやカラオケに行って帰った頃には時計が朝8時を回っていた。これからはシロはクロと一緒に俺のアパートに泊まり込みで四徹に突入しゲームをする予定だったが、その時に事件は起きた。
「やばいもうすぐ死にそうだ‼」
「回復してあげるから攻撃に専念しなさい‼」
二人はカーテンが閉まった暗い部屋でゲームをしていた。クロは徹夜し続けているシロよりレベルが高く操作がうまく動かしているのでかなり余裕があるようようだ。二人はゲームを続け楽しい時間を送っていたが画面が突然真っ暗になった。
「停電かな!?」
「なんだよ。いい所だったのに!」
停電かと思ったが黒くなった画面に、一文字ずつ白い文字が現れる。
君 た ち は こ の ゲ ー ム の よ う な 世 界 に 興 味 は な い か ?
そんな文字を見てシロは、幼稚園から録に青春を謳歌できず無駄な時間を過ごしてきた自分を思いだし答えた。
「あぁいいだろうな。この世界は楽しそうだ」
「まぁ将来が不安すぎるこの世界よりはいいわね」
クロが答えると画面に現れていた文字が消え、シロとクロは二人を中心に現れた灰色の光を放つ円環の線に謎の文字がかかれた模様に包まれる。これを恐らく魔法陣と言うのだろう。魔法陣の光が強くなり二人は不意に目を閉じた。
シロが目を開くとシロの部屋にいたはずが、草木の生えた広い空間に出た。足元には部屋で見た魔法陣が書かれており、そして目の前の金色の林檎がなる木の下には青髪に褐色の肌の男性がいた。
「やあ 初めましてシロくん。僕はクロノス。君を異世界に連れていく神だ」
「クロはどうした?」
シロがクロが見当たらないとこに気づきクロノスに聞いた。
「大丈夫さ。同じ場所に転移させる予定だ。また会える」
「クロノスって時空の神様だよな?そんなのが俺に何の用だ」
「そんなに警戒しないでよ。いいって言ったのは君らじゃないか」
シロはよく神話が好きで北洋神話やギリシャ神話、バビロニア神話に聖書の黙示録をよく読んだりしていた。
「君はこれから異世界に行ってもらい魔物を狩って欲しい。だが君はこの世界で生きるには厳しい。と言うことで特典に力を上げよう。君達のしていたゲームのステータスとこちらの言語の翻訳をプレゼントしてあげよう。」
クロノスの両手から青い炎が現れ俺達2人に当たると力が湧くような感覚がした。
「君は向こうの世界できっとやって行けるはずだ。応援しているよ」
「それは仕事なのか?」
「まぁ仕事みたいなものだよ」
「仕事よりボランティアの方が近いかもよ」
仕事嫌いなシロはいやな顔をしていたがクロノスは手を下に下げ上げると魔法陣が上に現れ吸い込まれていく。シロは満面の笑みで感謝の気持ちを伝え灰色に光る魔法陣に吸い込まれていった。
二人を包んでいた灰色の光が消え、その場に残ったクロノスは静かにため息を吐いた。
「神代の終わりを告げるときが来たようだ。」
この作品を読んでいただきありがとうございます。
これからできるだけ早く更新して行きます。
宜しくお願いします。